食人鬼は死んでいる5
「私は、生きてもいいのでしょうか」
っ!?
「どうなんでしょうか」
あ、それは・・・・え あ。
「…そうですか。ここでもその答えでしたか」
っ!いや!これは
「さて女神様」
!はい
「私の願いは以上です。さっさと新しい世界に送って下さい…もう時間もないでしょう」
…はい、そうですね。それでは送ります。
…私は…あなたを直接救うことは出来ません。私はそんなに大きな力を持っていないのです。しかし、ずっとあなたを見守っています。あなたが困った時、くじけそうな時、あなたの力ではどうしようもない時、必ず力を貸しましょう。それが私に出来る事です。
「…ふふ、私たちの世界の神様はずいぶんとお人よしなのですね。ありがとうございます。今度死んでしまった時もあなたに担当してもらいたいですね」
そんな日が来ない事を信じています。
「では」
はい、行ってらっしゃいませ。
…
なんてことでしょう。私は確かに思ってしまった。彼は何も悪くないのに。
なんてことでしょう。私はなぜ答えてあげなかったのでしょう。あの時「いいのだ」と。
いえ、いくら悔やんでももう遅い。まだ私に出来る事はあるはずです。
全てをあきらめるのはそれからでも良いはずです。まずは彼を守らなければ。
アイツはまだ彼を手放す気は無いのだから。