番外編? わたし夢を見ているような?
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「おにいちゃん、どこ行くの?」
おかあさんの服をつまみこちらを見ているルエ。
「おにいちゃんは今から病院いくのよ。」
ルエは瞳に涙をためている。
「や、だめ!るえとあそぶ!」
「帰ってきたら遊ぼうね。」
なんて、僕は笑う。
…
あの時、おにいちゃんはわたしを置いて行った。
おとうさんもそうだ。みーんな、嘘つきだ。
私を置いてって。
おにいちゃんと、おとうさんはわたしたちに、「行ってきます。」なんて言葉を残して、去っていった。
わたしはかなしくて「行ってらっしゃい。」すら言えなかった。
だからなのかな。
わたしたちを絶望におとしいれるかみさまは最低だ。
なんで、事故に巻き込まれるんだろう。
私がいってらっしゃいって言わなかったから?
私のせい?
おにいちゃんは私に行ったのに「また後でね。」って。
嘘ついたんだ。
そしたら、帰ってこなくて、ずっとずっと、どっかのわんわんみたいに、待ってたんだ。
それで、外で待ってたから、雪の降る日だったから。
わたしはさむくて、さむくてしょうがなかった。
こごえて、泣きながらおかあさんが私を見たんだ。
「もう戻ろう」っておかあさんは泣いてたんだ。
ずっと、電話して。
気づいたら真っ黒い服を着てロウソクを眺めておにいちゃんとおとうさんと本当にお別れをして。
実感がわかなくて。顔も見れなかったから。
ぐちゃぐちゃになったらしいのを聞いてみとめたくなかった。
夢を見たかった。幸せになりたかった。
もっともっと…楽しく生きたかった。
だから、わたしは新しい兄を兄だと思えなかった。
薄気味悪い笑顔が怖かった。
「私のため」にもう一度結婚したんだっておかあさんはいう。
本当なのかな。
ずーっと生きてきて、おにいちゃんにあいたくてしょうがなくて。
おとうさんともーっとお話したかった。
新しいその人をお義兄ちゃんと呼べるほど、私のメンタルは回復してなかった。
おにいちゃん、おとうさん。
また会いたいな。
…
ぐるぐるぐる。
私は夢を見ているのだろうか。
寝ていたのかな。
薬を飲んで夢を見ている訳じゃなさそうだ。
「あれ…? 」
私には義兄がいる。家族はそれだけ。
お父さんとお母さんなんてもう居ない。
なんだっけ?
お母さんは離婚したんだもんね。なんて言う妄想だろう。
私には分からない。
ただ、最初の夢は悲しくてでも、幸せだった気がする。
私は今日は夢を見ていなかったんだ。
だって、めまいがしないから。
…
ルエの頬と自分の頬をすりすりと擦る。
「ルエが可愛すぎる。」
真顔でいえばおとうさんと、おかあさんはわらう。
「いや、当たり前でしょ。」
そんな言葉におかあさんもうんうんとうなずいた。
「まぁ、お前も可愛い息子だけどな。」
お父さんがそう言って僕の頭を撫でた。
「うん、ぼく幸せだ。」
おとうさんもおかあさんも僕に向かって笑う。
「そりゃよかった。」ってね。
ルエはただ、「あー!うー!」って言ってた。
でもそれがただ可愛くて、しょうがなかった。
「やっぱルエが世界一可愛い!!!」
そんな声が響き渡った。
…
しあわせ、しあわせ。
…
ぐわんぐわんぐわん、ふわふわふわ。
痛みに悶えながら薬をごくんと飲み込んだ。
数分すれば薬が効いてくる。
記憶は案外脆いらしい。
なんの夢を見ていたかなんて忘れてしまったし、ただ、幸せだった気がする。
それでも、多分今の方が幸せなんだと信じている。
そうしなければ、私のやってきたことに意味が無くなってしまうから。
私って案外もろいのだろうか。
「そういえば。」
昔は年の離れたおにいちゃんに会いたいなんて言ってた気がする。
もしかしたら近くに住んでいたお兄さんが遊んでくれてたのだろうか。
少しだけ思い出した中に、義兄の恐怖が蘇る。
あれは確かに怖かった。
そうだ、私は今日も夢を見ている。
薬が現実を曖昧にさせるから。
それでも、痛みを無くすことが1つの幸せだと、私は思うわけで。
私は悪くないんだ。
三浦さんも誰も彼もしょうがなかった。
未来の人への投資だと思って欲しい。
私は悪くないんだ。
曖昧になった記憶、改竄された記憶、たくさんの記憶が私の脳内を支配している。
それでも多分、幸せだと感じれるのならそれでいいんだと思う。
あれ、薬飲んだっけ?
ごくんと薬を飲んだ。
今日も私は夢を見ている。
仕事を開始しよう。
感想など良ければお願いします!
物忘れの激しい…ルエ、大丈夫でしょうかね。




