青い空の下で
「あっちー」
「そうだねー、でもいい天気だよね」
「お前良くそんな元気でいられるなー」
「んー?」
俺の隣にいる彼女は元気いっぱいに笑う。
七月の空の下、今日は快晴だった。まだ夏は本番前だというのに、もうかなり暑い。そんな中、彼女は俺を外に連れ出していた。
こんな暑さだから、部屋でエアコンにあたっていればいいものを。
「もー元気出してよ。私がいるでしょ?」
「暑い! くっつくな」
彼女が俺に腕を絡めてくるが、あまりの暑さに俺はその手を振り払う。
「むーせっかく可愛い彼女が甘えてるのにその態度はなによー」
「暑いんだよー。ったく」
俺は変わりに彼女の手を取る。
「ふふー」
「何がそんなに嬉しいのか」
彼女はとても嬉しそうにしている。
それにしても、彼女は麦藁帽子がよく似合っている。彼女は少し小さく、身長は俺の肩ほどしかなかった。そのせいだろうか。
「いい天気だね、ほんと。この雲が無い空はどこまで続いてるのかな?」
「俺は自分の部屋に戻りたいんだけど」
「ロマンが無いなー。それでも男の子か?」
「そういう年齢じゃないんだよ」
「大人ぶっちゃって。まだ高校生のくせに」
「そういうお前だってちっちゃいだろ。身長とか……」
俺は彼女の胸をニヤニヤしながら見つめる。
「ちょっとー私が気にしてること言わないでよ」
「あははー、可愛いよ」
「そんな棒読みで言っても何も感じませんよーだ」
なんだか、彼女と話していると楽しい。やっぱり俺はこの子が好きだ。
「んー?」
「……可愛いな、ほんと」
「えー聞こえない? なんて言ったの?」
「なんでもない。アイスでも食べようぜー」
暑さにでもやられたのか、彼女の笑顔はいつもより数倍可愛く見えた。
青い空の下、俺は彼女と手を繋いで歩き続ける。今日もいい天気だ。
暑いので、こんな会話を恋人としたいなーって思い立ち書きました。
やっぱり、麦藁帽子はいいですねー。
お読みくださり、どうもありがとうございました。