食人鬼は死んでいる2
この度は誠に申し訳ございませんでした。
「…あの、」
はい、なんでしょうか。
「いや、急に土下座されても困りますし、まず私はあなたに謝られるようなことをされた記憶が無いんですが。」
はい、理由につきましてはあなたのその特異的な体質についてです。
「!?…」
そのような体質になってしまったのは一にこちら側のミス、手違いによるものです。あなたがそのような体質のまま23年間も生活を送らせてしまい申し訳ございませんでした。
「…詳しく聞かせてくれるか?」
はい、まず死後の世界…私たちの仕事について話します。
「…」
私たちの仕事は寿命、病気、事故、事件、自然の定理などで死んでしまった生命の残痕、いわゆる魂の死ぬまでの一生の業を査定し、その重さによっては次の転生じのペナルティを科すのが私の仕事です。
「なるほど」
しかし、あなたの魂の査定時に第三者の介入によりあなたの魂に誤った設定がされてしまったのです。
「そうか」
本当ならあなたはなんのペナルティも無く普通の人生を送れたはずです。そしてその過ちは全て私の落ち度です。
「そうか。…今はそれがすべてなんだな?」
っ、…はあ、そうですね。ひとつ言い忘れてました、あいつはまだあなたを手放す気はないでしょう。
「…そうか」
「それじゃあこんどは私からの質問だ。」
はい
「まず、私はこれからどうなる。もし何の問題も無いならこんな所に呼び出したりしないはずだ。」
はい、率直に申し上げますとあなたは輪廻転生する事は出来ません。呪いのせいであなたに過度な干渉が出来なくなっているからです。しかし、それはこの世界での話。他の世界に転生させることは可能です。
「そうか」
そして、お詫びの印としてあなたの呪いを軽減させたうえにあなたの願いを私が干渉でき、実現可能な範囲で三つかなえます。