ep.8
「はい!それでは。この間行われた『MAT』の結果を返しまーす!」
あの『MAT』試験から1週間後。
学校のHRで試験結果が返却されることになった。
・・・あ、そういえば。
あのあとに座学の試験もあった。
ほんとに座学は、魔法のついでみたいだったから、ここに書くのは省略させてもらった。
「シュウー。これが終わったらどこか遊びに行こうぜー・・・」
「ユーマ。人を遊びに誘ってるのに。
なんだ?そのテンションの低さは・・・」
「仕方ないよ。ユーマの結果はもう判り切っちゃってるからね。」
「??どういうことだ?」
「だから、出来が悪・・・」
「俺がどうせ出来損ないってことだよっ!!」
あ、ユーマが泣き出した。
「そこまで言ってないのにな・・・。」
「まぁ、10分もしたら回復するから。
ほっとこうか?」
「そうだな、それがいい。」
「お前ら!慰めようとしろよっ!!(泣)」
「なんでだ?」
「なんでなの?」
「・・・・お前ら。ほんとに出会って2週間か・・?」
ユーマの扱いに慣れ、マイとの連携が上がった今日この頃だった。
「吉柳くん。」
「はい・・。」
ユーマが呼ばれた。
先生の手から、紙を一枚渡されている。
「はい、頑張ってね。」
「うす・・・。」
「どうだった?」
「この通りさ。」
「見てもいいのか?」
「あぁ、見られても減るもんじゃねぇしな。」
Class:1
Name:吉柳 勇真
MA:64s 評価:B
AT:28 評価:D
QT:評価D
WT:45/100 評価:C
TS:C
Rank:110/200
GS:240/400
ユーマの成績表には、こう書かれている。
この成績表の記入法は、
『MA』『AT』『QT』は、『MAT』の実技試験を示している。
『WT』は、筆記試験。
『TS』は、Total Scoreの略。
その下の数字は、この学年でのランク、順位を表す。
最後の、『GS』は一般教科のこと。
国語、数学、理科、社会の4教科から構成される。
「はぁ・・・。まぁ、今年もぼちぼち頑張りますか。」
「おう。頑張ろうぜ。」
「次はー、舞衣さん。」
「はーい!」
「どうだった?」
「うん、よかったよ♪」
「マイの場合は、そうやっていっても嫌味になれねぇからすげぇよな・・・。」
「見てもいいか?」
「うーん、いいよ!」
「んじゃ、拝見します。」
「あ、俺も!!」
Class:1
Name:妃 舞衣
MA:61s 評価:B
AT:60 評価:B
QT:評価B
WT:90/100 評価:A
TS:B+
Rank:1/200
GS:359/400
「すげぇな。優秀すぎて言葉にならねぇよ。」
「ほんとにすごいな・・・。」
「やめてよー、照れるじゃん!」
「今度、いろいろ教えてくれ。」
「うん!もちろん!」
まさか、となりの美少女が学年トップとは・・・。
困ったら目一杯頼らせていただこう。
「最後ー、柊くーん!」
「あ、はい。」
「シュウ、どうだった??」
「いいわけないよ。『MAT』は散々だったしな。」
「見ても・・・いいかな?」
「あぁ、俺も見せてもらったしな。」
Class:1
Name:柊 秋
MA:119s 評価:D
AT:29 評価:D
QT:評価D
WT:29/100 評価:D
TS:D
Rank:180/200
GS:400/400
「ほんとにお前って、成績悪いんだな・・・。」
「?最初に言ったはずだが?」
「いや、シュウくんはなんか出来る人の雰囲気出てるからさ。」
「それは買い被りさ。俺なんて所詮はこんな実力さ。」
「そうなの??」
「そんなもんだ。」
「てか、シュウは成績も悪いけど、運も悪いんだな・・・。」
「??どうして?」
「だってよ、全部の試験、すべてギリギリでD評価だぜ?」
「・・・あ、ほんただ。なんか狙ってるみたいだね!」
「それは、ないだろ!なんでわざとDなんか狙うんだよ!
なぁ、シュウ??」
「・・・・」
「??どうしたんだ、シュウ?」
「い、いや何でもない。やっぱり成績が悪いと落ち込むもんだな・・・。」
「そうだな・・・って、お前!座学満点じゃねぇかっ!!?」
「え、どれどれ・・・ってほんとじゃない!
なんで!?」
「いや、なんでと言われても・・・」
「・・・・」
「・・・・」
二人は、俺の成績を見て黙り込む。
「どうしたんだ??」
「今度、俺に座学教えてくれっ!!」
「今度、私に座学を教えてっ!!」
「お、おう・・・。いいけど・・・。」
二人の勢いに押されまくって、少々引いてしまった・・・。
それにしても、鋭いなユーマのやつ。
まさか、そんなところに目をつけているとは・・・。
油断すると、やられるかもな。
今日は、少し多めに投稿します。