【200文字小説】運転にご注意を
太郎と花子は新婚旅行で南国へ来ていた。
太郎の運転する車で2人は旅行を満喫し、その日は高級ホテルに泊まった。
翌日、車を運転できない太郎に代わって花子がハンドルを握っていた。
太郎はひどく後悔していた。
普段は別々のベッドなのだが、ふかふかのダブルベッドで一夜を過ごした昨夜。
慣れない事をしたツケがこうして今――
まさか『こんな旅行』中に『こんな事』が起こるとは。
それにしてもこんな名前を付けた人物が憎かった。
2人は『新婚旅行』で南国を訪れていました。
普段は別々のベッドで寝ていましたが、この時くらいは一緒に……そうして腕枕をして寝てしまったために『橈骨神経麻痺』を起こしてしまったのです。
『橈骨神経麻痺』は男が女に腕枕で一夜……ということで俗称として『ハネムーン症候群』や『サタデーナイト症候群』などと呼ばれており、神経が圧迫されて麻痺が生じる症状を言います。
よって翌日、車の運転ができなくなった太郎に代わって花子が運転したのでした。
旅行は微妙になってしまいましたが、これはこれで良き思い出でしょうか。