ep.40
お久しぶりです。
時間が空けば少しずつ更新していきます。
よろしくお願いします。
Side:翼
「ふぅー。久々だなぁ!この技使ったの!!」
いつもは張合いもなく下級や中級の技だけでおわっちゃうからね。
やっぱり上級魔法はいいね!こうどーんっ!って感じでスカッとするね!
でも、戦ってみた感じやっぱり秋くんは強いや!
身のこなし、刀の扱いの目に見えるところや、重心の移動、歩法とかあんまり目立たないところも一流だよ。
あの刀の召喚速度なんてほとんど視認できなかったよ。
おまけに僕の雷撃を真っ二つ。
んー!僕の目には狂いはなかったみたいだ!
でも、さすがに僕の『雷導』を受けたんだからダウンしちゃってるはずだけど・・・。
バリバリバリバリッッッ!!!
!?な、なに!?この音!!
・・・放電音?どこから・・・
って秋くんのほうから??しかもこの音さっきの僕の雷とは比べ物にならない魔力を秘めてる・・・。
・・・これはまさか!?
「いい雷だった。」
「!?ま、まじかー・・・」
砂煙の中から現れたのはやっぱり秋くんだった。
ところどころに傷はあるけど、大きなダメージはまったく見えない。
「な、なんであれくらって無事なのさ・・・」
「いや、無事ってわけじゃないぞ?あれはけっこうやばかった。」
そんなあっけらかんと返事されたら説得力ないよ・・・。
でもそれにしたって、
「たしかにくらったよね?僕の雷。」
「だから言っただろ?「いい雷だった」ってさ。」
秋くんはにやりと笑う。からかうような笑みではなく、純粋に僕を賞賛してくれてる笑み。
「一体どういう手品を使ったのかな?それとさっきの放電音は何?
少なくとも僕の魔法じゃないと思うけど。」
「手品って・・・。そんな大したことはしてない。そしてさっきの放電は、たしかに君のじゃない。」
む、やっぱり。
「それと・・・俺は君に謝らなくちゃいけないことがある。」
「??」
「さっきまで俺は君のことを「女の子」だと無意識に侮っていた。そして、無意識に手を抜いてしまっていたようだ。すまないな。」
と、秋くんが頭を下げてくる。
「ぶーー!!それはひどい!!こっちは真剣にやってるのに!!」
やっぱり魔力が小さくなったのは手を抜いてたのか。
ぶーたれてみるが、まぁ相手が僕みたいな女の子だったら仕方ないことかもしれないね。
「・・・君を「女の子」ではなく、「一人の魔法師」として戦うことにする。」
??秋くんの雰囲気が変わった?
・・・ようやく本気になったってわけだね。
「ここからが本当の勝負って言いたいんだね。OK!!
続きをやろうよ!」
「いや、これでもう終わりだ。」
「え!?このまま終わり??ここからがいいところなのに!!」
「そういう意味じゃない。」
??んー?どういうこと?
さっぱり意味が・・・
「今から俺の魔法一発でこの勝負は終わりってことだ。」
・・・・・
「秋くん?冗談は」
「冗談なんかじゃない。」
と彼は真剣な趣きでそう言う。
「君の雷はとても力強く、そして美しかった。
だから俺も見せよう。」
今の俺の最高最大の雷を。
バリバリバリバリッッッ!!!!!!
!?さっきとは比べ物にならないほどの放電音とともに秋くんの周りに
雷が発生する。
これだけはっきり見えるって・・・どれだけの魔力をねりこんでるのさ・・・・
しかも僕の『雷導』以上。
これがずっと見たかった・・・
彼だけの魔法。
「『開け、八葉が一枚。雷に覆われしこの大葉よ。』」
彼は綴る。声高らかに、力強く、かつ流れるように。
『この雷は神の怒り。
この光は神の標。
轟き、響き、滅せよ。
神よ、そなたの力は我が示そう。』
そして彼はひとつの魔法を歌い上げる。
「迸れ。『術式八葉・武御雷』」
瞬間、雷鳴と雷光が僕を包んだ。