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序章 福岡県柳川

超能力者登場です!!

 人通りの少ない路地裏で、北条爽ホウジョウソウは不良らしい輩に取り囲まれていた。どうやらカツアゲのようだ。

「ちょっと……なんで僕?」

「うるせえ。さっさと金だせコラァ」

「うう……僕が弱そうだから狙うんだろう。もっと強い人を狙ったらどうなんだい?この弱虫」 

 確かに爽は少し童顔で高校生なのに中学生に間違えられたりもする。そういう意味でも不良にとって彼は絶好の“カモ”なんだろう。

「痛っ」

 爽が叫ぶ。殴られたようだ。

「金出せ。聞こえないのか?ぁん?」

「ハア……もう……」

 緊張感なく爽はため息をつく。

──と、次の瞬間、道端に転がっていた空き缶が不良の後頭部を、直撃した。誰かが投げたわけでは、ない。強い風が吹いたわけでも、ない。

 では誰がやったのか──

「あーあ、死なない程度に抑えたんだから感謝してよね」

 そう、これをやったのは爽なのだ。そして爽には一つ、人に言えない秘密がある。

「僕、超能力者だから……さ。君たち次から僕に手をだしちゃだめだよ」

 気を失った不良たちに爽は声をかける。

「ちょっと爽、何やってんのよ!!超能力簡単に使っちゃダメっていつも言ってるでしょ!!」

 こんな声が聞こえて、制服を着た女の子が、二人路地裏に入ってきた。

「中島に華蓮。どうしてここが?」

「どうしてって、同じ通学路でしょうが。そしていまはそんなことどーでもいい!」

 彼女らふたりは爽の幼馴染。さっきから喋っている方が、中島湊ナカジマミナトで、髪をショートカットにした運動系女子。もう一人が、華蓮有紗カレンアリサで、ロングヘアーの文学系女子。二人共共通して顔が良い。

「下校途中に何やってんのよ。見られたらどうすんの」

 どうやら爽は下校途中にからまれたらしい。確かに爽も中島も華蓮もみんな制服だ。

「相手から絡んできたんだ」

「素手で倒せば良いじゃない」

「ンな無茶な。中島じゃあるまいし」

「ケンカ売ってんの?」

「冗談です……」 

 さて、では何で中島は爽の超能力を知っているのか。

 実は、幼馴染二人も超能力者なのだ。

 ただ、爽とは少し種類が違う。

 爽の超能力は、念動力サイコキネシス。物体を自由に動かすことができる。

 中島は、接触感応サイコトメラー。物などからそれに触れた人の残留思念を読み取り、その記憶を読み取ることが出来る。

 華怜は、念話能力テレパシー。人の脳などをのぞき見したり、話すことなく意思を伝えることができる。

 能力が開花したのは十年前。当時幼稚園生だった爽と中島と華蓮とあと一人を加えた四人はその当時からそれはそれは仲が良く、その日も手を繋いで四人で帰っていた。

 四人が信号を渡った時、トラックが四人を直撃した。普通ではほとんどの場合生き残ることが出来ないであろうその状況で、彼らは奇跡的に生還した。それも傷一つなく。医者はその理由について首を傾げ、専門家も似たようなものだった。そして、その日から四人には不思議な能力が宿ったのだ。

「北条爽様で間違いないでしょうか。」

 突然爽は名を呼ばれた。人の気配は無かった。いつの間にか爽の目の前には男が立っていた。

 サラリーマンのようなスーツ姿で、これと言って特徴のない顔。ひとつだけ異常な点を上げるとすればそれは男の放つオーラのようなもの。

「あなたは?」

 警戒しながら爽は聞いた。後ろの二人も臨戦態勢をとっている。

 禁忌であるはずの超能力を使う必要を考えるほどに、男は凄まじかった。本来ならテレパシー能力を持つ華蓮が、思念を読み取り接近してくる男に気づいて注意を促すところなのだ。だが彼女の驚いた顔から接近が探知できなかった事は容易に見て取れる。

「私は鈴木家の執事です」

「鈴木家?」

「私の、主人オーナーの名です」

「そんな人が僕になんのようです?」

「あるゲームに参加していただきたく、参上しました」

「ゲーム?」

「詳しくは現地で説明されます。開催日は五日後です。開催場所は東京です。東京までの旅費は私どもが負担します」

「何で僕が?」

「それは貴方が超能力者だからです」

「なんでそれをッッ!!!!」

「ご自分でお考えください。私に言えるのはここまでです」

「お帰りください。あなたに用はありません」

「お望みとあらばそういたしましょう。よく考えてみてください」

 そう言って執事は、爽に紙をにぎらせた。



 三日後、爽は幼馴染二人を家に呼んだ。

「二人共、僕と一緒に東京まで来てくれないか?」

「何よ?あの胡散臭いゲームとかに参加するわけ?そして何であたしたちがついていく必要があるのよ。参加するのはあなたなんでしょ?」

 と中島

「ゲームはチームで行われるから、協力者も、連れてきていいんだそうだよ」

「だからって……」

「いろいろ気になる点があるんだ。なにより、このゲームに勝つと賞金がもらえるらしいんだ」

「幾らよ」

「一億」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ????????馬鹿じゃないの?ますます胡散臭いわ」

「だけどさ、執事さんの実力は本物だろ?いたずらのためにわざわざそんな強い人用意するかね?しかも超能力のこと知ってたのも驚いたし」

「あの人ほんとに強いのかしら?」

「戦って勝てると思った?」

「…………………………」

 そこで、これまで黙っていた華怜が口を開いた。

「チームって、最大何人入れるの?」

「えーっと」

 昨日渡された紙を見る。

「四人だそうだよ」

「じゃあ………」

 華怜が言わんとしていることは他の二人にもよく分かった。

「チームに入れるか、東京に住んでる、アイツを」

 そう言って思い浮かべたのは、最後の一人の幼馴染。

 そいつの超能力は、発電能力エレクトロキネシス──


これだけ書くのに一時間かかりました……(;´д`)トホホ…

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