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第03話【森の主! 皮の鎧で 牙を取れ!】

地図を見て、

山の方へと

行く2人。

森を通って

まっすぐ進む。


森中もりじゅう

獣と虫の

鳴き声が

聞こえる度に、

鳥が飛び立つ。


@【この森を

抜ける気なのか?

ここにはな、

ぬしと呼ばれる

獣がいるぜ?】


@【噂でしょ?

もしかしてシン

ビビってる?

鎧着てても

怖いんだねー】


@【上等だ。

アイチお前は

エサになれ!

ぬしを呼び出し

倒してやるぜ!】


@【やっやめて!

ツタで巻いたら

痕つくよ!?

シンごめんって!

縛らないでー!】


縛られた

アイチの声が

森中もりじゅう

響き渡って、

草木を揺らす。


声を聞き、

デカい獣が

音もなく

2人の元へ

近づいていく。


@【こりゃダメだ。

声がデカいし

騒がしい。

森のぬしでも

近寄らねえな】


@【噂だし。

いる訳がって

シン後ろ!

そいつが森の

ぬしなんじゃない!?】


@【うお何だ!?

俺の体が

浮いていく!

まさか鎧を

咥えてるのか!?】


背後から

シンの鎧に

牙を刺し、

シンごと宙に

浮かせる獣。


虎である!

ゾウよりデカい

図体の

虎が2人に

目を付けたのだ!


@【大丈夫。

私ネコだし

生きられる。

あの虎だって

わかってくれる】


@【都合よく

現実逃避

しやがって!

たかが獣だ!

今食ってやる!】


牙を持ち、

その先端を

シンは噛む。

歯にプレスされ

牙は砕けた!


牙が割れ

虎は痛みで

暴れ出す。

巨大な足が

アイチを襲う!


@【うわあバカ!

そっちに行くな!

曲がれこの!】


シンは手に

鎧の端を

握り締め、

砕けた牙で

鎧を刺した!


交じり合う

皮の鎧と

虎の牙。

シンは一気に

鎧を引いた!


根元から

取り除かれる

虎の牙。

虎の動きが

急変化する!


@【げっまずい!

スリップ事故だ!

俺はもう

避難できねえ!

うわあああああ!】


牙が抜け

痛みで転ぶ

森のぬし

アイチの前に

虎が倒れる。


シンの身は

虎の内部へ

落ちていく。

揺れた弾みで

シンは食われた!


@【あれ私、

生き残ったの?

でもシンが

さっきあいつに

食べられちゃった】


アイチから

涙が流れ

落ちていく。

待ってもシンは

戻ってこない。


@【やだよシン。

君がいないと

私はさ、

胸が辛いよ。

戻ってきてよ】


数歩だけ

勇気を出して

歩み寄る。

しかしアイチは

躓きコケた。


今もなお、

アイチはツタで

縛られて、

歩くだけでも

苦労していた。


だがシンを

恨むことなど

まるでなく、

アイチはシンの

無事を祈った。


祈りから

数十秒が

経った頃、

虎のお腹が

動き始めた!


@【これは何?

一体何が

始まるの?】


目の前で

起こる異変に

恐怖して、

アイチは顔を

真っ青にする。


虎の胃と

血肉と皮を

引き裂いて、

ジョッキを持った

シンが出てきた!


@【おー外だ!

居心地悪い

腹だった!

だが飲み物は

取り放題だ!】


木製の

板を繋いで

組み立てた

自作ジョッキを

シンが掲げる。


ジョッキから

虎の胃液が

溢れ出る。

シンは一口

胃液を飲んだ!


@【見ろアイチ!

取れたばかりの

ジュースだぜ!

痺れるような

炭酸レモン!】


@【シンだシン!

よかったシンは

無事なんだ!

胃液飲むのは

シンくらいだよ!】


@【胃液だと!?

だからジュースの

味なのか。

野菜もあるぜ。

潰れたトマト】


@【お肉じゃん。

虎の内臓

だと思う】


@【ならこれは、

トマトジュースじゃ

ねえのかよ!?

まあいい飲めば

どれも同じだ!】


ポケットの

虎の生血を

手に掬い、

シンは一気に

それを飲み干す!


木製の

ジョッキを口に

寄せていき、

虎の胃液も

一気飲みする!


楽しげに

シンが胃液を

飲む横で、

アイチは顔を

しかめて言った。


@【ちょっとシン。

早くこのツタ

緩めてよ。

それ飲むシーン

見てて辛いよ】


@【そりゃ悪い。

縛ったことを

忘れてた!

お詫びに後で

ジュースをやるよ!】


@【要らないよ。

凄い臭いが

してるもん。

あんまり傍に

寄っちゃダメだよ】


@【いつもなら

お前の方が

ネコ臭い!

これを機にして

改めやがれ!】


@【でもホント、

シンが生きてて

よかったよ】


@【お前こそ。

虎に踏まれて

死ぬよりは、

ネコ臭いまま

いる方マシさ】


@【ふふっシン。

森を抜けたら

2人でさ、

お風呂入ろう?

臭いを消そう!】


@【おーいいね!

ネコが逃げ出す

熱湯で

俺ひとりだけ

湯に浸かるかな!】


@【意地悪な!

もうシンなんか

知らないよ】


森の中、

巨大な虎に

襲われて、

何とか難を

逃れた2人。


この森の

ぬしと呼ばれる

大ボスを

倒したことは

事実であった。


この旅で

更なる敵と

逢おうとも。


この先で

苦難が道を

塞いでも。


2人なら

それらを越えて

行くだろう。

魔王城まで

挫けず進め!




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公式企画「俳人・歌人になろう!2023」参加作品です。


▼小説家になろう 公式企画サイト

https://syosetu.com/event/haikutanka2023/

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