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ep.34

お久しぶりでございます。

実家に帰省しており、PCがなく更新できませんでした。

お待たせしてしまい申し訳ないです。

これからはちょくちょく更新して参ります。


俺は、心のうちから魔力を具現化させるように呼びかかる。


目の前の、遙か頂近くにいるであろう、『剣聖』に、刃を届かせるため。



「急にこんなことになってしまって悪かったね。


不快にさせたかい?」


「いえ。相手は現代きっての剣の使い手。


胸を貸していただきます。」


「はは!それは、「全力で行くから受け止めてください?」と暗に

言っているのかね?」


「・・・失礼でしたか?」


「ふふふ。なぁに。若者の本気を受け止められないほど


この『剣聖』、落ちぶれちゃいないよ。」


「さすがの一言です。」



「それでは、両者よろしいですか?」



審判をかってでた青山さんが、その右手をまっすぐ空へと向ける。







「準備はいいかな?柊くん・・・。」


「大丈夫です、サイガさん。


いつでもOKです。」


「よかろう・・・。いざ・・・」



「それでは・・・」





「「参るっ!!」」





「始めっ!!」












・・・と、なぜこんな戦いになっているかというと。



話は、1時間前に遡る。



俺たち5人(ユーマを除いたチームメンバー)はGWの宿題撃破のために

妃邸にお邪魔していた。





「おかえりなさいませ、マイ様。ムイ様。」


「お出迎えありがとうございます、青山さん。」


「ただいまぁー!青山サン!」



と、玄関で俺たちを迎えてくれたのは、妙齢の綺麗な女性だった。


年は、おそらく20代後半くらいだろう。


髪は長めで後ろで一つにまとめており、服装はピシッとしたスーツを着こなしている。


高めの身長、少し華奢な体格と相まって、「仕事の出来るキャリアウーマン」のような

オーラをひしひしと感じる。





「お嬢様方、こちらがお友達の?」


「そ!ウチらのチームメイト!!」


「左様ですか。皆様初めまして。


私はこの屋敷でお手伝いとして住まわせてもらっております、青山と申します。


お嬢様たちと仲良くしていただいて、ありがとうございます。」


「あ、ご丁寧にありがとうございます。


俺は、柊といいます。マイさん、ムイさんとは仲良くさせてもらってます。」


「そうですか、あなたたがシュウ様で・・・。」



あれ?俺は下の名前は名乗ってないはず・・・。


なんで知ってるのか?マイたちが話してるのか?




「あぁ、すいません。シュウ様のお話はお二人からよく聞かされるので・・・。」


「よく・・・とは?」


「はい。それは毎日毎日嬉しそうにシュウ様とのこと・・・

「「ストップストップっ!!」」



と、妃姉妹が間に割って入ってきた。



「青山さん!そのことはいんじゃないかな!?」


「そ、そうそう!シュウには言わなくていいことだし!」


「あら?私は、お二人の奥手なところをカバーしてあげようかと・・・」


「「余計なお世話!!」」





クイクイ



と、隣からナギサが袖を引っ張る。


「どした?」


「・・・仲がいいんだね。」


「そうだな。青山さんは二人からよっぽど信頼されてるみたいだ。」


「・・・三姉妹みたい。」


「たしかに、そう見えるな。」




ナギサと同じことを考えていたようだ。


この三人、仲睦まじく生活しているみたいだな。







「それでは、なにかありましたらお呼びください。」


「ありがと。」




と、俺たちはあのあと大きめの客室に通された。


大きな机があって、イスが6脚用意されていた。




「んじゃ、シュウくんは奥の真ん中座ってね。


教えてもらうから!」


「そうだな、そこだったらみんなの見えるし。」


「そして、向かいの真ん中はナギサちゃんで!」


「・・・ん。」


「レイくんはどこに座る?」


「私は・・・ナギサさんの隣で・・・よろしいですか?」


「・・・・いいよ。」


「んじゃ、私たちは・・・」


「シュウくんをはさんじゃおーう!!」


「・・・ムイ、写すなよ?」


「わ、わかってるよ!!」







勉強を始めて45分くらいたった。


俺は、4教科のうちちょうど2つ終わらせたところだ。




「シュウくん・・・早すぎ・・・。」


「どんだけ解くの早いのよ・・・。」


「・・・シュウ、流石。」


「すごいですね。」




と皆感心したように言うが、どれも簡単だったぞ?




「お姉ちゃん、もう終わったかな?」


「うん、そろそろのはずだけど・・・。」


「だったら、私連絡してくるね。」


「お願いね!」




と、ムイが席から立ち上がり部屋の外に出ていった。



「?ムイはどうしたんだ?」


「え、ええと。そろそろユーマに連絡とろうかなと。」


「あぁ、あっちも用事が終わるころなのか。」


「そうみたい。だからムイが確認しに行ったのよ。」


「へぇ、なるほど。」





ガチャ




「あ、ムイおかえり!どうだった・・・って、え!?」


「どうしたんだ・・・っ!!」




と、扉から現れたのは一人の男性だった。


身長は180後半くらい。体格は細身だけど服の上からでも分かるほど

引き締まった体をしている。


その双眸は鋭く、しかしその中にも温かさを見て取れた。





「お邪魔するよ、はかどっているかな?」


「お・・・」


「お?」




「お父様!?」




!!


てことはこの方が、『八名家』の妃家現当主ってことか。



たしかに、身にまとう雰囲気からしても一流・・・いや超一流てことが感じ取れる。




「急にどうされたのですか?今は会談中では・・・」


「あぁ、赤の奴ならもう帰ったよ。


なんでも急用ができたとかでね。」


「そうだったのですか。」


「うむ。・・・すまん、自己紹介がまだだったね。


私はきさき 斎雅さいが


マイとムイの父親だ。いつも娘が世話になってるね。」


「いえ、こちらこそ。


俺は、柊 秋といいます。」


「・・・月島 渚・・・です。」


「はじめまして、四谷 怜です。」


「うむ。あともう一人チームメンバーがいるはずだが・・・?」


「あと一人は、ユーマよ。」


「・・・なるほど。だから今ここにいないわけか。」


「?妃さんはユーマを知ってるのですか?」


「はは!私のことはサイガで構わんよ。


そうだね、彼のことは知っているよ。小さいころからよく面倒を見ていたからね。」


「そうなんですか。」



そういえば、マイとユーマは最初から仲が良さげだったな。


幼馴染ってやつか。




「・・・そうか。君が先日転校してきた転校生か・・・。」


「??」



サイガさんが俺を見て目を細める。


・・・俺、この人とは初対面のはずなんだけど。




「ミミ・・・」


「!?」


「ミミ氏は元気かね?久しく会っていなくてね。


恐らく君は・・・ミミ氏と何かつながっているだろう?」




・・・信じられない。あの人に知り合いがいるなんて・・・。




「・・・どういう関係なんですか?」



と、ついつい声が低くなってしまう。


それもそうだ。今は俺の存在が世間に広まるわけにはいかない。


この人が下手なことをしゃべったら・・・




「そんな怖い顔をしないでもいいよ。


ただ、ミミ氏からは何度か手ほどきを受けてね。」


「ともに修行した仲と・・・?」


「まぁ、当たらずとも遠からず・・・かな?


それに、君の事情もある程度は知っているよ?」


「!?それは・・・あの人が?」


「あぁ、教えてくれたよ。『力になってくれ』とね。」


「・・・そうですか。」




あの人が認めたんだ。


だったらこの人は。信用に値するはずだ。


決して敵じゃない。




と、俺は高めていた緊張感を解きほぐしていく。



・・・気づくと他の3人が少し驚いた表情をしていた。


いつのまにか少々気をまき散らしていたみたいだ。




「すまん。気にしないでくれ。


俺の恩人とサイガさんが思わぬ知り合いだったんで驚いたんだ。」


「・・・大丈夫?」



と、ナギサが気遣ってくれる。


「あぁ、ありがとう。」


「・・・ん。」




「いやぁ、すまんね!久しぶりに出しゃばりすぎたようだ。」


「ところで、どうしてわかったんですか?


俺が、『ミミさん』と知り合いだと。」



「それはね、君の中から感じたからだよ。


かつて『剣戟の王』、『剣皇』と呼ばれたあの人の力の片鱗をね。」


「・・・やはりわかりますか。」


「お父様・・・、『剣皇』様というのは以前お父様が話された・・・」


「そう、いわば私の『剣の師匠』というやつかな。


あの人のおかげで私は今の力を得た。」




と、レイが何かに気づいたようだ。



「・・・『剣皇』の弟子?


!?ということは、あなたがあのサイガ様ですか!?」


「どのサイガかは知らないケド、おそらく会ってるよ。」


「・・・レイ、知ってる?」



と、事情を飲み込めていないナギサがレイに尋ねる。



「ナギサさんは武術の道に詳しくないですからね。知らないのも無理ありません。」



と、レイはひとつ咳払いすると説明し始める。



「こちらの妃 斎雅様は、魔法界の名家、『八名家』の当主であるとともに

ある筋でも同様の名声、実力を持ってらっしゃいます。」


「・・・ある筋?」


「はい、それは・・・「剣」です。」


「・・・剣。」


「そうです。


昔・・・といっても私たちが生まれる前くらいですが。


この魔法界に、魔法だけで戦うのではなく、一振りの剣を携え戦い


圧倒的な力で様々な武勇を轟かせた武芸者がいたんです。




その名も『剣戟の王』、『剣皇』。


魔法力もさることながら、その類稀なる『剣戦』で幾多の猛者に土をつけ、


一説には1000戦無敗であったと言われています。」


「・・・む、無敗・・・。」




驚くのも無理はない。実際、あの人はそれ以上の人と戦い。


そして俺たちの想像を遙かに超える白星を飾っているはずだから。




「そうです。そして『剣皇』はある日、一人の弟子をとったと言われています。


そして弟子入りして5年後。魔法界にデビューした彼は


天性の魔法力と、『剣皇』直々の教えのもとに瞬く間に注目され始め。


そして、今となっては武芸者・・・いや、魔術師たちの憧れとなっています。」



「レイ君の言う通り、その弟子が私、妃 斎雅というわけさ。」




と、説明を聞いていたナギサがマイに一言。




「・・・なんてチート?」


「私もそれは同感だわ・・・。」







「あの人から教えを乞うた私には分かるよ。


シュウくんの中に莫大な力が眠っていることはね。」


「・・・・・。」


「私はあの人から剣を「教わった」。


しかし、君は・・・「引き継いだ」のではないかね?」


「・・・・・」


「それならば話は分かる。


何かのきっかけで君はあの人とともに人生をともにし。


その才を認められたってことだろう?」


「そうですね。確かに俺はあの人から力を貰いました。


俺自身の夢のために。」


「夢、とな?それはどんな夢かね?」




「俺は、この力で大切な人たちを守り通すんです。


どんな理不尽なことからでも・・・。


そのために、俺はこの力を得ました。」


「・・・その言葉に偽りは?」


「ありません。」




俺は即答する。


この夢だけは曲げれない。



俺は守るために、二度と失わないために。


そのために俺はこの力を振るう。




「シュウくん。私と試合しないかね?」


「!?」


「ちょ!お父様!何言って!!」


「こんなまっすぐな目をした少年を久方に見る。


そして同じ師を仰ぐもの同士。


その同士が見据える先を、私も見たいと思ってね。」


「・・・お父様。」


「それに・・・」


「??」





「まだその力を発揮したことがないのだろう?


だからか・・・。君から多少の恐怖を感じる。」


「・・・その通りです。


俺は、まだコイツの全力を知りません。」


「ふむ。底の知れない力は頼りがいがあると同時に知らないから


恐怖も生まれる。



ならばその力、この『剣聖』が受け止めよう!」










というわけで。


俺は、『剣聖』と試合することになったわけだ。



せっかくの機会だ。


俺の力が今どのあたりにあるか・・・


頂に届いているのか。



試させてもらうとしよう。





「行くぞ、『青龍』!!」



サイガさんは一振りの剣を取り出す。



刃渡りは・・・かなり長い。大体150㎝くらいか?


刀身は若干青みがかっていて、柄の部分には龍があしらわれている。



聞かなくても見れば分かる。あれは、最上級の一振りだ。




「これを扱うのはいつ振りだろう。


安心したまえ。これを扱うときの私はかなり強いのでね。


そうそうは負けないよ。」





これで負けることはない。


安心して全力を振るいなさい。



と、暗に言われたみたいだ。


たしかに、今の彼には何人も近寄りがたい気迫が漂っている。


これが・・・頂近い超一流の魔導士の世界・・・・。





俺も。



そこに。



そこまで登りたい!!





どこまで刃が、力が届くか。



試す時だ。







俺は目をつむり、今まで閉ざされており


つい先日解放された力に意識を集中する。




うん、今まで一つだったのが全て解放されている。



でも、一度に出せるのは二本まで・・・。






十分だ。



これが俺の、今現時点の全力だ!!






『古より受け継がれし 美しき剣


盟約のもと 我が名のもと


その力を顕現し 目前のかたきを灰塵に帰せ』





「術式『五和式・宝刀召喚』!!



凍てつけ 『蒼月』


切り裂け 『空我』 」





そして俺の両の手には、




二振りの刀が握られていた。





少し長くなりました。

こうして少しづつ主人公の力を開花させていきます。


お気に入り登録、感想いつもありがとうございます!!

皆様の声援を燃料に、これからも頑張っていくのでよろしくおねがいします!

意見、感想いつでもお待ちしております!!

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