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オセロ  作者: ピエロット
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レポート真子01

少し薄暗い 大学校内 11月10日 18 時30分


背広を着こなし、その上から白衣を羽織っている 男が喫煙所で 気持ち良さそうに、タバコを吸っている。


「嫌な予感しかしないが」

男は右手にB 4サイズの封筒を見つめながら、小声で呟いた。

封筒には 人間を背中側から撮影した写真を表紙とした、レポートが入っている。

男は表紙を見た瞬間に、息を飲み込み沈黙した。


写真の見た目は人間の背中なのだが、若い女性だろう。背中を鋭利な刃物で右肩から左の腰辺りまでバッサリと斬られ映画のワンシーンのようなグロテスクな写真だが少し違和感も感じる、もう一枚の写真には刺青シールが剥がれかかれている写真が一緒に張ってある。

その写真よりインパクトがあるのが写真の中央に、赤色のマジックで






『切り裂き 』 と、書かれていることだ。


レポート00序奏







男はレポートをめくると写真や見取り図など他にも入っている レポートを見つめながら。

「また、厄介なのに手を出したな」

男は少しニヤツキながら、レポートを開く。

最初に人物写真が張ってある。

少しやつれ、肩までのストレートヘアで顔つきは目がつり上がった女性が写っている。

写真にはコメントと情報が、記載され

『最初の被害者』7月20日 22時30分


川野 希美 女性 ○○生まれ 26才 大阪市 ○○区 コーポ305


自室で、鋭利な刃物で斬りつけられる。

男は写真を見ながら、タバコを消す

「また、興味深いのを持ち込んだな。彼奴は」

タバコの空箱に気付き自室に歩き出す 此処では 内容が過激すぎ、人目が気になるし 読み更けてしまう。

少し離れた場所の自室に着いた男は、レポートを読む前に部屋の明かりを消し 薄暗い部屋でレポートを見つめながら、片手に万年筆を手に取り読み始める。


被害者は友人との携帯中に切りつけられ、駆けつけた 友人と管理人共に 発見され急いで 救急搬送され その際に警察に通報される

搬送当時は 息をしていたが、病院に到着前に息を引き取る。


23時 46分 死亡


普通なら、殺人事件として報道されるが あまりにも 奇っ怪な為 報道規制される。

此処までレポートを読むと、男はコーヒーカップを取りだし 冷蔵庫から市販の缶コーヒーを注ぎ入れ 、口先に笑みを浮かべながら一息いれると 角砂糖を一つ入れて レポートを読み出す。

この『切り裂き』事件は殺人事件として警察も動き、警察もすぐに重要人物を特定した。

解決まで、数時間単位で決着がついた。

しかし 事件はこれで終わらず『第二の被害者』が発生する。

第二の被害者は友人でそう、第一被害者の携帯電話 相手だった


別のレポートに張ってある、人物写真に『第二の被害者』と赤いペンで書かれひときわ目立つ、人物は中年太りのメガネをかけ 顔つきはいかにも世話好きそうだが。


鹿島 隆彦 9月7日 07時45分頃

○○生まれ 27才 男性 大阪市 ○○区 親と同居

拘置所内にて、死亡


当時は自殺と思われたが、死因に不可思議な点があり(死因は今のところ報告無し、この事も報道規制に関係すると思われる)

拘置所と書いたが 警察は犯人を 鹿島さんにしてたらしい、しかし 鹿島さんが拘置所内にて死亡するという事態に 警察は焦り、原因究明をしたが特定ができなかった。


これが、事件の始まりである。



しかしながら秘密を暴露する者は必ずいる。人間の口には扉は立たないもので 突然、週刊誌を賑わいさせる。


資料の中に週刊誌の切れ端が見える

『警察、事件を隠ぺいか?過激な尋問で容疑者 自殺!』

『人道を忘れた、警察』

などが、書かれている。


事件の内容より、警察の対応策の方が大きく取り扱われている。又、加害者より被害者の方の人権がよく見える。(相変わらずの対応だ)

警察の報道規制は皆無になってしまった。 当時は警察内部ではかなり焦っていたらしい。

報道もこれ幸いと過激すぎる内容で、叩いた為に 警察側は事態を収拾させる為に、謝罪会見をしたが

国民が納得するはずもなく、警察側は関わった関係者を処分するという 暴挙に出ることになる。

関わった幹部3人 他にも関係者6人が 処分された。

「あの事件か!確かに警察も可哀想なぐらい、叩かれてたな 」

男は考えているのか、レポートから目線をそらすと、一言呟く。

「まだ、終わってなかったのか」


ふっと男は窓の外を見ると、いつの間にか日が傾き 夕焼けの空になりかけている。

窓から下を見ると、サッカーグラウンドが見え、 学生達が練習をしている姿がある。 また、その向こうには テニスコートがあり、水銀灯の明かりが、 イルミネーションのように その奥の家々や福岡市の代表の山 『油山』を幻想的に照らし出す。

男はさらに下に目線を下げると、女子学生と男子学生が、この建物の入り口付近でこちらに合図した後に建物に入って行く姿があった。

それを見た男はティーカップ2つと、〔 ミルクたっぷりミルクティー〕と書かれた 缶コーヒーとお皿二枚、取りだし 温めだす

ティーカップにミルクティーを入れ始めた時、先ほどの学生らが部屋に入って来る

「先生、缶コーヒー一箱とパックミルク2リットルと砂糖買ってきました。後、迷子になりかけていた 蜜柑)(みかん)を連れてきました」

と男子学生は部屋中に響く声で報告する。

「ちょっと、迷子とは何よ!方向音痴は認めるけど、流石に学生二年目よ。やっと覚えたし!! 」

蜜柑と言われた女学生は、腹をたて怒りながら、買い物袋から品物を取り出して机に置く

それを見ながら男性二人は、『二年目でやっとか? 』とツッコミを心内でしたとは 蜜柑はつゆ知らず

蜜柑は買い物品を並べ

「『金鷹(かなたか)』先生、今夜の夜食と言われてた資料持って来ましたよ。と、『お二方』にも」

視線の先には 蜜柑の足元にキャリー付きペットハウス(二階建て)があり、 蜜柑はペットハウスの扉を開けながら

「みゅうーくん、レオちゃん着いたよ

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