第8節 樹の根の正体を探る オオトリは正体を失う
「それでは、ここにクニを築いてこの地の力を得て、天に帰りたいとおっしゃるのですね。」
「うむ。我は生まれてこの方、母神に会ったことがない。一目でよいから母神の顔を拝みたいのじゃ。」
ミズチの言葉を聞いた侍女神は、それはもっともなことと頷く。
「じゃがな、どうしても分からぬことがある。」
ミズチはそう言うと「これじゃ。」と光る根を指し示す。
「あら、これは……。樹……の根、でしょうか?」
「うむ。我にもこれが何の樹か分からぬが、何か途方もない力を秘めているように感じるのじゃ。この力を得ることができればあるいは天に昇れるのではないかとも思う。じゃが、この樹が善き力を持つものであれば良いが、悪しき力を持つものであったらこれは天に昇るどころではない。」
禍々しき力を以って天に昇ったところで、母神に会う事はおろか神々総出で討伐されかねない。
「それでしたらわたくしはお役に立てるかもしれません。」
「なに、そなたにはこれが何かわかるのか。」
「はい。樹のことでしたらお任せくださいな。」
侍女神はそう言うと光る木の根に触れて目を閉じた。
酩酊したオオトリは自身でもそれと気づかぬうちに白状した。
友神は酔眠するオオトリを残し、直ちにこの捨て置くことのできぬ情報を持ち帰ると神々と協議を開始した。
太陽神の宝物の毀損について事実と異なる証言をしたことで、侍女神の誤殺という証言も胡乱なものとなる。
これではいかに御子神という事実をもってしてもその罪を贖えるものではなく、爪と羽根を切ったうえ天界追放との結論に至った。




