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第よん章‐衝動

全然変わってない、な。

電車と車で、感覚の違いはあるだろうけど、どこか人を落ち着かせる雰囲気は以前来た時のままだ。

舗装された登山道に乗り入れ、車で途中まで走る。

パシパシとフロントに当たる虫を気にしながら、途中の駐車場に車を置く。

「――よし」


後は、昔と同じだな……。

邪魔な木を切り、無心で歩く。

ほんの数分で小屋が見え、ほう、と息をつく。

ナタを放り捨て、ポケットの中のナイフを確認する。

――もし、死が免れないなどと言ったら、これを使ってでも……!

奥歯を噛み締め、小屋のドアを開ける。

「ようこそ」


「シロウ……」


座布団の用意をして、落ち着いた様子で座っているシロウに、老いは感じなかった。

十年以上たっているというのに、未だ若者の顔つきをしている。

 ――ありえねぇ。

改めて、こいつは化け物なのだ、と認識する。

「ふふ、僕が化け物?」


考えていることもわかるのかよ……!

「だから僕はすべてを識っているんだって。きみもいい歳だ。昔僕の言った意味もわかるだろう?」


「……すべての原子のベクトルを把握する、だったか?人間には、いや、そんなことは誰にもできない!」

そう、たとえ科学がどれだけ発達しようとも、未来を知ることなんて出来やしない。

「まあ、多少は勉強したようだけど、ね。――それでも、僕は識っているんだよ」


だ、ダメだ。

圧倒される。そこらの子供みたいな顔で、なんなんだ、このプレッシャーは?

「じゃ、じゃあやはり俺は、今年、いや、今日死ぬのか?」


ふっ、と小さく笑うシロウ。

「そうだねぇ。後一時間。……午後四時ってところかな?」


「ど、どうしてもか?!」


「ま、しかたないね」


ああ、ちきしょう。そうかい。やっぱりダメなのか。

「――で、どうだった?」


にやにやと笑いながら、シロウは、

「自分の寿命を知った人生は?」


なんだって?

「どういう……」

「辛かったか?苦しかったか?あきらめたか?結婚した時どう思った?子供が出来たとしった時どう思った?

 聞かせろよ。こんなところに閉じこもっていると退屈なんだよ」


こ、こいつは……!

「識ってるっていっても、やっぱり生で聞くとちょっとは楽しめるからよー」


ぎしり、ナイフを握り締める。

「……しね」


 小さく呟いた俺の言葉に、ん?と顔を寄せるシロウ。

 その喉に、鞘から抜いたナイフを、突き入れる。

 柄が肉に触れる感触に、恐る恐る顔を上げ。

 にこり、と爽やかに笑いシロウと目が合う。

 ああ、やはりおまえは化け物だ。喉突いたんだぞ?

 ――まぁ、いいや。

シロウが予測出来ない行動をとれば、とも考えたんだけど、な。所詮は、手のひらの内かよ。

目を閉じる。シロウは、自分に殺意を向けた相手を許しはしないだろう。

――やるだけやった。殺せ。


……数十秒程、無言の時が流れた。

いい加減飽きて目を開けると、そこには床に倒れているシロウの姿があった。

「あれ?、え?」


えっと、何で倒れてるんだ?つーか血塗れだ。

そこまで考えて我に帰る。俺がナイフで刺したからじゃん。

 あわてて抱き起こし、

「お、おい!何で避けなかったんだ!?」


ひうひうと、血をたらしながら、

「……じきに、わかる。つぎ、の……」


「次の?」


「……」


焦点がぼやけ、シロウの体から力が抜ける。

俺が、殺した?

人を。

「う、あ?」


眠い…いや眠っている場合じゃない。死体を、なんとかしない、と。

――がくり、と膝の力が抜けるのがわかり、俺はそのまま気を失った。

携帯で書いていたら電源ボタンを押してしまい半分消滅してしまいました。こんかいはここまでで。次で終わらせマス。

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