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ループ118回目、彼女は必ず死ぬ

作者: 渚栞
掲載日:2026/04/30

・・・・ピピピッピピピッピピピッピピピッ


朝からうるさいなぁ。


愛杜あいとは目覚まし時計で起きた・・・。ようだった。


ふと気づく。


「っつ、またここに戻ってきたか・・・。」


ループ118回目の始まりである。


ふと愛杜あいとは思った。


結衣ゆいは・・・今日もかわいいんだろうなぁ・・・。


結衣ゆいは高校3年生の受験後、必ず死ぬ。


愛杜あいとも飽き飽きしてきてはいる。


だって118回目だ。


しかも、「結衣ゆいは、必ず死ぬんだもんなぁ。」


助けられない自分が嫌になる。


今日「も」、学校はある。


始業式の日だ。


ちなみに、この時点での愛杜あいと結衣ゆいの接点はない。


が、それでも、愛杜あいと結衣ゆいは「初めてできた、唯一の恋人同士」なのである。


愛杜あいとは学校に行く。毎回同じルートである。


新入生代表挨拶のあと、裏庭で、愛杜あいと結衣ゆいに告った。


いきなりである。ただし、OKを貰えることは「分かっていた」。


告白を受けた結衣ゆいはシドロモドロになる。


愛杜あいとにとって見知った番号になる携帯の電話番号とLINEを交換し、一緒に下校した。


ただ、ここまでは117回目までのループと変わりない。


愛杜あいと君って、他の男子とは違って、落ち着いてるよね。でも、ちょっといつもドキっとするほど冷たい目をする時があるんだ。ちょっと怖くて。」


そして、問題というか、愛杜あいとにとって、異物があった。


転入生と言ったらいいのだろうか?


今までのループに介在してこなかった男が学校の中にいる。


飯山一翔いいやまかずと」。こいつが異物だ。


最初は様子を見るしかない。


愛杜あいとは暗い。諦めに近い。


段々と結衣ゆいが心を開いていく。


愛杜あいと!ベークーズバーガーに新作できたらしいから食べにいこうよ!」


それ以上に、愛杜あいと結衣ゆいのことを知っていた。


会話のクセや吐息。触れた時の感触。


15歳の時に起きた廊下でぶつかったあの感触とリアル

16歳の時の、「初めて」手を繋いだ帰り道。温度感が毎回違っている

17歳の時に見せてくれた、笑い方がループ毎に微妙に変化してるという事実

18歳の時に思った、「結衣ゆい結衣ゆいになっていくのを毎回見ているその感激」


大学受験が終わったある日のことだった。


愛杜あいとはピンときた。


近くの公園まで全力で走った。走る速度は陸上部並みだったと思う。


飯山一翔いいやまかずとがグショグショに泣きながら咆哮ほうこうを上げている。


倒れてるのは結衣ゆい


飯山一翔の右手にはナイフが握られていた。


「幸い」レイプの痕はない。


結衣ゆいは絶命している。


愛杜あいとは携帯で110番まで電話した。


愛杜あいとは醒めている。


「またか。」


今回の異物はやはり「飯山一翔いいやまかずと」だったのか。


警察への説明が終わったのち、愛杜あいとける。


神は俺の邪魔をし続け、俺はループで神と戦っている。


歩道の上に、まだ間に合うだろう。


愛杜あいとは歩道橋の上から飛び降りる。


119回目のループは・・・。


結衣ゆいがいない世界だった」

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