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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

お姉ちゃん大好き日記

作者: よくヘラ

「えっとメモ帳メモ帳……っと」

 夜の遅い時間。私はポケットに入っていたメモ帳を片手に、ノートを開いた。

「今日もお姉ちゃん可愛かったなぁ……よし、とっとと書いちゃおっ」

 鉛筆を手に持ちくるくると回し、先端をノートに当て、メモ帳を見ながら私はノートに書き込んでいく。

 瞬き。14692回。

 髪いじり。74回。

 指と指を絡ませた回数。32回。

 あくび。12回。

 くしゃみ。3回。

 ため息。6回。

 トイレ。7回。

 中から聞こえた音からの推測。

 おしっこの量、約2532ml。

 うんち。752g。

 どちらも正確な値は不明。

 オリモノ。匂いが平均よりキツく、ライナーの交換回数も5回と多め。濃いめの白色。一ヶ月前は少し黄色かったので心配だったが、体調にあまり問題はなさそう。

 生理。周期が正しければ約4日後。楽しみ。

 髪の匂い。甘く鼻腔をくすぐる良い匂い。いつものシャンプー。

 脇の匂い。制汗剤の匂いがかなり強く、恐らく間違えてかけすぎたと推測。

 足の指の匂い。いつもと変わらず、ほんの少しツーンとくる強い匂い。

 秘部の匂い。正直に言ってかなりキツイが、オリモノも出ているし仕方なし。陰毛から甘く優しい匂いはするので、ちゃんと洗ってはいるらしい。

 足の付け根の匂い。制汗剤の匂いはなく、お姉ちゃんの生の汗の匂いを感じることに成功。

 脱ぎたての下着。そこそこ暖かい。しかし、ライナー着用のため、クロッチから漂う匂いは薄く、残念。ブラからいつも通り、そこまで匂いはしない。けれど、愛用しているボディーソープのものと思わしきミルクのような甘い匂いはほんの少しだけだが漂っている。

 指の爪。恐らく切り立て。綺麗に整えられており、爪と肉の間の匂いも良。

 鼻毛。ほんの少し伸びてきていて、あと少しで穴から出てきそう。

 鼻の穴の内側。鼻くそが少しこびりついており、舐めてみたところなかなかに酸っぱい。いつもは酸っぱくはないのだけれど。

 付けていたリボン。白色のふんわりとした可愛らしいリボン。ゴムの匂いを嗅いでみたところ、シャンプーの匂いがほんのりと香り幸せな気分になる。

 制服。数ヶ月は洗っていないからか、お姉ちゃんの匂いが強く付いており、いつも通り沸る。

 出たての浴室。ほんの少し臭く、恐らく自慰行為を浴室でしたためと思われる。必死に抑えていたが、可愛らしい喘ぎ声が漏れていたのも確認済み。ビクンっと全身が痙攣する様子は3回。されど痙攣の大きさから察するにイッたのは一度だけと思われる。

 自慰行為。浴室で一回、ベッドで2回。本日は制欲旺盛、可愛らしい。シャンプーヘッドの先端の辺りからお姉ちゃんの秘部の匂いを感じたため、恐らくそれを使用して自慰行為に及んだと思われる。布団の上には湿ったタオルが置かれていた。とりあえず舐めてみたが、例の味がしたのでそれを使って布団が汚れないようにしているのだろう。毎度のことながら、意外と几帳面だ。

 お姉ちゃんの枕。いつもと変わらずシャンプーの匂いと汗の入り混じったとても興奮する匂い。夏だからこそ感じられる素敵な匂い。

 お姉ちゃんの布団。枕と打って変わり意外にも匂いは薄く、これがお姉ちゃんを包んでいたと思わない限りあまり興奮はできない。夏だから使っていない、というのもあるかもしれない。確かに、お姉ちゃんは昨日も一昨日もその前もここ一ヶ月は使っていない。

 お姉ちゃんのパジャマ。お姉ちゃんは一週間に一回しか洗濯をしないので、五日目の今日は匂いがとても強く残っている。股間部分はオリモノの影響か、下着を超えてそこからもほんの僅かだけれど芳ばしい匂いがする。それから脇の部分には制汗剤の匂いが混じっていない純度の高い脇臭を嗅ぐことができ、非常に満足。

 お姉ちゃんの使ったゴミ箱。丸められたティッシュが5枚ほど入っていた。開いてみたところ、全て鼻水がこびりついていた。当然回収。丸められたライナーも特筆するほどのことではないが、当然回収した。プラスチック製のストローもあったので、これも回収。

 お姉ちゃんのカバンの中。思っていたよりも教科書を持ち帰っている。中には友達とのプリクラや、ポケットティッシュ。メイク道具。リップクリームが平均より減っていたので、今日は唇のカサつきが気になったのだと思われる。いつもと変わらないと思うけれど。

「……んっと? あれ、これだけだっけ?」

 思っていたよりも書くことが少なく、私は思わず首を傾げてしまう。

 これだけ、なんだ。そうか、今日はこれしか書くことがないんだ。

 はあ、と小さくため息をつく。なんだか物足りないなぁ。

 私はおもむろに机の引き出しを開け、そこからビニール袋を取り出し、中に入っている使用済みのライナーを取り出す。

 それを鼻に当て、少しツーンとくるキツイ匂いを堪能し、綿棒で貴重なオリモノをほんの少しだけ取り、パクりと口に含んだ。

「……んー? 他に書くことなかったかな」

 ライナーをビニール袋の中に戻し、それを引き出しの中に戻し、私は綿棒を咥えたまま立ち上がる。

 ずっと座っていたから疲れちゃった。んーと情けない声を出しながら、私は全身を伸ばす。

 込めて、込めて、全身に力を込めて、一気に抜く。

「ふへぇえええ……」

 全身がほぐれたかのような感覚。とても気持ちがいい、開放感を得られて身体が喜んでいる。

「……あっ!」

 と、私はここで思い出した。

 忘れないうちに急いで椅子に座り、鉛筆を手に持ちノートへ先端を当てる。

「お姉ちゃんが私の名前を呼んでくれた回数32回お姉ちゃんが私に触れた回数12回お姉ちゃんが私を見た回数69回お姉ちゃんが私を意識した回数124回お姉ちゃんが私の前を通った回数27回お姉ちゃんが私の横を通った回数34回お姉ちゃんが私の隣にいた時間1時間33分52秒お姉ちゃんが私と同じ部屋にいた時間4時間27分13秒……っと!」

 書きたいことを書き終え、少しカッコつけて弾くようにノートから鉛筆を離し、私はそれをくるくると回す。

「……えへへ、今日はこんなもんかな」

 私はノートを閉じて、鉛筆を机に置いた。

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