第十三話 「レビュー・オブ・ジャスティス! 星に喰われた評価の街」
「ようこそ、“評価絶対都市”《エスティマー》へ」
その街に足を踏み入れた瞬間、ユーリたちは息をのんだ。
高層ビルの壁面に浮かぶのは、巨大なレビュースコアの投影。
道行く人々の頭上には、それぞれ個人評価スコアがリアルタイムで表示されていた。
「……これってまさか、個人までレビューされてるの!?」
「そう。ここは、人間も星で評価される社会なのよ」
とルミアが呟いた。
⸻
支配された都市の現実
・飲食店は★3.5未満の客を入店拒否
・就職・結婚・入浴にまで評価スコアが必要
・レビューで誹謗されれば、存在そのものが“消される”
ゼル=レビウスによる「レビューによる完全統治」が完成していた。
「ここにいる限り、君たちは“無星者”扱いだ」
星屑団の諜報担当、ミラ=リバースが言った。
「ゼルに立ち向かうには、まず都市評価システムの“中枢レビュー塔”に潜入して、星操作の仕組みを止めるしかない」
⸻
潜入作戦:コード“レートゼロ”
ユーリたちは、星屑団の偽装アカウントで“最低評価労働者”に成りすまし、塔の最下層からの潜入を開始する。
「ねぇ……この配膳ロボ、こっちが★2以下ってだけで蹴ってきたよ……」
「人権がレビューで決まるって、笑えないよね……」
地上100階にそびえる“レビュー塔”。
その頂点には、ゼル本人と、彼が集めた**「星5レビュアー四天王」**が待ち構えている。
・“文体の貴公子”フォント・デ・リュクス
・“写真だけで評価する男”カメオ=インスタン
・“感情のないAIレビュアー”型番:エモレス
・“感想は一文字だけ”★5漢・グッ
「なんかもう、人間かどうかも怪しいの混じってるけど……大丈夫かな俺ら……」
⸻
第1の戦い:対・フォント・デ・リュクス
20階のシステム制御室に辿り着いたユーリたちの前に、
最初の四天王、フォント・デ・リュクスが現れる。
「レビューとは芸術。お前たちのような凡字で、★5に届くと思うな!」
彼が操るのは、書体で人を斬る“フォント斬撃”!
「明朝! ゴシック! ひらがな多用文ッ!」
「やばいっ、活字のくせに痛いッ!?」
苦戦するユーリに、イチコが叫ぶ。
「文章じゃなくて、心でレビューを書くのよッ!」
ユーリは立ち上がり、ついに心の底から書き上げた。
【レビュー】
「……あなたのレビューには、美しさがあった。
でも、今のこれは……読まれることを諦めた“暴力”だ。
あなたの言葉が、誰かを救える星になるなら……私は信じたい」 ★★★★☆
その瞬間、フォントの斬撃が止まり、彼のスコアが一気に★2.3へ下落。
塔の認証が解除され、次の階層への道が開かれた。
⸻
レビューは救いにも、武器にもなる
「評価は時に、心を奪う。
でも君は、それでも“伝える”道を選んだんだね」
フォントが静かにユーリへ歩み寄り、ひとつだけ星を渡した。
「この星を託す。“本物のレビュー”を続けてくれ」
次回予告
第十四話
「レビュー四天王・第二の門! 無言評価のインスタン・ショック!」
次なる敵は、“感想を書かずに★5だけつける謎の男”。
言葉のないレビューに、どんな真意があるのか――?
評価とは、沈黙にも宿るのか?
塔の中で、再びユーリのレビュー魂が試される!
【読んでいただきありがとうございます!】
異世界レビュー生活、今回もお楽しみいただけましたか?
「現実もこうならいいのに」と思ってしまう方、大歓迎です(笑)
お気に入り・ブクマ・評価・感想など、いただけると魔王がガッツポーズします。
次回もまた、異世界の“ちょっと変わった日常”をレビューしていきますので、
どうぞお楽しみに!