ep,14
今回は少し短め。まあ、言うなら間話です。
それではどうぞ。
「悪いが・・・。
あまり詮索してもらわないと助かる。」
「シュウくん。それはいつか私たちに
話してくれるの?」
「・・・・」
「それはもちろん。
ほんとは色々説明したいんだが・・・・。
今はその時期じゃない。」
「んじゃ、その時期ってのが来たら?」
「すべてを話す。」
あの男、『魅緑』との一件のあと。
ユーマ、マイ、ムイに問い詰められた。
「あの殺気、力はどういうことか?」
その質問に俺は答えることが出来ない。
答えられない理由も話すことが出来ない。
「わかった。
その時期が来るまで待ってやる!
だから、ちゃんとその時は腹くくってもらうからな!!」
「分かった。」
マイとムイも真剣な顔でうなずく。
あの殺気に充てられて、気味悪がられるかと思ったが・・・
杞憂だったみたいだ。
まったく、いい友達をもったもんだ・・・・。
Side:九条 椎名
「ということで。
明日のHRで生徒たちに報告よろしくお願いします。」
と、学年主任の先生がそう言って会議を占める。
内容は来月行われる催しのことだ。
「はぁ、この時期はやっぱ忙しいわね・・・。」
進級直後は色々な雑務が多くなる。
それをこなすのが先生の仕事とはいえ・・・
「やっぱりいやになっちゃう・・・。はぁー・・・。」
目の前には大量の書類。
泣きごとを言っても文句は言われないはずだ。
と、膨大な紙の山にため息をついていると。
「九条先生。今から校長室に来てくれませんか?」
はげた小太りの男が話しかけてくる。
この男は、この学園の教頭。
いつも油でテカテカしているが仕事は出来るお方だ。
「校長室?いったい何で??」
「さぁ、詳しいことは私も・・・・。」
「・・?わかりました。」
と、私は椅子から立ち上がり職員室を後にする。
たくさんの書類を後回しに出来て喜んだかどうかは
また別の話ですけどね♪
「お、来よったか。九条の嬢ちゃん。」
「校長。嬢ちゃんはやめてください。」
相変わらず気味が悪いお人だ。
年は一体どのくらいだろう。
・・・まぁ、100といわれても信じる容貌ですけどね。
「ふん、儂の年なんぞどうでもいい話よ。」
・・・・っ!!
心を読まれた??
すごい・・・さすが魔法学園の校・・・・
「嬢ちゃんは顔に出やすいんじゃよ。
ポーカーフェイスは苦手なようじゃのぉ。」
「う・・・。」
たしかに、トランプが壊滅的に弱いのは秘密だ。
「ふぅ。それで、私に何用でございますか?」
一息ついて、本題を促す。
「まったくせっかちな奴じゃの。
まぁよい。ついては来月のあの催しについてなんじゃが・・・。」
「??」
「ちょっと、頼みがあってのぉ。」
このあと、私が今以上の書類の処理に奔走することになるとは・・・
到底、今の私が知る由もない。
次から新展開です。
今まで、主人公は力を持て余していましたが。
ちょっとその封印を・・・?
どうぞお楽しみに!