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烈風のアヤキ  作者: 夢闇
一章 ~龍の神子~
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『新教科。それすなわち魔法の授業』


「いいですか?魔術は大きく分けて3つに分けられます。攻撃魔術、防御魔術、補助魔術の3つです」



ティリアは指を3本出して俺に説明をしている



「魔術など、マナを元とした全ての現象を魔法と呼び、人間の起こす魔法を魔術と言います。そしてその魔術の使用レベルの難易度別に分けたものが通常魔法、上位魔法の二つです。ま、みんな面倒くさいから二つ合わせて魔術で通ってますけどね」


「ってことはその攻撃、防御、補助の3つはレベル別に通常魔法と上位魔法、精神術の3つにわけられるんだな」


「その通りです」



そういってにっこりと笑うティリアさん



「ただ精神術はちょっと特殊で通常魔法、上位魔法とは別の扱いになりますけどね」



と軽い訂正を入れる



「それ以外の、つまり自然界での現象を魔天といいます。マナは大気中に漂っているものなのですがそれが一カ所に集まったり風のマナなどの他のマナに動かされたりすることでその現象を引き起こします



・・・アノ、ヨクワカラナインデスケド?


第一、マナってよく分からない



「マナはすべての物体が持つ成分のようなもので水のマナは川や海などが多く発しています。補足ですけどこの国には多くの水路、つまり大量の水が存在するために国内何処でも水の魔法が使い放題なのです」



そりゃまぁ聞いたことくらいはあるけどさ。ゲームとかで


ただマナの扱いがよくわからない


分子や原子のような存在とはなにか違うような感じだし


そもそもなんでこの世界はこんなにも漫画やゲームじみているのか、もの凄い謎だ


顔を傾ける俺に細くを入れるティリアさん



「たとえば落雷などは雷のマナが一定量集まることで起きますし、氷のマナが風のマナに乗る事で雪ができて吹雪になったりという具合です」



なんというか現象そのもの、たとえば雷の発生メカニズムとかって科学的に解決しているものではないのだろうか?


先入観かそれ故に、説明されてもマナがどういうものなのかがピンと来なかった



「実際に見せてみましょうか。私が使える魔法は水の属性です。魔法は体内にマナを取り込み魔力とします。魔力を消費し、後は感覚で術式を刻み込むことで魔術は発動します」



ティリアさんは右手を胸の前で人差し指だけを伸ばす


まるでこのゆびとまれーって感じである


その人差し指の上に、ゆっくりと何かが現れる


それがすぐに一滴の水であることが分かった


水はゆっくりと大きくなり、最終的には野球ボールぐらいの大きさになった



「確かにマナは目に見えない分、収束するのが難しいです。そして体内に取り込み魔力に変換するのにもなれないといけません。ですがそれさえできてしまえば」



ティリアさんは立ち上がり左手で窓を開けると外に向かって人差し指を向ける


外には何も無いが200メートルほど先に木が一本立っている


下では一人の女性がその周辺の花壇に柄杓で水をあげていた


其処の木の根本に向けて



パシュッ バシャァン



ちょ、早くね?


200メートルを1秒も立たずに、正確に根と土の間に打ち込んだ


水は四散して地面に染みこんでいく


其処に木にも水をあげようとした女性がいつの間にか出来ている水の跡に首をかしげてる



「といった具合に、上手にマナの収束が出来ると、形、スピード共に威力が上がります。これはまぁある程度の鍛錬をしてコツを掴むしか無いですね」



ほえー・・・と窓の外を眺める俺は頭を掻いた


確かにこれは化学じゃ解明出来ないのではないかと思わせるものを見た


とりあえず化学と魔術による現象は別と見ていいのだろうか



「マナにも種類ってあるのか?」


「はい。水、火、雷、土、風、氷の6種類が主ですね」


「主?ってことは他にもあるのか?」


「あります。木、光、などがありますがこれは遺伝的なものですので普通の魔術師に習得は不可能とされています」



ってことは家系ごとにそう言った魔法が伝えられているのだろう


それプラス遺伝といったところか



「魔法を使えるのはこの国では約50人ほどですね」


「少ないんだな」


「はい。元々魔法を使える者も殆どが遺伝によるもので、たとえ親などが使えたとしても子に遺伝する確率は五分五分のうえ、自らの才能が開花することなく一生を終える者も少なくはありません」


「ってことは年々減ってるってことなのか」


「とはいえ親家族等に使える者が居なくても、希に能力が発現する者も居ます。まぁ本当に希な話ですけどね」



実は私もなんですけどね、とちゃっかり追加


そんな希な人物に教えて貰えるとはね



「なぁ、もう少しマナを簡単に説明できないかな?なんかピンとこなくて・・・」


「簡単にですか。まぁ水のマナは水の元、雷のマナは雷の元、火のマナは火の元といったかんじですかね。水火すいか雷土らいど風氷ふうひょうで通っていますがまぁこの五つのマナはそれぞれ水、火、雷、土、風、氷の元となるようなものだと思ってくれればいいかと」


「あー、そういう感じなのか」


「身の回りの世話、必要最低限の教育などの命令を王妃から預かっておりますので私で良ければご指導致しますが」


「おお、マジか!サンキューな!」



サンキューと言った事ではっとしたがやっぱり英語でもちゃんと相手に通じているようだ



「今時間はありますでしょうか?」


「ん、まぁ。暇だしだいじょうぶっすよ」


「では早速始めましょうか。貴方に膨大な魔力が埋蔵されているのはファルアナリア様から聞いています」



あんまり言いふらしてないよなあの人


たぶん、必要最低限の身の回りの人物だけ・・・だと思うんだけどなぁ


ティリアさんも一応俺の身の回りの世話をしてくれるから説明はしたんだろうとは思うが



「なぁ、気にならないのか?」


「何がですか?」


「俺の事、聞いたんだろ?」


「一応経緯等は大方聞きました。ですが深くは散策するものではないと独断で判断いたしました」


「なるほど・・・ね」



ま、それはそれでいいのかな


俺も逆の立場なら言いふらす気にはなれないな



「さぁ始めましょうか。と、その前にもう一つ覚えて貰いたいことがあります」


「ん?」


「マナの相性です」


「あぁ、ポケ○ンのタイプみたいな感じの奴か」


「ポケ○ン?」


「あ、気にしないで」



水は扱いやすく


炎は氷を溶かし


氷は物質を凍らせ


土はマナを溜め込み


雷は水を伝い


風は全てを切り裂く



「それぞれの特性はこれが基本ですかね」


「なんかちょっと違うんだな。てっきり一周ぐるりと強弱が繋がってると思ったんだけど」



ポケ○ンだけではなく、他のゲームでもそういった感じであると思うのだが



「一概には言えませんが魔術どうしがぶつかり合った場合、一番強いのは風の魔術です。ですがこの風の魔術はあまり多くの者が使えません」


「そうなの?」


「この国で使えるのは王妃のファルアナリア様と第一王女のセレシア様、それともう一人だけです」


「少ないな」



この国には約50人ほどの魔術師がいて、そしてその内、風の魔法を使えるのは3人


いや、もしかしたらもっと確率的には低い可能性も無くはない


そう言えばあの煙を吹き飛ばしたのも風だったよなぁと思い出す


ティリアは王妃と王女は風と水の魔法を使えると補足を入れた



「風は全てを切り裂きます。その他全ての魔法は風の魔法に太刀打ちするのは難しいです」


「技のレベルとか頭を使った作戦とかでも無理なのか?」


「風の魔術師は風を操ります。体の周囲に風を纏えば全ての魔術が弾かれます」



うゎー、なんかク○ャルダオ○みたいだなおい


ネタがわからなかった人、ごめんなさいorz


ん?って俺誰に謝ってるんだ?


とはいえ其処まで完璧だとある意味無敵じゃなだろうか



「水は炎を打ち消します。ですが力量の差によっては逆に炎に蒸発させられてしまいます」


「確かにそうだよな。一概にはって言ってたのはこういうことか」


「はい。炎も同様に、氷を溶かしきることが出来なければ思い一撃が直撃しますしね。そして風魔法の次にやっかいなのが氷魔法の使い手です」


「氷か」


「水を凍てつかせ、驚異である炎を凌ぐ手段はいくつもありますし雷なども氷の盾で防ぐことが可能です」


「それってやっぱり水がないと使えないのか?」


「いえ、氷魔法自体、元々水魔法が進化したようなものですし氷のマナは水のマナと同種なんです実は。ですので空気中から水分を集めて凍らせることが出来るのです。まぁそんな事ができるのは水の守護霊様が守護するこの国内ぐらいでしょうけど。実際に国外で使うならば液体としての水が必要になります」



なるほど。空気中から水を集めることは不可能ではないがそれは水の精霊によるものなのか


気化している水分を使って水魔法が使えるのはこの国だけであり、国外では液体の水がないと仕えないのか。そしてそれは氷魔法にも同じと


ある意味変幻自在だな


ってことは別の国ならそれぞれ別の精霊が司る属性が使いやすくなるのだろうか?



「水の魔法ですと防御にやや難点があります。物としての強固性が無いですしね。しかも水魔法は他の魔術にくらべて攻撃が劣ります。その分扱いやすいんですけどね」



空気中に水分さえあれば何処でも使えるというのは水魔法の長所か。国内限定だけど



「ですから国外に行くとき、水、それと氷の魔術師は常に水の入った小さな瓶を携帯しています」



なるほど、それで補う訳か


逆に形をとどめにくく、ぶつかった後の衝撃に耐えきれずに四散するのが関の山


その点を解消したのが氷魔法か


確かに水魔法のように水さえあれば何処でも使え、なおかつ攻撃と防御の力を高めているわけか



「雷は土に対抗する手段は一つもありません」


「土には・・・ということは」


「はい。土以外には驚異的な攻撃力を誇ります。防御が難しい魔法ですが唯一風魔法に対して有効打を与えることが出来やすい魔法です」



無敵の風魔法にもやはり弱点はあるわけか


最も攻撃に突出した魔法であると言ってはいたが防御が出来ないのが痛いな


恐らく形をとどめにくいのだろう



「風魔法の最大の弱点は力です」


「力?」


「生半可な魔法でははじき返されるか受け流されるかのどちらかですが、正面から当たった場合どうなると思います?」


「え?」



そりゃぁ・・・はじき返すか受け流すかの二択だし・・・正面から来た場合は押し返すだろうか



「正解です。これはつまり、纏う風の流れに他の魔法のマナが乗って弾かれるのでは無く、力押しにより強制的に魔法をぶつけているのに近いですね」



つまり、受け流せないほどの圧力をかけてやればいいのか


横の流れで流せないほどの押し


押しに弱いとはこういうことか


たとえるなら、槍の一突き



「つまり、一点攻撃に特化した雷魔法は最もその風の反発力を正面から突き破りやすい魔法なのです。まぁ力が弱ければそのまま風のマナに乗って相手の風に力を乗せてしまう事になりますけどね」



それは恐ろしい


相手をとりまく風に雷が纏えばそれだけで全身武器と化す



「要するに魔術は使えても力が無いと逆に利用されちまうってことか」


「そうですね。土は先ほど言ったように雷魔法に対しては絶対的な防御を誇ります」



そんな最強の攻撃を持つ雷魔法でも土魔法の前には効果一つ無いらしい


難しいな


簡単な相性表なんかでは表せないな



「ただし、火に当てられれば乾燥してバラバラに、水を含みすぎるとビチャビチャになってばらけます」


「弱くないか?」



聞く限りこの魔法は他の魔法に対する耐性が低いような気がする



「通常の状態ですと弱いです。ですがこの土魔法は他の魔法とは多少違う点があるんです」


「違う点?」


「マナの吸収によって他属性を纏うことができるんです」


「付属効果みたいなもんか?」


「たとえば先ほど見せたような水弾を土魔法で使うとします。さっきも説明した通り、空気中にはマナが漂っています」



そこでこのように


そういってティリアさんは先ほどよりも小さな水の玉を作る


腕を一振りすると水の玉は空気中に霧となって消えていった



「空気中にあるマナは属性を持っています。まぁマナは魔力の元、エネルギーと思ってください。今やったのは水属性のマナを収束して空気中の水分を繋がりやすくしたものです」


「マナが集まるとその属性と同じ属性の物質の収束をしやすくなるって事か?」


「はい。そのマナを操れる人のことを魔術師と言うのです」


「なるほどな」


「さて話の続きです。土属性のマナは多く集まると他属性とのマナと結びつきやすい性質を持ちます」



土属性のマナを集めると其処に他属性のマナを取り込み、外殻に別の属性を纏うというわけか


上手くいけば複数の属性のマナを結びつけられそうだな


そうなれば使いこなせればかなり良い魔法なのではないだろうか



「それ故に土魔法を扱う魔術師は空気中のマナをより敏感に感じ取ることが出来ると聞きます」


「ティリアさんも今マナとかを感じるんですか?」


「えぇ。この国の殆どは水のマナで覆われています。水が豊富な土地柄が現れているとも言えますね。ですから水の魔術師の見習いなどはこの国で修行を人が多く訪れます。とはいえ他の属性のマナが少ないというわけでは無いですよ」



なるほどねぇ・・・



「ねぇ、マナってどんな風に感じてるんだ?」



ティリアは目を閉じてうーんと唸る



「言葉で表すならば、周囲が星空のようになる感覚ですね」


「綺麗そうだな」


「まぁ実際に星空が見えるわけではないですから綺麗かどうかは分かりかねますけどね。ですが、感じるだけならとても澄み切った綺麗なものだと思えます」


「そっか」


「では実践に入るのですがまず最初に貴方に合う魔術の属性を調べないと行けません」


「調べるって・・・」


「そのためにこれを使います。もっと力のある魔導師レベルの方ならすぐに見分けられるのですが・・・」



そういってティリアさんは一本の木の枝を取り出す


小さな小枝をはいと俺にわたされる


見た目は普通の小枝だが何か秘密でもあるのだろうか



「その小枝はディアグノと言う木の枝です。ディアグノは体内にマナを取り込むとその属性の効果を示します。まぁ言うより見るのが早いでしょう」



ティリアさんは小枝をもう一本取り出して手のひらにのせる


すると小枝は折られた断面からじわじわと水が出てきた



「ディアグノは元々水気の多い土地にしか育ちません。というのも水のマナを取り込み、体内で水を生成して成長するからです。私は水の魔術師ですので私の魔力には水のマナが多いためこのような現象が起きます」


「ってことは他の地域だったらどうなるんだ?」


「水のマナが少ないと水を生成できずに枯れてしまい、またこの木は多くの水を必要とする木ですので通常の土地でもあまり見かけないかもしれませんね。まぁ川沿いなら普通に生えていると思いますが」


「へぇ、ってことはこの国には一杯生えてるのか?」


「はい。ディアグノの栽培は産業の一つにも組み込まれているので主に輸出等に使いますね」


「なるほどねー。じゃぁ水以外のマナが入ったらどうなるんだ?」


「元々この木の皮は水以外のマナを通しません。ですがこのように断面が見えている場合、そこから魔力を流し込むと変化が現れます」


「たとえば?」


「そうですね。火属性なら燃えて消し炭に、雷属性なら放電、氷属性なら断面が凍ります。風なら木は真っ二つに裂けます。反応がなかった場合、それは土の属性を現していると言われます」



マナを流すだけで変化する木か


水の変換に使われる機能が他のマナで行われるってことなのだろう


もしこういった木で家を建てたらどうなるのだろうか


誤ってついた傷口に火のマナが流れ込んだとしたら、それは恐ろしいことになるんだろうなぁ



「どうしましたか?」



おっと、無意識に苦笑いしてたな俺



「なんでもない。ところでさ、どうやってその魔力って扱うんだ?」


「これは感覚なので言葉で伝えるのは難しいのですが・・・あえて言葉にするなら無意識になってその中から何かを練り出す感覚です」


「う、わかんねぇ」


「こればっかりは誰しも最初は苦労する所なんです。私も結構苦労しましたね」



難しすぎる


確かに感覚だと相手に伝えるのは難しいよな



「そういやさ、マナと魔力の違いって何だ?」



唐突に俺が聞く


そんな突然の質問にも彼女は丁寧に答えてくれた



「マナとはそれぞれ6つの属性をもった魔術の元となる物質です。自然界にあるマナを自らの器に溜める。この器に溜まった分が魔力です」



ティリアはコップを一つとり、その中に出現させた水を注いでいく


このコップが魔力の器、溜まっていくのはマナ



「この器はある一定の属性のマナしかため込みません」



なるほど


小さい頃に遊んだ記憶があるおもちゃのようなものか


形が違う積み木を、それぞれの形の穴に入れる遊び


形が違う穴には入らず、ぴったりの穴には入る


まぁそんな感じのイメージに似ているだろう



「それが自分と相性の良いマナです。元々一人の人間がため込めるマナの種類は一つですが希に二つの属性を扱える者も居ますけどね」



穴は一つ


それに合う積み木を探し出さなければいけない




「小枝を」



考えるより行動に移す


わたされた小枝を手のひらにのせ、目を閉じる


よく分からないが、感じ取れば良いんだろう?


俺は目を瞑り、息を吐き、そして止める


周囲から、全てが無につつまれる空間


目を閉じているからか、それとも・・・


俺は感覚を研ぎ澄ませ、感じる



どこだ



どこだ



どこだ




そして見つけた


小さな光の粒を


小さい光が見える


七色の光の粒


それを引っ張り出すようにして右手に集中させる


目を開くと何かが方から肘へ、肘から手の甲へ、手の甲から手のひらの小枝に


その何かが小枝と俺の体を結びつけ、そして


パスッ


小枝が小さい音をたてて真っ二つに裂ける


これってたしか・・・



「これは・・・・風のマナ!?」



数が少ないと言われる風の魔力を受け取った小枝は二つに裂けて手のひらに転がっている


唖然と見つめるティリアはそんな言葉を発して、ただただ手のひらに乗る小枝に視線を注ぎ続けて



「これって俺の魔力の器が風と相性が良いってこ・・・と・・・・」



俺が言葉を発している最中に事件は起こった


俺は手のひらにのる小枝を見ていたのだが突然その木がパチッと小さな音をたてて放電したのである


ちょっとまて・・・これって



「え、嘘!?」


「お、おい、これってさっき言ってたやつじゃ・・・・」



希に二つの属性を扱えるという話は本当だったらしい


だが驚きは止まらなかった


真っ二つになった木の断面から水が滲みだし、その水は外気に触れると同時に凍ってしまい、最終的にゴウッと小さな音をたてて炎に包まれた


木は文字通り消し炭になってしまい、窓から入ってきた風で燃えカスは部屋の隅へと飛んで行ってしまった


言葉を途中で途切れさせてしまった俺、あり得ないようなものを見たかのようなティリアは無言で今起こった現象を必死で理解しようとしている


これはどういう事なのだろうか


無い頭をひねって考えてみたがよくわからなかった


ただ隣で驚いているティリアを見る限り、なんだかすごいことらしいというのは実感できた




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