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ウマ

作者: 古数母守
掲載日:2026/02/13

 遥か彼方、動物たちが平和に暮らしている惑星があった。そこでは深緑色の葉を茂らせた広大な森とどこまでも続く草原が広がっていた。この惑星には人間は存在しなかったが、地球にいるのと同じような動物たちが暮らしていた。リスたちは森の木々の間を自由に飛び跳ね、冬ごもりに必要な木の実を集めていた。ウサギたちは柔らかい草を食べ、土を掘って巣を作っていた。ウマたちは、どこまでも続く草原を駆け回っていた。もう何十万年も同じ風景の中を動物たちは互いに争うことなく平和に暮らしていた。そんなある日、ウマの脳に突然変異が生じた。脳の配線が変わり認知革命が起きたのだった。ウマたちはヒヒン、ヒヒンと何でもすぐに理解するようになり、言葉を交わすようになった。ウマたちはやがて農業革命を起こし、小麦や稲を栽培して定住生活を送るようになった。そして科学革命を起こし、高度な文明を築くようになった。そして夜空を見上げ、私たちの他に知性を持った生物は、この宇宙に存在するのだろうかと物思いに沈むのだった。


 そんなある日、巨大な宇宙船が飛来した。ウマたちは仰天した。星間航行を可能にする程の高度な文明を持った宇宙人(あるいは宇宙ウマ)がやって来た。私たちは一瞬で滅ぼされてしまうかもしれない。そう思って、ひどく不安になった。やがて宇宙船が地上に着陸した。ウマたちは固唾をのんで見守っていた。ハッチが開いた。そこからシカが出て来た。遥か彼方の惑星では、シカの脳で突然変異が生じ、認知革命が起こり、高度な科学文明を築き、シカが惑星を支配していたのだった。

「なんだシカか」

ウマたちはほっとしていた。それを聞いたシカはどうやらカチンと来たようだった。

「なんだシカかとはなんだ? ウマのくせに」

それを聞いたウマたちはブチ切れた。

「ウマのくせにってどういう意味だ?」

そこで取っ組み合いの喧嘩になった。独自に発展を遂げた二つの文明は非常に不幸な出会いをしてしまったようだった。

「この馬鹿野郎!」

「なんだとこの馬鹿野郎!」

馬と鹿はいつまでも罵り合いを続けていた。

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