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7、あなたは私を知っている?


この作品を見つけていただきありがとうございます。



あなたは私を知っている?


その前にまず、その「あなた」はだれだ?


私を知ってる理由は?



ふわふわする感覚は治らないまま薬のゴミをぽいと捨てる。


ぐわんぐわん、また目眩がするから今日は急いで帰ろう。





私は今日も夢を見ている。






結局普通に怒られて凹んだ。


義兄のいつもの笑顔がもっと笑顔になった。



元からだけど笑ってるのに、笑ってない。


そんな状態だった。



で、私は下を向きながら、言った。



「この人がいきなり薬の実験をさせて欲しいっていうから…」


しかも、この人に秘密がバレてるわけで、それはそれは怖かった。


でも、自分で言ってたし、しょうがないよね。


死んじゃダメって言ってないこの人が悪い。




私は悪くない。


そう、絶対に。





義兄はため息を吐いたあと、笑顔で私に向かって言った。


「次からちゃんと言ってね?」



怒ってない…のだろうか。


協力、確かに義兄に言った方がなんでも出来る。


でも今回は仕方がなかった。


突然だったんだ。


しょうがない、しょうがない。




そして話は終わった。





話が終わったということは次は多分傘下さんの話になるということである。



「鍵が外からかけられていた理由は?」



それは普通に知らないとしか言いようが無い。


義兄もそれは分かっているようで「傘下さんかな。」と言っていた。



結局そんな感じで話は終わった。


私は軽くしばかれた気分だ。






ぐわんぐわん、痛かった。


手足が痺れるようだ。


苦しかった。


震える手を眺めて今日も、夢を見に行く。



私は今も夢を見ている。





????




あれ、私何をしてた?


何をされた?




傘下さんの話をしたあとから記憶が無い。


なんだっけ?


あれ?





もう、わたしのまえには死体が転がっている。


おかしいなぁ。



社会的に、滅してあげようと思ったのに。


全部、全部、取られちゃった。




義兄は私の前でくすくす笑いながら、傘下さんの死体を蹴り飛ばした。


珍しい、汚れることを嫌がるのに。



「…ルエ。僕に助けてってアピールしてくれないと、全部はさすがに分からないよ?」




ぴちゃり、と義兄の服に血が着いた。



義兄は珍しく私の気づかないところで滅多刺しにしていた。


いつもは他人を使うのに。


いや、私と違って手を出す時は出す…タイプか。





私の記憶は常に曖昧になっている。


それは分かっている…?はず。


認知の歪みが酷いことも、たくさんの人に言われてきた。


それに対して中身が狂っているのを誤魔化している義兄に恐怖を抱くのは当たり前だと思う。



私は悪くない、傘下さんはしょうがなかった。


だって、私に手を出したから。



頭を殴られて、そこまで力は強くなかったけどあれはニセモノなんだって理解してしまった。


これは幸せになれない人間だ。





シアワセ、幸せ、しあわせ?いや、あれはニセモノ。


いきている理由もない。


薬も必要ない。


こんなのは、壊さなきゃ。





なんてね…?


元々そんな素振りは見せていたから納得だ。





冗談だ、冗談、私は悪くない。


今回全てにおいて義兄が終わらせてしまった。



あのぐるぐると殺意の瞳が怖くて、下を向いていた。


別に、殺したことはいつも通りだし怖くなかった。




あれ、…おかしい?


私、おかしいの?




「おかしいよ、お前。」「狂ってるよ。あんた。」


「お前なんて生まれなければよかったのに。」



あぁ、うるさい、煩わしい。


なんなんだ、私の脳に入ってきて。



これは幻聴?幻覚?夢?




なんでもいいよ。




ただ、私は義兄の「大丈夫?」に、救われたんだ。




私の脳内は珍しくぐるぐると回っている。


苦しい、苦しい。








「ルエ…?」



ハッとした。


私の前でにこにこ笑う義兄がいた。



「ぁ…?あれ…?私、おかしいの?」



涙が出てきた。


なんで?


ぽろぽろと流れる涙なんて、何年ぶりだろう。



視界を滲ませて私は目を擦る。


「ルエ、もう終わったからさ、早く帰ろうか。」




終わらない涙を拭いながら、義兄は私の手を引いた。


「うん。帰る…。」



義兄のこと、かっこいいと思ってしまったんだ。







気づけば、ルエが殴られていたから咄嗟に傘下さんを小さなナイフで刺した。


久しぶりだな、なんて。



ルエは気が動転していたのかずっと、こちらを真顔で眺めていて、突然名前を呼べば泣き出した。



傘下さんは喚き散らしていたし、結構しぶといなぁなんて思いながら、常識から外れるくらい刺した。


それに殴った。


こういうのは感覚が残るから嫌いだね。





本当に、ルエは馬鹿だなぁ…なんて思う。




頭は程々にいいはずなのに、薬のせいか感覚が鈍っている。


詰めが甘いなといつも思ってしまう。



ただ、泣いているルエの手を引いて家に帰る。


今はそれだけでいい。







数日すれば私はすべてが治った。


もう、飽きたのか?


いや、そんなことはないと思う。



そういえば忘れ物の感謝への連絡が来た。


だけど私も何か忘れているんじゃないかと不安になった。



私、最近おかしいのだろうか。



泣き出したし、おかしくなったし。


薬、やめるべきなのだろうか。



でも、あの頭痛を抑える為ならばしょうがない。



それに、…それに…?









ぐすぐす泣いた私の前に置かれたのはクマのぬいぐるみ。


メルちゃんがくれたらしい。



とりあえず一緒に寝てみれば数日間悲しかったけど、大丈夫になった。






そう、私は大丈夫。


何も悪くない、何も知らない。


私は夢を見ているから。



私はとりあえず、笑った。


笑顔は大事。



そうしないと浮くから。



鏡の前の私が本当に笑えているのかは分からなかった。



口角を上げただけにしか見えないこの笑顔、義兄には追いつけないね。





ぐわん、ぐわん、くらくらくらくら。


苦しい、悲しい。


歪んで見える、君のこと、私は今を生きている。



私はいつも逃げている。


しょうがないんだ。



ここに足を踏み入れた以上しょうがない。



私は今も夢を見ている。




???????




夢を見ている。



そうだ、メルちゃんにも会いに行かなきゃな。


なんだっけ?





あ、薬の飲む量間違えた。



だから?


最近おかしかった理由はこれ?



私1日に3回も飲んでる。


だからなんだ。



鬱っぽくなってるのも。


早く直さなきゃ、でも飲んだことすら忘れてしまう。



おかしい。なにこれ。



私じゃない、こんなの私じゃないよ。





錯乱状態の私を見て、みんな、なんていうんだろうか。



失望したって言うのだろうか。



それでも、薬は私を幸せにしてくれる。


夢を見せてくれる。



だから、悪くない。


おかしくない。




こんな最悪な想像なんぞ、消えてしまえ。







あぁ、最近売り上げがヤバい。


どうしたものかなぁ。


俺じゃどうにもできないほどに蔓延してる。


これじゃあ、そろそろ…終わりか。



ということは…


まぁそういうことだ。



俺は諦めたように薬を飲み込んだ。






私は全てを飲み込んだ。


だから大丈夫、私は悪くない。



義兄のことも、傘下さんのことも気にし過ぎたんだ。


薬の飲み間違えも全て、しょうがなかったんだ。



私にはまだ生きていられる理由がある。



しあわせぐすり、ゆめぐすり。


私の望む幸福も、あなたたち全員へ伝われ。


それでいいから。



私は都合よくメルちゃんを使うんだ。





薬はやり過ぎれば毒だってさ。


誰かが言ってた。


私もそう、薬の量間違えた。


そのせいで自殺しそうになった。



親にとめられて、私はやっと気づいたんだ。



初めて親が止めてくれたこと。



いつもは私のことを見捨てる。


放置する。


これじゃ、ネグレクトだ。



だけど今回、自殺して首を絞めようとした時、母は私を止めた。


嬉しくてしょうがないその中に諦めが混じっている。



多分、死んだ時がめんどくさいからなんだろうなと薄々気づいた。


だから何回も何回も繰り返す。



そうすればみんな焦ってくれる。


私を視界に入れてくれる。



あぁ、嬉しい。



私は幸せなんだ!


そう思いながら薬を飲み込む。



全部、全部幸せなんだ。





なーんてね。


彼女、薬で錯乱状態になってただけだよ。


結局、何も知らずに生きているわけだ。



でも彼女の中でそれが幸せならいいんじゃないかと思うよ。


じゃあ、さようなら。



彼女はそう言って本当にギリギリを責めていたんだけど、遂には自殺してしまったんだ。



だって全て幻覚、幻聴だから。


妄想だから。


彼女の夢の世界は壊れてしまったってこと。



また、死んだことにも気づけず、最後までみんなが止めてくれる夢を見ていたわけだ。




こういう時なんて返せばいいのか。


笑うしか無かった。






読んでいただきありがとうございます。


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