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ep.26

すみません。なぜかマイとムイが1年生になってました。主人公たちは2年生です。それではどうぞ。

「んじゃ、次は俺がやろうか!


俺は、吉柳 勇真。2-1に所属してる。


ランクは・・・3トリプルだけど、戦闘になったら2ダブルの奴らには

そう簡単に負けない自信がある!!


色は、『赤』を使ってるけど・・・俺の魔法はいまいちだからな!


代わりにこれを使ってるぜ!」



といって、ユーマは懐から二丁の銃をとりだす。


一つは重心が少し長く、紅色の銃。


もう一つは黄色を基調とした色合いの銃。



「これが俺の主要武器メインウエポンの『紅翼こうよく』と『黄鷹こうよう』だ!」



と、ユーマはその二つの拳銃を構えて見せる。



「それって、魔法銃だよな?弾丸はやっぱり・・・」


「そう!俺の魔力をつかって弾が生成されるんだ!


てことで!俺の腕前をご覧あれ!」




ユーマは勇んで庭に飛び出す。



「どれがいいかな・・・。お、マイー!そのペットボトルもらっていいか?」


「いいわよ、もうほとんど飲み終わってるし。」



マイはユーマにペットボトルを投げてよこす。



「っと!さんきゅー!


んじゃ、いっちょやりますか!」




ユーマは手元のペットボトルを思いっきり放り投げた。




「『充填』!」


二丁の拳銃が、「赤」い魔力に包まれる。



「いくぜ!・・・ッフ!」




ドン!ドン!ドン!




拳銃から赤い弾丸と化した魔力が空中のペットボトルに向かっていく。


その弾丸の大きさは数センチといったところか。



バババン!!



そして、そのすべての弾丸が15メートルほどを飛行していたペットボトルに命中し、

粉々になった。






「・・・すごいな。」


「あんた、それだけはすごいのよね。」


「そうそう。銃の扱いだけはすごいのよね。それだけは。」


「お前ら!バカにしすぎだろ!!?」




空中を動く対象に向かって、百発百中であてる腕前。


おそらく、銃の扱いなら学内でも・・・いや社会に出ている魔術師と比べても

引けはとらないだろう。


それほど精密な射撃を、ユーマはやってのけた。






「・・・威力。」




隣で見ていたナギサがボソッとつぶやく。



「威力?」


「・・・そう。今の魔弾の威力だったら、対人戦では大したダメージにはならないはず。」




・・・たしかに。プラスチックのペットボトルは粉々にはなったものの。


「質」、「大きさ」ともに威力はそこまでないことが伺えた。




「やっぱすごいな、月島さんは!初見でわかるなんて!


でーも!俺の戦法スタイルは当てるだけじゃないんだぜ!」





と、再び銃に魔力を込め始めるユーマ。




「シュウ、なんかぶっこわしていいものとかあるか?」


「・・・ぶっそうなこというな。


だったら・・・・あの左10メートル先にある岩なら。」


「い、いいのか!?」


「おう、爺と今度撤去するって話だったし。」


「お、おう、そうか。・・・・なら!」





「『充填』、『圧縮』・・・・ッフ!!」



ガオン!!!!



先ほどのときとは明らかに発射音、大きさも違う。





ドカンッッッ!!!!





と、岩に着弾したと同時に砂埃がまう。




その煙が晴れて見えたものは・・・木端微塵となった岩の破片たちであった。




「・・・こんなにちがうのか。」


「これ当てたら人間なんて一発で粉々ね。」


「この人殺し。」


「いや殺してないし!?しかも、なんでこんなに辛辣なの!??」






「ユーマ、今のは「魔力」を「圧縮」して密度をあげて、一時的に「質」をあげたってことか?」



「大正解!」


「それにしてもすごいですね。「魔力の圧縮」は一流の魔法使いが使う芸当ですよ?



それを学生のあなたがやってみせるなんて。」



「まぁ、死ぬほど特訓したしな!出来始めたのもつい最近だし!」



と、レイの賛辞にユーマは照れ笑いをしている。




「ま、今の弾丸の仕組みはそれだけじゃないだろ?」



と、俺は気づいたことを口にする。



「・・・お前、気づいたのか?」


「あぁ、よく目を凝らしたら見えただけだよ。」




他の4人は頭に疑問符を浮かべている。



「おそらくお前は、「圧縮」した魔力の「形状」も変えていただろう?」


「そ、そうなの!?」



と、ムイは驚きをユーマにぶつける。


他の面々も興味津々でユーマをみる。



「参ったな、こんな簡単に見抜かれるなんて。


そうだよ。今、俺は弾丸をこんな風に作った。」




ユーマは右の掌を上に向ける。


その上に赤い魔力が浮かび、それはそのまま円錐状になった。




「先端をとがらして空気抵抗を受けにくくする。そうすれば弾丸の速度も上がるだろ?


そして、着弾した瞬間その魔力が破裂するようにも細工してある。」


「いうならば、魔力の「徹甲弾」ってやつか?」


「その通り。」



と、ユーマは説明する。



「だが、お前俺に初めて会ったとき、「魔力は扱えない」って言ってなかったか?」


「あぁ、すまん。言葉足らずだったな。


正確には、「多くは扱えない」だ。俺は、マイやムイみたいにあんな大量の魔力を扱えない。


せいぜいこの掌サイズ以下が限界だな。」



「そういうことか。」


「まぁ、この「魔力操作」に関しては、だれにも負けないがな!」





あれだけの速度で、あの正確さ。


確かに少ない魔力しか扱えないっていうのはデメリットだが。


使い方さえ間違わなければ高度な武器となりえる。



ユーマも大概に強いだろう。



「これは『MAT』の時には?」


「使ってなかった。いくら「圧縮」、「形状変化」してもある程度の「初速」がないと

力は発揮されない。


そして素手だったら俺はその「初速」は生み出す技術もない。



だから、こいつらに頼るしかないのさ。」





なるほどな。出来なくても色々な手を使ってでも出来るようにする。


コイツの努力には頭が下がる・・・。



一体どれだけの努力をしたんだろうな。







「次は私ですね。


名前は、四谷 怜。クラスは4組に所属しています。


色は「紫」を使っています。ランクは・・・一応1シングルです。」


「まじで!?そうなのか?」


と、ユーマがめっちゃ驚いている。


「ちなみに順位は?」


「私は、シングル7です。まぁ、末席ですね。」


「いやいや!7位でも十分すぎるくらいすごすぎでしょ!?」


「ありがとうございます。」



と、レイは意に返した様子もなく続ける。



「主要武器は、マイさまと同じく弓を使っているのですが・・・


あまり射撃は得意じゃないので、もっぱら後衛で魔法を使います。」




と、レイは立ち上がり庭へと向かう。



「私の魔法はかなり地味なのですが・・・・。


では、マイさま。ちょっと手伝ってくれませんか?」


「??いいけど・・・」



とレイはマイを伴って庭に出る。


そして、二人は10メートルほど離れて相対する。



「先に言っておくと、私は防御が得意です。


なのでマイさん、私に向かって魔法をはなってくれませんか?」


「分かったわ。威力は?」


「そうですね・・・。わがままになるのですが全方位から・・・とかできますか?」


「あなた、本当に防げるの?」


「えぇ。威力はお任せします。」


「わかったわ。だったら・・・!」




おいおい、まじかよ。あの魔力の奔流・・・。


多分上級じゃねえか!?



「はっ!」



と、マイは先ほどと同じように庭の水をまき上げる。


そして、無数の水の弾丸を創り出す。




「これはこれは・・・・。


まさかの上級魔法・・・。」




普通学生の身では中級がせいぜい。上級を唱えられるのはあまりいない。



「いくわよ・・・。『水陣すいじん』!!」



その言葉とともに、レイの四方から水の弾丸が降り注ぐ。



『水陣』。水を無数の弾丸に変え、相手を四方から襲う魔法。


威力に関しては、中級レベルだが、その手数の多さ、それと扱いにくさを考慮され

上級魔法に分類されている。





「『始動』、『一重』、『加重』、『二重』・・・展開。」




ババババババン!!!!



と、マイの放った魔法はレイの直径5メートルほど前で見えない壁に阻まれたように霧散した。




「・・・ふぅ。まさか上級でくるとは・・・。さすがですね。」


「あなたこそ、私の上級を顔色変えずに防ぐなんてね。」


「いえいえ。けっこうぎりぎりでしたよ?」





「す、すごいな。あいつ。」


「たしかにな。完璧に防いでいたな。」


「あれ、どうやってやったのかな?」



ユーマとムイは感心していた。


あそこから一歩も動かず上級魔法を防いだのだ。




・・・昔より腕をあげてるなぁ。


それも並大抵の努力じゃないことがはっきりわかる。




「・・・『魔封円』。」



ナギサがまボソっとつぶやく。


へぇ、ナギサのやつ・・



「知ってるのですか?」




コクン



レイの質問にナギサは肯定で返す。



「自分を中心とし、その周りに魔法の「壁」を生み出す魔法。


・・・しかもあなたはその壁を「円型」、「半球」に展開している。」



「お見事、ですね。月島さまの言う通りです。」



と、レイが説明を始める。



「私の魔法は、ただ「半球」の壁を張るだけじゃなく、それを複数重ねて張ることで耐久力をあげています。


先ほどは、上級魔法だったため『二重』に張ったというわけです。」


「なるほどね、それでマイの魔法は防がれたってわけか。」


「その魔法の有効範囲と限界は?」



「私の『魔封円』は、最高4枚まで張ることが出来ます。


しかし、重ねていくたびに範囲も狭まります。」


「さっきの『二重』はだいたい5メートルほどだったと思うが?」


「シュウさま、その通りです。


『一重』は直径10メートルほどで、そこから半分の広さになっていきます。


なので、最後の『四重』は、1.25メートルですね。」


「かなり狭くなるんだな。」


「そのかわり、防げる強さも大きく変わります。


『四重』まで行くと、超級魔法までは防げるはずです。」



すごいな、超級をふせげる防御力か。



魔法の威力にも段階がある。


下級、中級、上級、超級、そしてそれと違って古代と固有魔法がある。


古代と固有でも強さがバラバラだが

使い手が限られる超級をふせげるっていうんだから、大した力だ。




「この盾で、あなたたちを守り抜きましょう。


どうかよろしくおねがいします。」






「ところでさ、なんで呼称がさま付けなの?」


「みなさん、尊敬すべき人物なので・・・」



「「「「さまはやめて!!」」」」



「・・・わかりました。でも、シュウさまは別で。」


「なんでおれだけ?」


「なんでもです。」


「う・・・。」





この時のレイには有無を言わせぬ迫力があった。



もう少し引っ張ります。この話は次で終わる予定です。お付き合いください。

では、次の投稿まで・・・。

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