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趣味部  作者: tokachi
8/11

大会開幕

 俺は、現状況からの脱出をこころみていた。自陣には前にしか進むことを考えてない雑魚が2匹、斜めにしかうごけないやつが一匹そして、我が主さまが一人である。なぜここまで追い込まれてしまったか?それがわかれば苦労するわけがないだろう。対して敵陣には以下略。自陣の王が敵陣の王に追いかけられていた。

「よくもここまで追い詰められますね。尊敬に値します。」

「好きでこうなったわけじゃねえよ?ただ、ねえ・・・」

「手加減はせえへんしゅぎでなぁ~。」

先輩は悪くない。うん。わるくない。だって俺が弱いだけ。

「もういっそのこと早くとどめをさしてくれぇ!」

言った瞬間先輩は勝利の方程式を完成させていた。一応手加減はしていたみたいだ。

「やっと、終わったわね。長かったわ。無駄に。じゃあ、次はわたし対可憐ね。」

楓はおもむろに駒をならべ始めた。そこで俺は気づいた。ミステリーサークル並みの新事実を。

「なんで楓のところには飛車しかいないんじゃー!」

飛車がとてつもない行列を作っていた。あれ、マジだったんだ。

「勝つためにはどんな手段でも行使するわ。」

「だからといって、せこすぎるのでは?」

それでも、楓は無理やり将棋をスタートしていた。


待つこと10分

「いったいぜんたいどうなったらこうなるというんだー!」

そこには歩に囲まれた王の姿が映し出されていた。

「意味がわからない!どうしてこうなる!」

「実は私ルール知らないのよ。」

「じゃあ、カリスマ司会者もやめちまえ!」

「司会者と将棋はべつものだわ。」

「それにしても、可憐ちゃんは強いなー。将棋部にスカウトしたいわ~。」

「もうそんな部は存在しないわ。」

「何くさくさしとるんじゃ、てめぇー!」

なにはともあれ、決勝進出は決まった。とても見ごたえある勝負である。

「一本勝負。ガチでいくでー!」

先輩の目がめずらしく耀いていた。


俺達はそろって部室をでた。今日はものすごく疲れた一日だった。将棋って体力使うんだな。と再認識させられる。

「それにしても、可憐ちゃんは強いなー。負けるかとおもたわ。」

「やっぱり先輩はつよいですよ。」

「じゃあ、私と可憐ちゃんこっちやからまたなー」

「はい、また、月曜日にあいましょう。」

俺は和やかに先輩と可憐を見送っていた。

「ねえ、幸助」

今は俺と楓だけである。俺と楓はすこしばしょが違うが、同じ方面であることが発覚していた。おれは男らしく女の子を送るべく、迂回ルートで帰っている。というか、命令された。暴君に。

「わたしから、ひとつお願いがあるの。聞いてもらえないかしら。」

「ん?なんだ?悪い予感しかしねえんだけど。」

そこから出た言葉は目から鱗だった。


「明日わたしとデートしましょう。」


それはあまりに突然で、予感的中だった。

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