ep.9
少し長くなりそうなので、この話は二分割します。
すこし短いかもですが、きりがいいので・・・・
続きは今日中にUPするので。
では、どーぞ。
キンコンカンコーン・・・
『2-1、柊くん。至急校長室に来てください。
繰り返します。2-1・・・・』
「おい、シュウ。呼ばれてるぞ?」
「ん。少し行ってくるわ。」
「何かあったの??」
「いや、こっちにきてからまだ校長に挨拶してなかったからな。その催促だろう。」
「ん?ふつう一生徒にそこまで催促するか?」
「いや、ここの校長とうちの保護者が知り合いでな。
転校の際に便宜を図ってもらったんだ。」
「へぇ、そうなのか。ま、はやくいけよ。」
「おう、行ってくる。」
Side:舞衣
「へぇ、そうなのか。ま、はやくいけよ。」
「おう、行ってくる。」
と、ユーマとの話を終えて、シュウくんが校長室へと向かった。
「どうかしたのか?マイ。」
「・・・ユーマ、気づいてる?」
「・・・俺らには関係ないだろ。あいつはあいつだ。」
「でも、この学校の校長と知り合いって・・・」
そう、この学校、魔法学校の校長といえばこの魔法界では最高に近い権力を持っている。
いうならば、あの『八名家』と並ぶほどの。
その権力者とパイプを持つには、その人物もそれ相応の立場にいないといけない。
「だったら、シュウくんてほんとは・・・」
「マイ!」
「!!」
「あいつの正体が何であろうと、俺たちのダチには変わりない。」
「・・・で、でも」
「お前もそうだろ?
あいつは、お前の家柄に気づいていながら
なにも突っ込まなかっただろ?」
そう。
初めてだった。
あんな風に、私を家柄で見ない人は。
私を「妃」の人間でなく、一人の「舞衣」とみてくれた人は。
あの時も。
私の「魔力の質」が優れているって知った時も。
私のランクが1位って知った時も。
あの人は、彼はただ一言。
「すげぇな!」
と言って褒めてくれた。
周りのみんなは、私を「妃」という名家を通してみる。
魔力の「質」がいいのも「妃」だから。
ランクが1位なのも「妃」だから。
そうやって私の「ほんと」を見てくれない。
なのに彼は、
私の「努力」を認めてくれた。
私の「ほんと」を見てくれた。
あんなに純粋に褒めてくれたのは初めてだった。
そのことで、私は、彼ともっと仲良くなりたいって思った。
・・・きっとユーマも同じことを思ってるんじゃないかな。
ユーマも実は訳アリ、、だから。
「あいつはちゃんとお前のことを見てる。
たぶん、俺のことも気づいてるだろうな。雰囲気でわかる。
なのにあいつは俺らのことを避けたりしない。」
ユーマは、私に語り続ける。
ユーマの言葉に私はうなずきくことしかできない。
「あいつがだれであろうと、だれと関係していようと、俺はあいつのダチであり続ける。
実際、短い間だったがあいつといると楽しいし、普通に接してもらうのがうれしかったしな。
お前もそうだろ?」
「・・・うん。」
「だったら、あいつが自分から話してくれるまでまとう。
きっと、あいつも・・・・訳アリ、なのさ。」
「・・・うん。そうだね。」
ユーマの言うとおりだ。
彼がどんなことに関わっていようと、私たちはいつだって仲良し。
態度を変えるなんてありえない。
だよね?シュウくん・・・。
マイもユーマもシュウも、みんな訳アリです。
でも、それ以上に彼らの友情は深いものです。
次は、シュウ君サイドです。