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烈風のアヤキ  作者: 夢闇
一章 ~龍の神子~
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『王女の思案』

「ふむ、なるほどな」



話を聞き終えたアルフレアは少し考えるそぶりをしながら椅子に座っている


俺と一条さんは今、謁見の間にて王女と話をしている


内容はもちろん龍の神子の事について


あの後ツキは商売のために城下へと降りていった


残された俺は先ほどあったソーレの話のことを、一条さんに話して王女に意見を仰ごぐという結論に達した


あまり勝手な行動ができない立場にあるうえ、二人だけじゃ何もできないということも分かっていたからだ



「確かにゼルタール火山のような感じはするな。いろいろと接点もあるようだしそれで間違いないだろうな。龍の神子はこの周囲、龍の生息域内の大地へマナを満たす大事な役割、それ故に慎重に行動しないといけないことは分かっているな?」


「まぁ、一応は」


「すぐさま向かってもらいたいのだが、まぁ何せお前達だけで行くのには無理があるだろう」


「そうですね。俺も一条さんも戦いの経験はほとんど無いですからねー」


「殆どっていうか、全く無いですはい。護身術の一つでも出来ればよかったんだけど……」



火山にはいろいろな魔獣が住み着いている


俺は剣道をやっていたといっても、それはもはや過去の話で生物相手に剣道の知識や経験がどれだけ生きることか。


腕も上がらないこんな体で戦うこと事態厳しい


そして一条さんはそれこそ符術を少し学んだくらいで、戦力とはなりづらいと思われる


故に、協力者が必要なのだ



「そうだな。少し時間をくれ。同行させる者を数名用意しよう」


「分かりました。ありがとうございます」



二人は礼をして、部屋を後にした





「思ったよりも早かったな。もう少し場所が判明するのは後かと思っていたんだが」



それから数分後、アルフレアは予想より早い彩輝とソーレの意思疎通に驚きつつも、成り行きで兵士を貸すという約束をしてしまった事に、誰を同行させようかと迷い始めた



あまり雑な兵を貸すことはできず、上位の騎士達は任務のため王国各地に散っており、王都に残っている上位騎士は第一位、シレンシス・ルーと第二位、リンカー・ジョーぐらいである


とはいえそんな一騎当千に値する二人を王都から遠ざけるのは極力避けたいというのが本音である


どちらにしろ父上の許可も下りないだろう


となると、あと出せるのは魔術師団からだ


前線よりも後方支援に向く魔術師を戦闘できない者達の護衛としてつけるのは些か問題があるがもう一人二人、前衛として使えそうな奴を入れておけば問題ないだろう


となると誰を入れるかだ


手元の資料を漁りながら誰にしようかと考えていると、謁見の間のドアをノックすると音が聞こえた


私に用か?


普段は王女であるアルフレアにも王家の次代を継ぐ者として簡単な雑務を部屋でこなしているのでおそらく部屋に居ないのでこちらに来たのである


今日は特に予定は無かったはずだが


いや、さっき話の途中でレイルを呼ぶようにと執事のジュルダに頼んでおいたのを忘れていた


の割には早かったな


ともかくこれで前衛は決まりだ



「来たか。入れ」


「失礼致します」


「顔を上げよルニセンダ。お主に今から命令をだす」


「はっ」


「アヤキ・サクラ、ユイ・イチジョウと共に同行、ゼルタール火山へと向かえ」


「ゼルタール火山ですか?」


「うむ。流石にこの地方一帯に関係することなのだが、あまり使い勝手のいい騎士が王都に残っていなくてな。護衛ならお前の本業だろう。頼まれてはくれまいか?」


「そ、そんな。私が王女の命を蹴る訳がありません。快くこの使命、受けさせてもらいます」


「ふむ、そう言ってくれると思っておった。お前は何時だってそうだったもんなぁ」


「ところで同行するのは私だけでしょうか?」


「いや、そうだな……。あと一人二人、魔術師を入れようと考えているんだが」



前衛は決まった


あとは後衛だ


さて、誰を推薦したものか……



「そうですね……。セルディアなんてどうでしょうか」



セルディアか


先ほど読みあさった資料の中にもあった名である


アルフレアは何度か実際に合って何度か話をしたことはある


セルディア・カルノン19歳 女性 雷の属性の使い手 第三位魔術師


性格的にも実力的にもこれといった問題はない



「三位か。ずいぶんと上の人間を引き抜くんだな。珍しい」


「はっ。団長、副団長は常時城で警備を行わなければいけません、三位である彼女なら問題は無いかと。重要人なのでしたらなおさらです。それに彼女は数名と遠征でレシュトール方面に向かっていたと昨日同僚から耳にしております」


「レシュトールか……そう言えばそうだったな。方向的には道中立ち寄るという形になるな」


「人数的にあまり多くなると移動に支障をきたす可能性もありえます。後一名ほど回復系の魔術師を入れるのがよろしいかと」


「ふむ、そうだな。とはいえ回復系の魔術師か……。また難題をだすなお主は」


「いざという時のためです。このことが原因でアルデリアと仲がこじれるのはあまり得策では無いと思いましたので」



たしかにそうだが……


回復系の魔術師は特殊な魔術師しか使用することが出来ない


これは家系に代々伝わる魔術の一種であり、使用できるような人間は国内に4、5人いるかいないかである


通常の医者にくらべて、こちらは魔術を使用した回復魔法であるため、多くの治療器具を使わず、また迅速に効果的な医療を出来ることが利点である


そうした貴重な人材をわざわざ危険な場所にやる事に、はいそうですか。じゃぁ同行させましょう。といった簡単な返事は出来ない


とはいえここでもし彼ら、特にアヤキ・サクラに何かがあった場合、どう責任を取るのか


現段階で彼が所属するのは自らが現れたアルデリア王国にあり、また彼自身もまたそこを拠点としているような雰囲気ではある


彼には、ユイ・イチジョウと同じように精霊文字を読み解く力があると聞く


精霊文字は各地に残っており、こちらと同じくあちらもそれが意味するものにはとても興味があるはずである


別世界の知識をもつ彼らはまるでその存在自体が宝のようなものであり、聞くところによるとカガクというものが発達した世界のようでこの世界よりも文明が進んでいるのだという


そんな世界の言葉が記された謎の言葉を読み取る。失われた歴史や過去が記されていると言われるそれを読み解くことが出来ればそれは国の大きな発展へとつながる可能性もある


そして彼自身が大きな戦力ともなり得る力を持っているというのも一種の牽制のような存在になりつつある


何せ全属性の魔術の使用が可能などといった人材はどの国を探したって全部で9人しか居ないのだ


今はまだ未熟だが、彼らが魔法を使えるようになるとすれば大きな力となり得る


国が彼らを取り込もうとするのは分かり切っている。今はまだ原石


磨けばもっと輝いてくる


その輝きはおそらく、各国に何かしらの変化をもたらすだろうと私は考えている


アルデリアも同じ。アルデリアとは同盟を結んでいるものの、国が一つであったのはもう昔話とでも言うような過去の話


今までは平穏を保ってきた


先のアルデリアとセントノーラ間との短期戦争でも物資補給等をしたこちらに借りも作っている


あそこには我が友、セレシア達も居るし戦争になるような事態は早々起こるとも思えぬが・・・。決めるのは父上達


戦争なんかゴメンであり、それよりも心の友が一人減ることの方が恐ろしい


何せ、外に出ることの少ない私たちがもてる友など、一握りだというのに


しょうがないな。あまり亀裂は作りたくない


アルフレアはため息を一つついて国をまとめる者の重さを感じた


なかなか上に立つ者というのはいろいろなことを考えなくてはいけないな



「ここはもう一つ借りを作っておいても良かろう。父上には私から話を通しておこう」



父上なら私の提案と聞いたらおそらく許可はもらえるはずだ


私にゾッコンラブだからな



「ということは」


「そうだな。セルディア・カルノン、シェルディ・ハルベイド、レイル・ルニセンダ、以上の三名を特別護衛選抜隊に任命する。アヤキ・サクラ、ユイ・イチジョウの護衛と共に無事任務を果たしてここに帰還する事を命ず」



アルフレアは依頼書をすぐに書き上げる


その依頼書とは別の書類を数枚、これもすぐさま書き上げてしまう


サインを書き、それをクルクルと丸めてドレスの裾についていた装飾の紅いリボンをぶちりと千切る


その千切った紅いリボンで丸めた紙が戻らないように結ぶと、それを低頭しているレイルに渡す



「こちらを父上、それと魔術師団長のところへ行って渡してくるように。そしてこちらは医療長に。最後にこれをお前が持って直接セルディア、シェルディの両名に見せ同行するようにと頼むように」


「御意のままに」



両手で数枚の封書を受け取り、それを両手に抱える


計4枚の紙を受け取ったレイルは立ち上がり部屋を後にしようとする



「そうだ。忘れていた。場合にもよるが・・・そうだな。アヤキ・サクラ、ユイ・イチジョウに同行する者が居る場合、そちらもきちんと護衛するように」


「分かりました」


「それと出立は明朝だ。日が昇ると同時に移動を開始できるように門前に集合するように伝えてくれ。私も見送りぐらいはしにいこう」


「そう伝えておきます。では」



レイルが部屋を出て行き、静まりかえる部屋に残されるアルフレア


突如現れたと思ったらもう出発か


彼にはどうやらゆっくりする暇も無いらしい


あまり期間を空けずに出発するのにも意味がある


後回しにしたくないというアヤキの意志もあるのだが、一番の理由は向こう(アルデリア)が彼の即時期間を要求してきたからである


水鏡であちらに発見の連絡を入れたときに出来るだけ早い帰還を求めてきている


本来ならば時間をかけて安全に帰還させれるようにしたいところなのだがここに来て神子としての使命だ


もし目的地が火山にあるのなら、ここから向かう方が近い


こんな未知の異世界に飛ばされて日も経っていないうちにいろいろあって大変だとは思うが・・・


人知れずアルフレアはアヤキに精霊の加護があるように祈った







俺は今、食堂にいる


兵達専用の食堂であり、それはもう巨大な食堂である


学校の体育館ぐらいはあるかと思われるその食堂にはちらほらと数人の騎士が見えるだけだ


騎士と言っても見た目は私服の男女である


流石にこんなところまで騎士服だったり鎧だったりを着たりはしないらしい


そういう生々しいところが逆にゲームとかと違うなぁと思ったり思わなかったり


実を言うととっくにシェフは厨房には居ない


残っているのは酒に酔って寝ている者、仲間達と話をしている者などがほとんどである


静かな空間に、そんな男達の話し声が聞こえている


たまに妙なものを見るような目でこちらを見てくるのはまぁ仕方ないのかもしれない


未だに俺たちが誰なのか、それをアルフレアは公言しては居なかった


一応自らの父や母である国王、女王などには話は通してあるらしいが上位の者達にしかその正体は明かされていない


そしてそれは俺にも言える


周りからすれば誰だお前って感じなのだろう


っていうかこうも王族とかと親密な関係になってしまっていいのだろうか


本来なら身分的なもので俺たちは会うことすら許されないような人間なのかもしれないのに


そうそう。忘れるところであった


なぜ自分はシェフも帰ってしまった食堂に居るのか


もちろん食堂に居る理由は一つで飯を食べるためである


タイミングを逃した俺と一条さんは食堂に着たまではいいものの、シェフが居ないということで一条さんが(ほとんど勝手に自分で)料理をすると言い出したのである


俺も手伝おうかと思ったのだがそこで俺は酔った騎士の一人に捕まった


半分意識が飛んでいたのが幸いしてすぐに酔いつぶれてしまったので俺は少し離れた席に座り直す


そして今に至る


と、今度は向こうで話をしていた3人組に呼ばれてしまう


意味無く逆らうような事はしたくないため渋々席を立つ







さて、厨房に立ったまでは良かったもののどうしたものか


適当に使ってもいいものなのだろうか


と、それより先に食材はいったい何処だ?


冷蔵庫はもちろん無い


周囲を見渡しても食材らしきものは見あたらない


とりあえず厨房の扉という扉をすべて開けていく


調味料やら箸やら包丁やらは見つかるがどうも食材だけが見あたらない


こういった場合、何処に保管しているのだろう


毎朝足すといっても多少何か余っていてもいいと思うのだが・・・


一条はそこで足下の取っ手に気がつく


どうやらスライド式のようでその取っ手を横に引く


すると床の下に大きな空間が広がっていた


そこには大量の野菜があった


正確には野菜だけ(・・)があった



「ここは肉とか魚とか欲しいところなんだけどなぁ・・・」



流石にそこまでは監理する場所が無いから全部使い切ってしまったのだろうか


こういう時に冷蔵庫のありがたみを感じる


はしごがあり、その下へと降りてみる


暗くてよく分からなかったので符を使って明かりをつけることにした


ちょうど良さそうな燭台を見つけ、そこに数枚の作り置きしておいた発火性の符を一枚置く


その下に火をともすときに使うと思われる小さな木々が置いてあるのを見つけ、それを符の上に配置



「発火」



符は勢いよく燃え、その火が木に引火する


なんとか食材が見える程度にまでは明るくなった



「さて、どれがいったいなんなんだ?」



初見の食材が沢山置いてあるがいったいどれを使えばいいのかさっぱりだ


一応一人暮らしの身であり、料理ぐらいは子供の頃からやっているため得意ではあるのだが未知の食材をいったいどういう風に料理すればいいのか全く分からなかった



「味が分からん以上、何を作ればいいのかさっぱりだ」



腕組みをして大量の野菜とにらめっこする


とりあえず何種類か持って行って味見だな。


唯はいくつかの野菜を手にとって火を消すとはしごを登る


野菜をまな板の上に並べ、そして食材を眺めてみる


下で見るのと上で見るのは大違いだな


思っていた以上にこれは勇気のいる食材だ


特に一番左に置かれたそれは野菜なのかどうかすら分からないほどの異形をしていた


もう見るのもだめなぐらいに酷い


モザイクをかけるべきだ!



「混沌・・・・カオスだなこれは。流石に料理する気が失せる」



そりゃまぁねばねばだったり臭かったりといった野菜はあちらにもあっただろう


だがこれは何かが違う


とりあえずそれを鷲掴みにして野菜の山に放ると手を洗って料理を開始した



「何を作ろうかな。無難に野菜炒めとかか?だが流石にそれだけだと食欲も失せるし王道すぎるな」



スープもいいしサラダもいいかな


幸い調味料はあるので野菜だけという事にはならずにすみそうである


汁物、あと本来の味も知りたいから生のサラダ・・・いやでも火を通さないと怖いよな


火を通したら大抵食べられる・・・と思う


調味料の味見もして組み合わせを考えないとな


腕が鳴るわ!



「手伝おうか?」



と、やる気満々の私の隣にやって来たのはツキちゃんだった


たしかここまでアーヤんと一緒にやってきた商人と聞いている


自分より若いのにしっかり者だなぁと思う



「お、じゃぁさ、どんな味とか食感とか教えて欲しいな。あとどれをどうやったら美味しくなるかとかいろいろ」


「いいですよ」





厨房から女性陣の叫び声と炎が唸る音が聞こえる


いったい何を作っているのやら


と、厨房を見てみると巨大な火柱が立っていた


真っ黒焦げなものとか出てこないよね。たぶん



「ほぉ、ってことは旅人ってことか」


「え、あぁ、まぁ大体そんなものですね」


「とはいえ、所々で王女と親しげにしているという噂を聞いて居るんだが」


「えっと・・・まぁ、成り行きで」


「成り行きでそうなる普通?私が思うにさー」



男二人と女一人で構成されたその三人組に俺は質問攻めに会っていた


そしてしばらくすると目の前に料理が出てきた


二人して運んだそれはスープや野菜炒め、サラダなどであり、あえて言えば野菜しか具材が無かった


おそらく野菜以外の食材は無かったのだろう


とりあえず腹の足しにはなるか



「いただきます」



スプーンを手にとってスープを一口飲む


お、なかなかいける?


薄くもなく、濃くもなく、飲みやすい一品



「ところでさー」



二人も席に座ったところで橋に持ち替えて野菜炒めを摘みながら俺は話を切り出した



「明日ってツキはどうするんだ?」


「私?ん、美味し・・・」


「そ。俺と一条さんはゼルタール火山に行くんだけどさ、どちらかというとおじいさんに薬を届けるためにアルデリアに行く予定なんだろ?」


「ゼルタール火山?なんで?」


「んー、ちょっと龍の神子関連の話でさ。こっちの都合でつきあわせるのも悪いしさ、出立の予定は明日か明後日か、どっかそんなところだろ?往復でどれだけかかるか分からないし」


「うーん、そこまで急病って訳でもないから別に大丈夫ではあるんだけど」


「じゃぁツキちゃんもくるの?」



スープを啜りながら一条さんが聞いた



「そう・・・ね。そうしようかしら。火山ならもしかしたら希少鉱石があるかもしれないし」


「希少鉱石ね・・・商売で使うの?」


「元手がただならそれなりに売れるから」



それもそうか



「じゃ、明日はツキも同行決定ってことでいいんだな。明日の早朝に城門集合らしいんで早起きよろしく」


「わかった」



ツキはスープを一気に飲み干して器を厨房まで持って行って洗う


タオルで水滴を拭き取りその器を他の器と一緒にしまう


そして部屋を出て行こうとするところで



「何処いくん〜?」



ツキは脚を止めて振り返る



「荷馬車の預け期間を伸ばしてくる」



荷馬車とダトルは専用の預けるところに預けてあるらしく、その期間を伸ばしてくるということだ



「おう。んじゃおやすみー。また明日」


「お休み」



そう言ってツキは部屋から出て行った


俺と一条さんも適当に料理をたいらげて食器をかたづける


少し残してもらった野菜炒めの皿を持っておれは自室で留守番しているソーレのために夕食を持って行ってやることにした


ソーレが野菜炒めを恐る恐る食べている中、俺は明日のことを考えてた


火山・・・かぁ


こちらの世界に来て一週間と立っていない


日にちをかぞえるのはもう止めた


意味もない


ただ、まだ一週間と立っていないにもかかわらずいろいろなことが合った気がする


異世界に来て、龍にさらわれ、龍の神子にされて、魔獣に二回も襲われて、ツキ達と出会って、縛られて、で今度は火山に行って神子の力で大地にマナを満たしに行くってか


密度濃すぎるわ


もう何日経ったかなんて数える気にもならない


ただ、まだ数日しか経っていなくて、元の世界にいた時、どれだけ時間を無駄に過ごしていたかがよく分かる


時間って長いようで短いようでよく分からない


いつか帰れる日が来るのは、すぐなのか、それとももう来ないのか


でも、ジッとして待ってる訳にもいかない


出来ることをやればいいし、それが今ってだけのこと


やることは、この世界の人のためになる事


使命。そう、これは使命だ


俺に課せられた、使命


俺にしかできない、使命


やり遂げる


やり遂げてやる


それが出来れば、何かが変わる気がするんだ




翌日


一人は一つの短剣と一匹の龍を肩に乗せ


一人はポーチを腰に巻き、ブルーの髪留めをして


一人は薙刀を片手にゴーグルをしっかりとつけ


一人は上着を腰に巻いて幅広の剣を持ち


一人は白き衣装を身に纏い同じく白い杖を持つ


夜明け前の薄暗く肌寒い空の下、彼らは城門前に集い、そして旅立った



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