ep,13
お久しぶりです。
新しいキーボードを買ったのでこれからはちょくちょく
更新していきます。
果たして、男の正体は?
そして、今回シュウが・・・?
「お前、俺のこと知らねぇのか・・・?」
横取り男(以下男)が俺にめちゃめちゃ不機嫌な顔を
向けてくる。
「お前こそ、なぜ俺がお前のことを知っていると
言い切れる?
しかも、お前みたいな顔で体格の奴は
この世には五万といる。」
「お、おいシュウ・・・」
「それに、そうやって人を見下すような奴は
すごい魔法が使える以前に、
一人の人間として屑だ。
自分の実力を過信しないか?
お前のことを学園のやつら全員が知ってると
思ったら大間違いだぞ?」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
俺の前で、4人が固まってる。
ん?一体どうしたんだ?
「どうかしたか?」
声に出して尋ねる。
「・・・シュウくん?
ちょっと怒ってる?」
マイが恐る恐るといったように聞いてくる。
「なぜだ?」
「だって、シュウくんてあんまり言葉をつなぐ人じゃないよね?
なのに、いやに饒舌だったから・・・」
「いや、そんなにしゃべった覚えはないぞ?
ただ、屑に屑って言っただけだが?」
「また追い打ちかけてるよ・・・」
ムイとマイがあきれたような視線を向けてくる。
「・・・お前、一体何様のつもりだ?」
今まで固まっていた男が口を開く。
「この俺様に向かって、言うにおいて屑だと!?
貴様、身の程というのをしらないのか!??」
「身の程はわきまえてるつもりだが。
ただ、友人を罵倒し。あまつさえ初対面の俺に対しての
見下すような態度。
敬意をもって対応する人物には到底思えん。」
「貴様・・・・」
「あと、俺は貴様という名前ではない。
お前みたいな屑に名乗るのは虫唾が走るが・・・・・
貴様と呼ばれるのはもっと嫌気がする。
俺の名前は、柊だ。」
「ひいらぎ・・・?
ふ、そうか。お前が柊 秋か。」
「?俺のことを知ってるのか?」
「あぁ。かの有名な『落ちこぼれ転校生』だろ?」
「有名?」
男が気になることを言う。
「だって、そうだろ?
この時期に転校してくるってだけでも話題性があるのに。
それなのに中身は『落ちこぼれ』ときた。
・・・あぁ、なるほどな。
貴様が吉柳といるのに納得がいった。
『類は友を呼ぶ』というしな。
そして妃姉妹は代表としておもりってことか・・・。」
「それで?相手のことは知っていおいて。
自分からは名乗ろうともしない礼儀知らずの屑は
なんで俺たちに突っかかる?」
「ふ、無知ゆえの無謀とは怖いものだな。
いいだろう、名乗ってやる。」
「俺様は、『八名家』が一つ。緑を司りし『魅緑』の家の次期当主。
魅緑 毅だ!」
へぇ・・・・。あの『八名家』のおぼっちゃんね。
まさかこんなに早くコンタクトがとれるとは・・・。
「はっはっは!驚いたか!?
さて、話は戻るが・・・。」
と、いやににやついた顔を俺たちに向けてくる。
「優秀な武器は俺様のような優秀な奴にふさわしい。
だからこそ、お前らはこれを譲らなければならない!」
男は、『制魔の指輪』を指さしながら叫んでいる。
「なるほど。お前の言い分はわかった。」
「ふん。やっと俺様の偉大さに気づいたか・・・。」
「あぁ、お前がいかにど阿呆かってことにな。」
「ど・・・っ!
貴様、いいかげんに・・・」
「いい加減にするのはてめぇだ、屑。」
口調が変わったのに驚いたのか。
ユーマもマイもムイも驚いた顔をしている。
「お前の功績でもねぇのに威張り腐りやがって。
『魅緑家』が偉いのは、お前らの親たちのおかげだろ。
そんな簡単なことにも気づかねぇなんて。
お前、本物のゴミ屑だな。」
「き、貴様・・・っ!」
「あと、お前さっきから「貴様!」しか言ってねぇよな。
ボキャブラリー少なすぎ。
性格も悪けりゃ、頭も悪いのか?」
「くっ・・・!」
「お、おいシュウ!」
と、ここでユーマが間に入る。
「お前、なんでそんなに怒ってんだよ!?
めんどうごとはなるべく避けようぜ。
あいつがまた絡んできたらお前だって・・・」
「なんだ、ユーマ。
心配してくれるのか?」
「そうに決まってるだろ!
確かに『落ちこぼれ』なんて言われて悔しいけど・・・。
実際それは事実だ・・・。
今回は俺が折れればいいだけだ。
お前に、シュウに迷惑はかけたくない。」
ユーマは俺にまっすぐな目を向けている。
その目の中の炎は・・・死んでいない。
「俺は、今はまだまだダメだけど。
もっともっと修行してあいつを見返せるようになればいんだ。」
ユーマは自分の決意を俺に語る。
雰囲気からその決意の固さがよくわかる。
「ほら、この指輪。お前に譲るよ。
だから、早く帰ってくれ・・・。」
ユーマは指輪の前から身を引く。
「ふ!それでいいのだ愚図め。
俺様の貴重な時間を無駄にしやがって・・・。
これだから、『落ちこぼれ』は嫌なんだ。
『落ちこぼれ』はせいぜい無駄な努力でもしてるんだな。」
「それと、先ほどの話聞こえていたが・・・。
お前には俺を超えるのは到底無理な話だ。
この先何年かかろうと、お前は「落ちこぼれ」のままだ。」
ユーマは悔しさからか下を向いている。
「愚図は一生愚図だ。
・・・思うんだが、『落ちこぼれ』は学園にいる意味なんて
ないんじゃないか?
さっさとやめたほうが賢明だと思うぞ?
はっはっは!」
と、男は高笑いしながらこの場を去ろうとする。
・・・・一時は面倒事には首を突っ込まない予定
だったんだが。
ここまでなってしまうと。
「悪い、ユーマ。
お前の心遣いを無駄にする。」
「は・・??」
ユーマが驚いたように俺を見て・・・・。
「・・・・っ!」
すぐに息をのむ。
「「・・・・!!!」」
マイとムイも目を見開いている。
「おい、屑。」
「あ?まだなんかあるの・・・・っ!?」
男も目を見開く。
「お前、俺の友達傷つけておいて・・・・
ただで帰れると思うなよ?」
Side:勇真
「悪い、ユーマ。
お前の心遣いを無駄にする。」
あいつ、魅緑に言いたい放題いわれて。
悔しくてうつむいていた俺にシュウが声をかける。
「は・・・?」
言葉の意味が分からず、シュウの顔を見る。
「・・・・っ!」
その瞬間、体から冷や汗が止まらなくなる。
シュウの雰囲気が激変したためだ。
いつもは温厚なシュウだが・・。
今は、放たれているプレッシャーが半端じゃない。
マイとムイも、そして魅緑でさえも驚きに目を見開いている。
「お前、俺の友達を傷つけておいて・・・
ただで帰れると思うなよ?」
そういうと、シュウの左手が光りだす。
そのまぶしさの中現れたのは、
一つの指輪。
よくはわからないが、シュウは今までこの指輪を
しているのを隠していたらしい。
「俺は、お前みたいな屑が嫌いなんだよ。」
「な、ななんだよ・・・?」
魅緑もあまりのシュウの変貌ぶりに若干おびえている。
「人を見下し、バカにし、自分の立場すらわかってない。
お前はもう少し世界を知れ。」
そういうと、シュウは男に向けて放つ。
高密度の殺気を。
その殺気は、戦場に出たことない俺でさえも。
シュウに視線を向けられていない俺でさえも。
容易にイメージできた。
あっという間に死んでしまう自分を。
「・・・・・!!!!!!!」
魅緑のやつはその殺気に充てられてビビりまくっている。
「今後、俺たちに関わるな。」
それだけ言うとシュウは殺気を収めた。
とたんに空気が終息し、いつもの雰囲気が
いかに平和なのかを実感した。
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃっ!」
魅緑は鳴き声を上げながら、店から出ていった。
あんな高密度の殺気を真正面から受けたんだ。
あれだけ狂っても仕方がない。
・・・いつのまにかシュウの左手は元に戻っていた。
シュウ、一体お前は・・・?
どうだったでしょうか?
毅くんは何かシュウくんの逆鱗に触れたようです。
そこらへんも追々掘り下げていきますので・・・