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俺女子高生に興味ないから、君達とは結婚できません!!  作者: 心乃助(Initium・Godpiece)
第一部
66/400

第66話「さよなら」

 これから更新遅い時は大抵仕事だと思ってくださいです。

「ワタシは健也の事を諦める、今までワタシに勇気をくれてありがとう」


〇 〇 〇 〇 〇


 一時間前。


「さて、じゃあ、どこに行く?」


 秋歌とのクリスマスデート。


 場所は健也達が暮らす街の商店街。


 クリスマスで彩られた街並みは、とても綺麗であった。


「いやー、ここら辺のクリスマスの飾り付けは何度か見てるけど、こうしてじっくり見て歩くの初めてかも」


「ふむ、健也の、初めて、か、それが、見れただけでも、役得だな」


「……ところでさ秋歌ちゃん」


「どうし、た?」


「これはさすがに恥ずかしいんだけど……」


 今、健也と秋歌は手を繋いで歩いているのだ。


 しかも普通に手を握っているのではなく、指と指を絡ませた恋人繋ぎだ。


「別に、良いだろ? 今だけは、ワタシが、健也の、彼女だ、それともなにか? ワタシは、女として、魅力ない、か?」


「そんな事ないよ。ただ、なんかこうして歩いてると、なんでか知らないけど胸が熱くなるような感じがするんだ」


「! ……奇遇だな、ワタシ、もだ」


 秋歌は自然に恋人繋ぎをしてきたようだが、健也だけでなく秋歌もドキドキしているようだ。


「……なぁ、健也、街をある程度、回ったら、ワタシ、行きたい、場所が、あるんだ」


「ん? どこ?」


「まだ、言えないが、そこに、行って、あることを、すると、良いことが、あるスポットだ」


「……心霊スポット?」


「健也、今は冬だ」


 健也は頭の中でパッと思い浮かんだ事を口に出してしまったが、今の季節には厳しいくらい寒い発言であった。


 その後、健也と秋歌は色んな場所でケーキを食べたり、買い物をしたりなどしてクリスマスの街を満喫した。


 そして一時間後。


 秋歌が言っていたスポットにやってきた。


「ここは、公園?」


「うむ、ここで、あることをしたら、良いことが、あるんだ」


 冬の公園。今は昼間だが、ほとんどの人達がクリスマスのイベントとかに行ってるせいなのか、今公園には健也と秋歌しか居なかった。


「それで? ここで何をするの?」


「健、也……ん、んん、健也! ワタシと結婚してくれ! 今すぐに!」


「んん!?」


 突然の事であった。


 何が起こったのか、秋歌が何を口にしたのか、それすら理解できなかった。


「え、なんて? 結婚?」


「そうだ! 今すぐに!」


 いつものたどたどしい口調ではなく、ハッキリとした口調で秋歌は結婚を迫ってきた。


「い、いやいや、無理だよ! 急にどうしたの!?」


「……良かった、健也なら断ってくれると信じてた」


 急展開すぎて全く理解できない。


「健也、この公園で告白して、それでフラれたら、その二人は永遠に結ばれない言い伝えがあるんだ。ここはそう言うパワースポットだ」


「なんで、急にそんなことを?」


「美娃や健也は黙っていたが、偶然耳にしてしまってな。ワタシがソロライブをしてる裏で、ワタシは命が狙われてた。そうだよな? その為に美娃は必死にワタシを守ってくれた。だから、もう健也や皆に迷惑をかけたくない」


 ちょっと待て、それで何故秋歌はこのパワースポットでわざとフラれる事を前提とした告白をしたんだ?


「ワタシを殺そうとした連中は、本当は健也が目当てだったんだろ? だからこれ以上健也と深く関わって、ワタシが健也にとって大切な存在になればなるほど、ワタシが死んで居なくなったら健也はすごく傷付く。ワタシは、ワタシ自身が死ぬことよりも、健也が傷付いて悲しむ事の方が一番辛い。だから健也」


 秋歌は、今にも泣きそうな顔で健也に語った。


「ワタシを愛さないでくれ」


「……ふざけないでよ、秋歌ちゃんは何も悪くないだろ! 全部組織の連中が悪いじゃないか! それに今更だろ! もう秋歌ちゃんは他人じゃないんだよ! 勝手な事を言うな! そっちの方が悲しくなる!」


 健也は何もしていない。何もしていないが、それでも多くの人達が秋歌を守ってくれた。


 死の運命から解放してくれた。


 なのに、生き延びて、秋歌の人生で大きなソロライブと言うイベントまで成功させたのに。


 それなのに秋歌本人が健也を諦めるなんて、あんまりじゃないか。


「じゃあ健也は今すぐワタシを選べるか? 今は真奈と美娃、そしてワタシを同時に好きになってしまって、誰を選べば良いのか悩んでるんだろ? 今すぐワタシを選べないなら良かったじゃないか、選択肢が減って選びやすくなったじゃないか」


「……ッ! 秋歌ちゃんは、秋歌ちゃんはそれで良いのかよ! 10年間も俺なんかの為に、俺に振り向いてほしいが為だけに歌手としての道を歩んできたんだろ! それで秋歌ちゃんは納得できるのかよ!」


 それを聞いて、秋歌は涙を溢して叫んだ。


「できるわけないだろ!!」


 それは心からの悲痛な叫びであった。


「できるわけないだろ……それでも、健也には幸せになってほしい、だから、ワタシを諦めてくれ」


「強引すぎるだろ……」


 秋歌は涙を拭って、真っ直ぐ健也を見つめた。


「ワタシじゃなくても良い、ワタシじゃなくても良いんだ。それに、ワタシが健也に抱いていた10年の想いには感謝している。この想いのお陰でワタシは、今この場に立っている。だから健也、改めて言わせてくれ」


「…………」


「ワタシは健也の事を諦める、今までワタシに勇気をくれてありがとう」


 精一杯の笑顔に、健也は歯痒さを感じた。


 どうしてだ? 自分が三人の中から誰かを選べない今の状況が悪いのか? それとも組織か?


 もう、何が悪いのか分からない。


 それでも言おう。


「……分かった。俺も秋歌ちゃんを諦める。だが約束だ! 組織の問題が解決したら、また俺の事を考えてくれ! もう誰も君に害を与えなくなった時にでも戻ってきてくれ!」


 それを聞いて、秋歌は健也に背を向けた。


「ありがとう……今は健也の事を諦めるが、今のルームシェアの暮らしは変わらない。だけど、さよなら。ワタシに希望をくれた人」


 そう言い残して、秋歌は走り去って行った。


 その背中を追うこともできない健也は近くのベンチを蹴った。


「くそ! くそくそくそくそ!! なんでこうなるんだよ! 何が悪いんだ! 俺か、俺が彼女を選べなかったのが悪いのか!」


 健也は一瞬、自分自身が憎く感じて、自分を殴ろうとしたが。


 先程の秋歌の言葉を思い出して、殴る手を止めた。


「ここで俺を殴ったら、秋歌ちゃんは悲しむよな……やはり悪いのは組織だ、彼女の命を奪おうとした枯葉坂と言う男だ! 俺は必ず枯葉坂を倒して、そしてもう一度君に――」


「ほぉ、私を倒すか、果たして君にそれが出来るかな?」


 不意に、背後から威厳のある男の声が聞こえ、振り向こうとしたが。


「おっと、私を見るな。私の姿を、私の顔を直視するな。今私がこの場に現れたのは健也、君が私を見ない事を条件として現れたのだ」


 背中に固い何かを感じる、健也はこの感触を知ってる。


 拳銃だ。


 健也の心に強烈な寒気が走った。


「まさか……お前は……」


「初めましてだな健也、我が息子よ。私の名は『枯葉坂 輪玄』お前達が倒さねばならない男の名だ」

 枯葉坂さんが本格的に登場したの今回が初めてかも、今までは名前だけでしたからね。

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