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ep.0

頑張っていきます。よろしくです。


『ここで緊急ニュースです。本日17時46分ごろ、関東地方で巨大な「魔力だまり」が観測されました。

今回の「魔力だまり」は観測史上最大の大きさで、すでに一部の地域では被害が確認されています。

「魔法協会」は、この被害に際し二次災害の防止のため近隣一帯に避難勧告を発令しました。


また、被害にあった東京都の✕✕市にある中学校で、校舎が倒壊しその中に逃げ遅れた生徒が複数人取り残されているようです。「協会」は決死の救助作業を行っていますが、「魔力だまり」周辺で生じる「乱れ」により思うように活動が進まず、難航を極めています。」









「なんで、---が消えなくちゃいけないの!?」


「そうだよ!!おい、---、やめろって!」




ごめん。みんなが助かる道はこれしかないから。



「そうだとしても・・・!」


「お前が消えていい理由にはならねぇだろうがっ!」



みんなにはこれからもしっかり生きてほしいから。

しかも、この魔法を使えるのは俺だけだろ?



「私も手伝う!!それだったらーーーの負担も少なくなって・・・」


「そうだっ!俺の魔力も使えば・・・!!」



それは無理だ。これは、この魔法は、俺の生命力を糧としてるから。

俺以外の魔力は受けつけないんだ。



「だったら、助けを待ちましょう??もう少しで救助がくるでしょ??」


「おそらく間に合わないだろうな・・・。」


「なんでよ!??」


「こんな強い「乱れ」のなかじゃまともに魔法なんか使えねぇ・・・。

俺たち全員の魔力を使っても支えているこの状況がやっとだ。」


「これ以上「乱れ」が強くなるともういよいよ危ない。

もう少しすれば、また崩落が始まってしまう・・・。」


「そ、そんな・・・。」





・・・そろそろ時間だ。この起動式を展開させよう。




「おい、待てよ!

お前、自己犠牲でもしてかっこつけてるつもりか!!」




・・・



「俺らはそんなんで助けてもらってもうれしくもねぇ!

お前への恩と後悔を背負い続けろっていうのか!?

ふざけんじゃねぇよっ!」



・・・



「そんな重荷を背負って、生きていくなら。

今ここで死んだほうがマシだ。」



・・・冷たいな。せっかく俺が命を懸けてお前らを守ろうってのに。



「だから!!その態度が気に食わねぇんだよ!!」




・・・・・



「・・・んで!なんで今から死のうってやつがそんな冷静なんだよっ!

それを発動したらお前は!死ぬんだろう!?消えるんだろう!?

なのに・・・お前は怖くねぇのかよ!!死にたくねぇとか思わねぇのかよっ!!」




・・・・そりゃ俺だって死にたくないさ。




「だったら・・・!!」




・・・このままだと全員が死ぬ。

でも、俺一人の命で・・・、俺みたいな異端者とも仲良くしてくれたお前らの命が救えるなら。




「おいおい!やばい!崩壊がまた始まった!!」


「くっそ!「乱れ」が強すぎる!」




・・・俺は。





「そんな!まって!まだ・・・・!!」







・・・喜んでこの命をささげよう。





ガラガラガラ



「・・!やべぇ!!本格的に崩れてきやがった!!」




・・・それじゃ、みんなを外に送る。


今までありがとう、たのしかったよ・・・っていうべきなのかな?



「まって!!ねぇ、まってよ!!!」


「そうだ、---もたすかる道がっ!」


「・・・・っ!魔方陣が光り始めた!」


「!なんだこの魔方陣!!」


「こんな模様、見たことない・・・。」




もっと、みんなと勉強して遊びたかったな。


大会にも出たかったし、旅行にも行きたかった。




「だったら!」




それでも、俺はお前らに生きてほしいから。


きっと、俺がこの魔法を知れたのも、運命だったのかもしれないな。





「そんなっ!こんな運命なんてっ!!」


「!!お前、足が!」


「そっちも消えてる!」


「・・・・転送が始まったんだ。」




お別れだ。



「おい、待てよ!!---!」


「---!」



今まで・・・ありが・・・う。


また・・・会えたら・・・・・・。








「術式・神代かみよ『天送』」








「術式・神代かみよ


術者の全生命力を糧とし、その名の通り「神の所業」を引き起こすことが出来る。





こうして、一人の青年の生命が、存在が。


この世から消え。


色付いていた世界は、灰色を通り越し。


まさしく「無」へと流れていった。






・・・そして物語は動き出す。

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