RE:素敵な奇跡
パクリタイトルで、心底申し訳ない。
本題名は「リス的な奇跡」です。
なぜ2期以降はあまり見る気になれなかったアニメが題名に出てきたのかは…思いついたら言わずにいられない、ダジャレオヤジ化が自分の中で進んでいるんでしょうね…
まあ、今日の出来事でした。
仕事を終える2時間前にくたびれ果てて、一人で休んでいた時です。
山荘の木々の剪定をしていて、特に背の高い木は何度も登り降りするため、非常に心身が疲れます。
高いところに適性がある人はそうでもないんですが、落ちたら即死、もしくは重症が確定しているような場所での仕事は、ストレスのかかり方が跳ね上がります。
その上、木の剪定は何度も登り降りを繰り返して、遠近の外観の精度を高めていかないといけないから、とにかく疲れる。
別荘の階段に腰掛けて、タバコを吸っていました。
剪定の完成形以外、何も頭に浮かびません。
「もうこのまま、片付けに入ってもいいなあ。今日のぶんの仕事量は、とっくに終わらせてるし」
刈り落とした枝葉を拾い集めて処分し、道具を手入れする。
それだけで1時間は軽く超えます。
しかし、職場で尊敬できる親方がいるため、その人の負担を少しでも減らすために、あと一本は終わらせたいところでした。
その時。
「ーーおおっ!?」
めずらしい。
気がつくと、リスが6メートルくらい先にいました。
同じ職場の人でも、見る人はたびたび見るんですが、僕はなかなか遭遇することがありません。
たまに山道の出勤途中で、「可愛いなあ」と車から眺めてほっこりするぐらいです。
それが目の前(と言っても6メートル先ですが)に止まっています。
疲労でボンヤリしていましたが、少し癒やされました。
…そして、そこから先が奇跡です。
そのリスが、こちらに向かって走ってきて、完全に階段で固まっていた僕の足の間に入ってきて、そのまま左足をくぐって後ろに走っていきました。
「えっ!?」と思うくらいがやっとです。
野生リスの小さい頭が上から見下ろせ、いったい自分に何の偶然が持ち上がっているんだと、呆然としました。
おそらくその時、僕はほんとにくたびれ果てていたために、一個の動物としての命の存在感ーープレッシャーみたいなものをまったく出せていませんでした。
リスにとっては置き物と変わらなかったのかもしれません。
それでも、以前昆虫のトンボが、くわえていたアイス棒の先に停まったエッセイを書きましたが、野生リスの警戒心は、それをはるかに上回る感じがします。
凶暴な面もあるでしょうが、遠くから見てるだけで癒される小動物が、向こうから近づいてきて足を潜っていった。
驚きと喜びしかありませんでした。
灰色の毛並みの、小さな生き物…
残念なのは、次に登り、一から剪定しなければいけない木の予定があって、そのリスの行く先を追う気力もなかったこと。
目で少し追いかけるくらいが、やっとでした。
幸せの国ブータンでは、そういう生き物は「縁」があると考えるらしいですが、ほんとに、そういう感動がありました。
リフレーッシュ!! というようなことはありませんでしたが、一生忘れられないような、わずかに動きを止めた(どちらに行くか迷ったのか)足の間のリスの姿です。
…何もオチはありませんが、ただこういうこともあるということで…
いつか動画で見た、道路でじっとしていた鷹だかトンビだかに普通に触れた(その後、ごく普通に飛んでいった、意味不明さの)出来事に比べればまだ小規模ですが、何かの記念になりました。
ありがとう、播磨自然高原のリスの一匹…。
もう一度会うときは、ドングリーーは持っていないだろうから、カロリーメ○トをあげるからね…