始動
書いてみました。駆け出しですがよんでもらえたらなによりです。できれば感想も。
「なんていう部活なんだよ。」
俺は普通に聞いた。あいにく俺にはやりたいことなど何もない。このままだと、高校生活を帰宅部のスーパーエースになろうとしてた男だ。誘われているのなら正直おおいに大歓迎だ。
「そうね。なんの部を作ろうなんてまだ決めてないわ。ただ、このまま何もせず高校生活を終えるのがいやなだけよ。」
「なるほどね。要するに趣味も特技もないわけだ。」
「なくて悪かったわね。退屈そうにするよりましだわ。・・・趣味?そうよ趣味部よ!」
「趣味部?なんだその部活は。趣味を一緒に見つけようとかいうんじゃねえだろうな。」
「そのとおりよ!」
「そのとおりなんだ・・・」
「それじゃあ、また明日!楽しくなりそうだわ。」
そういって楓は帰って行った。
翌日、うざいほど晴れ渡る晴天だった。太陽さんが俺を燃やそうと奮闘中のようだ。しかし、春の晴天では俺を干からびさせることは叶わないらしい。
放課後になった。俺は重い腰をやっとこさとあげると周りに視線をクロールさせた。そのまま、カバンを持ち帰ろうとしているところを呼びとめられてしまった。
「おい!なにしれっと帰ろうとしてるのよ。救急車が重傷な老人をのせながら信号無視をしているように見えたわ。」
「お前は、全国の救急車の運転手に土下座しろ。」
「いやあね。冗談に決まってるわ。それよりついて来てほしいの。」
「どこにだよ。」
「禁則事項です。」
「なんにも可愛くなんざねえよ。あれは未来から来た人がやるから可愛く見えるんだ。一般人がやったらむかつくだけだ。」
「あらそう?でも、ついてきてはもらうわ。」
「そうかい」
俺は楓の言葉に従うことにした。このまま問答を続けても結局言いくるめられそうだったからだ。
渡り廊下をすぎ階段を筋力トレーニングのように登り、先輩達のいる教室の横を女王陛下にこびをうる一般人のようにぺこぺこ頭をふりふり、やっと止まってくれたところは、将棋部という立て札があるドアの前だった。
「どういうことだよ。これからなにすんの?ここは、どうみても将棋部の部室でしょ?趣味部は諦めて将棋で青春をすごそうってことか?」
「違うわよ。まあ、見てなさい。過去にライアーマンとまで言われた私の能力を。」
「ライダーマンならかっこいい正義のヒーローだが、それだとただのうそつきか詐欺師だ!」
がらっ。楓がドアを開いた。
「こんにちはー。ここ将棋部の部室ですよね?私、1年の涼華楓といいます。部長さんですか?」