虐殺王Ⅰ
なんか凄いことになりました。
…俺の目の前には死体が一つ。
このまま見つかれば俺が犯人扱いを受けるな。
まあ俺が犯人なんだが。この名もない死体は冒険者だったらしいが話を聞いた収穫はあった。
まあ今はこの死体のことはどうでもいい。見つかって始まるよりは自分から始めるかね。
まずは部屋を出る。ここは角部屋だったか。うん?廊下に一人の女性。格好からみて軍人か?
こっちを向いていないか。まあいいサクッと行こう。
「やあ!軍人さん!」
「うん?なん…」
彼女は言葉を最後まで言うことはなかった。
もちろん俺が横を通り抜けざまに斬ったからね。
さあこれがゲーム開始の合図だ、誰も聞いてる奴なんていないけども。
とある兵士side
なんなんだ!なんなんだ!なんなんだ!あの化物は!
「くそ!はしれ!もっとはやく走れ!追いつかれるぞ!」
「なんだよ!ありゃあ!」
「そんなもん知るか!」
「畜生!こんなところで死にたくねえ!」
俺達は逃げていた。化物から逃げている最中だ。
周りは阿鼻叫喚の地獄と化している。栄えていた面影なんてカケラも残っちゃいない。
崩れた建物からは炎が上がり、なにやらわからない呻き声が辺りを埋め尽くしている。
「おい!前にあいつらが居やがる!」
「クソッタレ!」
「退きな!」
「うおおお!」
俺たちの行く手に骸骨が立ち並んでいた。
俺たちは止まることもせずに銃を乱射しながら突破した。
こいつらはあの化物が呼びだした魔物共だ。骸骨兵士自体はたいした強さじゃない。
問題は数だった。数が多すぎるのだ。最初は少なかった。だがあの化物が殺した奴らも利用しはじめた。
勝てるはずがない。倒しても倒しても切りなく出てきやがる。
もうすぐだ。もうすぐだ。もうすぐでこの地獄から脱出ができる。
そのためにここまで逃げ続けてきたのだから。
「やっと、着い、たぞ。」
「はあ、はあ、逃げ切った、か?」
「やっと、か。」
「疲れ、た、ぜ。」
「はい、お疲れ様」
…なぜか俺たちの体が見える。なのに首から頭がない。なんで…
「無駄な努力、ご苦労様でした。」
とある兵士sideオワリ
世界に都市国家壊滅の報が流れるのは遅くはなかった。
圧倒的な力で大都市を壊滅させた者
人々は恐怖をこめてこの事態を引き起こした者を【虐殺王】と呼んだ。