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俺女子高生に興味ないから、君達とは結婚できません!!  作者: 心乃助(Initium・Godpiece)
第二部『愛』
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第90話『ミラクルスイング』

 今めちゃくちゃ書きてぇ小説あるんすけど、もうちょっと練ってから投稿しますー(いつになるかは分からん)

 知ってるよ。


 お前のこと。


 荒捜(あらさがし) 月名子(るなこ)


 桜友海(さくらうみ)学園3年生、17歳。


 当時15歳にして短距離走世界記録一位を5秒差で追い抜いた天才児。


 この記録は本人の要望で非公式と言うことになっているので彼女は世界記録保持者として認められていない。


 彼女の専門は短距離走だが、それ以外の陸上競技十種目全てを塗り替えた異常な身体能力を見せる。


 そう異常なのだ。


 月名子本人も自覚している。こんなの努力がどうこうの問題ではない。意図的に誰かに何かをされたとしか思えない。


 現に彼女が12歳までの身体能力は平均以下だったそうだ。


 つまり元は運動音痴だったのに15歳で飛躍的に身体機能が向上したのはおかしい。


 だから調べた。


 月名子本人も自覚していないらしいが、月名子は火盧理の人体実験の被験者の中でもトップクラスに分類されるそうだ。


 たしか、レベルは五段階あって月名子は数少ないレベル4の一人のようだ。


 ……く、くく、はは。


 そんな改造人間相手に正々堂々と戦って勝てるわけねーだろ。


 だから初めてお前にナイフを向けた時も不意打ちだったし、2回目は恐怖をコントロールして動けなくした。


 今回の茶番とも言える拳銃野球においてもそうだ。


 開始から0.5秒以内じゃないとオレに勝機はなかったし、2回目の発砲も連続して打たないとお前からストライクを奪えなかった。


 そして最後の3回目。


 もう後が無くなったお前の緊張感がMAXに達している。つまり本気になった月名子相手に正攻法で勝てるわけがない。

 

 だから三発目には空砲を仕込んだ。今握ってるエアガンがリボルバー式拳銃だったから可能な芸当だ。


 そして三発目に放った空砲。


 予想通りお前は目だけでなく音にも反応した。


 オレの予想通り体が反射的にバットをフルスイングして空振りしやがった。


 月名子の小さな体がバットの遠心力で持ってかれて体勢を大きく崩していた。


 誰がどう見ても反撃は不可能だ。


 そこでオレはトドメの正真正銘の三発目を撃った。


 パンッ!


 渇いた音が響き渡る。残念だったな、お前とオレとじゃ場数の差が違うんだよ。


 


 勝利を確信した霧神であったが、霧神の目にあり得ない光景が飛び込んで来た。


「うお、お、おおおおお!!」


 嘘だろ、と思った。


 フルスイングしたバットの遠心力とスピードを止めず、その場で月名子は一回転して、最初のフルスイングの倍はある豪快な2回目のフルスイングを繰り出した。


 そのまま、エアガンの弾は大きく場外へと飛んでいき、弾の行方は分からなくなった。


「ふっざけんなよ……んなのアリか?」


「ゲームセット!」


 レフェリーの声で月名子と霧神の対決は終わった。


「……んんんん、しゃぁ! どんなもんじゃい!!」


 月名子がガッツポーズをすると、会場の歓声が大きくなった。


「決着です!! 月名子選手vs霧神選手の拳銃野球対決が終わりました!!」


 誰がどう見ても月名子の勝利は目に見えていたが、ここで解説のゴッドマンがタブレットを真剣な表情で見ながらある事に気付き、司会のルーガに小声で伝えた。


「ん? ……えー、観客の皆様、月名子選手の勝利で盛り上がってるところ申し訳ありませんが、ビデオ判定の結果、勝者は霧神選手となりました!」


「は?」


 会場が一瞬にして静まりかえる。確認の為に巨大モニターで今の試合をスローで確認してみた。


 月名子の豪快なフルスイング、それは確かにエアガンの弾を捉えていた。


 だが、ここであり得ない事が起こっていた。


 なんと、弾がバットに当たっていないのに、弾が軌道を変えて場外へと飛んで行ったのだ。


「え、えーと、これはどう言う事でしょうか? 司会にして実況の私でも理解できないのですが、解説のゴッドマン氏、お願いします!」


「風圧でごわすね。おいどん(わたし)も信じられないのでごわすが、エアガンの弾が軽すぎたせいで月名子選手の一回転からのフルスイングによる風圧だけで飛んでしまったでごわす。物理的にあり得ない奇跡でごわすが、月名子選手は自ら起こしたミラクルで敗北してしまったでごわす。これがもし実弾であれば確実に月名子選手のバットにヒットしていたはずでごわす」


 淡々とした口調で解説するゴッドマンの言葉に膝から崩れてしまった月名子。


「は、はは、またビデオ判定で負けか。真奈と勝負した時もそうだったなぁ……くそぉ悔しい!」


 月名子は頑張って立ち上がって、その場を去ろうとした時、背後から霧神が呼び止めた。


「おい」


「なんだよ、お前が勝ったんだから良いだろ?」


「……言っとくがな。今回はオレが勝ったが、そんなのたまたまだ。確実に勝てる算段を立てたのに最後のフルスイングを見ただけで、お前を甘く見てしまってた事を痛感させられたよ。だからこの勝利は納得いかねぇ。おいハゲ審判」


 と、今度はレフェリーのリキュールに声をかけた。


「オレ辞退するわ」


「は!?」


 思わず月名子は振り返って霧神の方を見た。


「こんな勝利オレが納得いかねぇ。どうしてもオレが勝った事にしたいなら、オレは辞退する。あばよ」


 そう言い残すと、霧神は会場の外に停めてあるバイクへと向かった。


「ま、待てよ!」


「うっせぇ、お前に勝ちを譲ったんだから良いだろ?」


「ふ、ふーん、そんなにアタシに勝ちを譲りたいのかー、じゃああの約束を果たしてもらおうかな〜?」


「?」


 何のことか分からずキョトンとする霧神に月名子は叫んだ。


「謝罪だよ謝罪! アタシが勝ったら今までの事を謝るって約束したろ!」


「あー……オレOKなんて一言も言ってないんだが?」


「むきー!」


「は、じゃあお前がこの茶番みたいな大会に優勝できたら、いくらでも謝ってやるよ。ま、どうせ無理だろうがな。じゃあな、オレはオレでやる事が残ってるからな。精々足掻いてみせろ」


 それだけ言うと、霧神はバイクに(またが)って去って行った。


○ ○ ○ ○ ○ ○ ○


「一回戦目第一試合は霧神選手の辞退によって月名子選手の勝利となりました! 続いて第二試合へと進みます! 第二試合の組み合わせはこちら!」


 モニターに次の試合で戦う選手の名前が表示された。


「第二試合は『真路(しころ) 真奈』vs『鞍部(くらべ) 定叉(ていさ)』だぁ!!」


 二試合目で真奈の出番がやって来た。


「もう真奈の出番ですの? だったら盛大に応援してやりますわ!」


 美娃に激励されて笑顔で返す真奈。


 次は何で戦うのか、また解説のゴッドマンが抽選箱から一枚の紙を取り出した。


「さーゴッドマン氏! 次の競技はなんでしょうか!」


「……『デストロイヤークッキング』でごわす。解説のおいどんですら、どんな競技か把握してないので、しばしお待ちをでごわす」


 ゴッドマンが競技の確認をしてる間。秋歌は真奈に言った。


「デストロイヤー、は、分からんが、料理、なら、真奈に分があるな」


「そうかもしれないけど、デストロイヤーが不安すぎるんだけど……」


 真奈の不安は的中してしまった。


「えー、確認が終わったでごわす。競技の説明をするでごわす。ルールはシンプル、審査員の舌を破壊する程のクソマズ料理を作れた方が勝者となるでごわす!!」


「クソ……マズ……?」


 早くも真奈が窮地に立たされる。

 この作品って、実は短期間であっさり終わらせる予定だったのですが、書けば書くほど話が広がってしまって、やべぇ! と思いつつも一年半も書い続けちゃいました。てへぺろ。

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