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俺女子高生に興味ないから、君達とは結婚できません!!  作者: 心乃助(Initium・Godpiece)
第二部『愛』
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第94話『負けたいのだが』

 この作品、初期と比べるとお色気シーンが激減した気がする。この大会編が終わってから、やろう。

「!?」


 アヤナが会場の舞台の上に上がった途端に異変を感じた。


 地下に侵入した警察官の無線を盗聴していたのだが、急に激しい銃撃音と破裂音の後に何も聞こえなくなった。


(地下で何かあった? 火盧理さんに遭遇して返り討ちにでもあったですか? いや、仮に遭遇しても天ヶ屋さんと健悟郎さんなら真っ先に説得するはず、なのに銃撃音がしたと言うことは、先に仕掛けたのは火盧理さんで、警察の皆さんは仕方なく反撃した……火盧理さんが警察を殺害するなんて想像できないですが、それに先程の人物が気になりますし……あーもう! 何が起こってるですか!)


 人間と言う生き物は、大抵何かをやった後から後悔の念を高確率で抱く生き物だ。


 天ヶ屋が編成した部隊を過信しすぎたか? 健悟郎も居るし、火盧理に遭遇しても大丈夫だったのでは?


 勝手にそんな事を考えていたが、かと言って自分が同行したとしても、火盧理に勝てる可能性が低すぎる。


 だから火盧理は警察に任せて、自分は火盧理を裏で操ってるであろう人物を探す為に大会に出場したのだが、それが悪手となったか。


 アヤナが目を付けた人物がヤソカである可能性は断言できない。


 何故なら証拠や確証がない。


 会場のステージと言う高台なら、観客全員を見ることができるから参戦したわけだが、今は何が起こってるのか状況を把握したい。


 なのでアヤナは対戦相手の秋歌に提案を持ち掛けた。


「秋歌〜お願いがあるのデースが〜」


「いつにも、まして、気持ち悪い、笑顔、だな、もう、すぐ、試合が始まる、ぞ?」


「え、えへへ、実は用事ができましてぇ、この試合負けたいので、秋歌が勝ってくれないデースか?」


「や、だ」


 即答であった。


「な、なんでデスー!? 説明してる暇はないデースが、今は緊急事態で……」


「ワタシ、に、勝ったら、教えて、やる、よ」


「それはどういう意味デス?」


「……」


 秋歌の心意がさっぱり分からない。勝ちを譲ると言っているのに、何故わざわざアヤナと勝負して勝つ方を選ぶのか。


(秋歌は何か隠してる? ……ここは素直に勝負した方が良さそうデースね。わざと負けて自由になってから行動した方が良さそうデース。そうしないと怪しまれそうですからね。この会場に潜んでるヤソカに)


 ヤソカへの警戒をしながら、アヤナは秋歌と勝負することになった。


 一試合、二試合と同じで今回も競技は抽選で決められるのだが、よくよく考えたら今日全校生徒教職員から競技が書かれた紙を集めて、しかもその競技に合わせた会場のセッティングが即座に可能な事を考えると、この大会の裏でどれだけ無駄にして莫大な金が動いてるのか想像できてしまう。


 考えただけで金銭感覚が狂いそうだ。


 そして解説のゴッドマンが抽選箱に手を突っ込む。


「一回戦三試合目の競技は『カラオケ』でごわす」


「カラオケですか? 急にシンプルにして誰もが知る普通の競技になりましたね」


 実況のルーガが驚いていると、黒服の男がゴッドマンに近付いて耳元で囁いた後にゴッドマンは競技のルールに付け足しをした。


「……えー、たった今主催者側からの要望により、今回の競技は厳しいルールとするでごわす。題して『ピッタリ65点カラオケ』でごわす。ルールは簡単、カラオケでピッタリ65点の点数を叩き出してもらうでごわす。なお、今回に限り選手両名がもしも65点以下、もしくは65点以上になった場合、両名脱落とするでごわす」


 会場から「えー?」みたいな声が聞こえる。ピッタリ65点なんて不可能だ。


 そもそもカラオケの採点なんて自分でコントロールできるものではない。


 歌うことが本業の秋歌でさえ、65点ピッタリなんて無理だ。


(マズイ、負ける自信はありますが、これじゃ秋歌も負けてしまう可能性も高い、秋歌の心意を知るには勝たなきゃいけない。いや、そこはどうでも良いかもしれないデース。重要なのは、なんでこんな理不尽な内容にしたのかデース。主催者って美娃ですよね? 何を考えてるのですか? 美娃はこの大会が茶番な事ぐらい知ってるはずなのに)


 訳も分からないまま、会場のセッティングが着々と進められていく。


 そのまま二人はマイクを握った。


 秋歌は本気だった。本当に65点を出すつもりだ。


 しかし、一番手で歌った秋歌の採点は98点であった。


 続いてアヤナが歌った。まぁ適当に歌えばいいかと歌ってみた。


 我ながら普通な歌声だなと思う。秋歌と比べたらそりゃそうだ。秋歌はプロなのだから、どう足掻いても高得点を出してしまうのは仕方がない。


 そして歌い終わった後のアヤナの採点は……。


 65点。


「はい?」


 メッチャ適当に、何も考えずに歌ったのにピッタリ65点が出てしまった。


 これに対してアヤナは抗議した。


「有り得ないデース! ワタシ今めちゃくちゃ適当に歌ったのになんでピッタリ65点なのですか!? どんな音痴でもカラオケの採点では50点以下にはならない設定になってるはずデース! そこは50点代になるのではないデースか!?」


「勝ったはずのアヤナ選手から抗議がありましたが、その抗議は却下するでごわす。主催者に確認したところ、今回の機械による採点は公平なものと判断されましたでごわす。よって三試合目の勝者はアヤナ選手でごわす」


「納得いかないデース!!」


 アヤナが喚き散らしていると、秋歌がアヤナの肩に手を置いた。


「やる、な、これでも、本気、だった、んだが、それが、空回り、してしまった、よう、だ」


「秋歌はこんな結果で良いですか? どう考えても主催者である美娃が細工したとしか思えないデース」


「良いんだ、それより、話して、やるよ、なんで、お前に、勝負を、持ち掛けた、か、単刀直入に言う、運命を、変えたかった、から、だ」


「運命?」


○ ⚫️ ○ ○ ○ ○ ○


「どう言う事ですの?」


 美娃はスマホ越しに怒りを(あらわ)にしていた。


「普通のカラオケ対決すれば良かったのに、どうして急なルール変更をしましたの? ()()()


『美娃たん、悪いが話す気はないな。それにこの大会の主催者を父さんに任せたのは美娃たん本人じゃないか。ならば父さんがどんな事をしようが美娃たんには関係ないだろ?』


「……怪しいと思ってましたわ。一試合目の『拳銃野球』あれは傭兵の霧神君に有利な試合でした。そして二試合目の『デストロイヤークッキング』アレは料理が得意な真奈にとって不利でした。そして三試合目の『ピッタリ65点カラオケ』あんなの歌手の秋歌に不利な試合じゃないですか、まるでそれぞれの選手の能力を把握した上で、それに合った試合を用意してるとしか思えないですわ。抽選箱にも細工してますわね? 解説のゴッドマンも怪しいですし、お父様、何を考えてますの?」


『ハハハハハハ! そんなの美娃たんが考えても答えは出ないよ! それより次は美娃たんの出番じゃないか、安心して、美娃たんなら勝てるよ』


 その言葉に確信した。美娃の父親は何かを企んでいると。


「お父様、後でビンタ百連発ですわよ」


 スマホの通話を切って、美娃はステージの上に上がった。

 どうでもいい話ですが、なんか僕がメチャクチャ低い声で喋ったら「威厳ありすぎワロタw」「完全に悪の親玉ですわw」と、お褒めの言葉(?)を貰いました。

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