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俺女子高生に興味ないから、君達とは結婚できません!!  作者: 心乃助(Initium・Godpiece)
第一部
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第54話「少年の決意」

 それはそれは恐ろしいことが起こりました。


 折角書いた小説がちょっとしたミスで消えると言うアクシデントが起こって泣きそうになりましたが、バックアップ機能に助けられました。

 霧神は、真奈、美娃、秋歌の三人と何気ない会話をして、それぞれの人物像をプロファイリングした。


 まずは真奈。


『普通を装っているが、心に深い闇を抱えてる感じだな。あんまし親や環境に恵まれなかったんだろう。そこは同情してやるが……こいつの胸が気に食わねぇ! なんだアレ!? 絶対に先輩を誘惑する気満々だろ! こいつとは仲良くなれん』


 顔には出さないようにしてるが、真奈への偏見を持ってしまい、相容れないと感じた霧神。


 続いて美娃。


『はぁ、成金乙。どうせ金でなんでも手に入るから先輩のことも金で買おうとしてるんだろうな。あーやだやだ、こいつとは分かり合えん』


 最後に秋歌。


『こいつは分からん。なんだその喋り方、無理矢理キャラ付けしてんじゃねーよバーカ、こいつもダメだ』


 ほぼ偏見で三人を拒絶し始める霧神。と言うか途中から考えが雑になっている。


 健也と暮らすには、この三人とも暮らすと言うこと。


 霧神の結論は『無理』であった。


「あー、悪いけどちょっとトイレ行ってくるわ」


 そう言って席を外す霧神。


 もし手元に武器があれば、この場に居る全員を消し去るつもりだったが、今は何の武器も装備もない。


 その上、霧神の隣にはアヤナが座っている。


 ただの頭がおかしい探偵女かと思ったら、意味不明な武術(?)でプロの殺し屋である霧神を捩じ伏せてしまう程の実力があるため、下手に動くことが出来なかった。


 だから少しでも、この空間から離れて頭を整理したかったので、トイレに行って一人になろうと思ったのであった。


 霧神が出ていくのを確認してから、真奈達は顔を見合わせた。


「アヤナさんの言うとおり、霧神君は私達の事をほぼ偏見で嫌ってる感じですね」


 そう言った真奈は残念そうにする。


「まぁ、月名子さんに危害を加える程の危険人物なのですから仕方ないですわね」


 美娃は溜め息を付きながら答えた。


「……でも、アイツ、健也、に、しか、興味、ない、なら、心配すること、ないな」


 秋歌の言葉に首を傾げる真奈と美娃。


「何を心配してますの?」


「ラッキー、スケベ、からの、性欲の、暴走で、ワタシ達を襲う、心配だ」


「………………」


 別の意味で襲われる危険性はあると思うのだが。


 確かに健也しか眼中にないなら、ラッキースケベに遭遇しても無反応な感じがするから大丈夫……なのか?


「…………ハッ!? 私達が襲われる心配はなくても健也さんは!? 霧神君にエッチな目に遭わされるのでは!?」


 なんか段々と話が脱線してきているが、そこにアヤナが口を挟んだ。


「大丈夫デース。この一週間で分かったのは、霧神さんは奥手でチキン野郎だってことデース。どうせ好きな人の前では積極的になれない哀れな少年なのデース」


「誰がチキン野郎だこのイカれ探偵女! てか、そこの三人も好き勝手言ってんじゃねぇ!」


 勢い良く扉が開かれ、トイレに行ってたはずの霧神がもう戻ってきた。


「トイレに行く振りをしての盗み聞きデースか? 自分がみんなからどう思われてるのか気になったのですね。まさに陰キャの戦法デース」


「あ? テメェ喧嘩売ってるのか? それと全国の陰キャに謝れや」


 くすくす笑うアヤナを睨み付ける霧神。


 そこから視線を移して三人へと視線を向けた。


「あーそうですよ! お前らの言うとおりオレはメスに興味ねぇ! そして憧れの先輩の前じゃなんも出来ない臆病者だよ! なんか文句あるか!」


 すごい開き直りである。


 それを見て真奈が口を開いた。


「えーと、文句はないですよ。私達も最初は健也さんの前に出るのが怖かったですし、緊張もしました。でも健也さんと過ごす内に、そんな思いが薄れていって最初の怖い思いが嘘のようになくなったの。だから霧神君も最初は緊張すると思うけど、健也さんと暮らせば、その怖い気持ちが薄くなると思うの、だから……」


「……………アンタにオレの何が分かるってんだよ。ずーと暗い世界で生きてきたオレなんかが、どうやって明るい世界(そっち側)に入れるってんだよ。先輩は今はそっち側で生きてる。オレには眩しすぎて何にも出来ないっつーの、おい探偵女」


 霧神がアヤナに再びを視線を戻したかと思うと、悲しそうな表情を浮かべた。


「やっぱ先輩とのルームシェアは諦める。こいつらとは仲良しごっこは出来そうにないし、それに何より、今の先輩には幸せになってほしいからな。オレのような日陰者は影でこっそり見てる……方が……」


 全てを言い終える前に、霧神の目には涙が浮かんでいた。


「バッ、ちげぇ、これは涙じゃねぇ……悔しいけどよ。先輩とは暮らせねぇ、お前達とも馴れ合わねぇ。けどな、先輩の幸せはこのオレが守ってやる! 日陰者なら日陰者らしく、影から先輩を支えてやるっつーの! あばよクソ女共、お前らは精々光の中で仲良くしてろや」


 そう言い残し、霧神が去ろうとした時であった。真奈、美娃、秋歌が霧神の背中に向けて叫んだ。


「霧神君! いつでもこっち側に来て良いからね!」


「もし本当に健也が欲しいなら、いつでも相手になりますわよ!」


「お前は、日陰者、じゃ、ない」


〇 〇 〇 〇 〇


「めっちゃ調子狂ったぁ、オレ何言ってんだ? ……あの三人帰ったか?」


「帰りまーした。取り敢えず、ルームシェアは諦めるけど、ワタシの助手になるのはOKで良いですね?」


「あぁ、もうそれでいいよ。先輩を幸せにするには、組織のトップである枯葉坂さんを倒さないといけないからな。その役目はオレがやる。だから探偵女、お前はオレを枯葉坂さん……いや枯葉坂に辿り着けるまでの道を照らせ、お前が探偵だと言い張るならな」


「おや、期待されちゃしょうがないデースね。大丈夫ですよ霧神さん、アナタは一人じゃない」


「ハッ、言ってろクソ女……もし枯葉坂を倒せたら、先輩とアイツらと暮らすのも、悪くない……かもな」


「随分丸くなりまーしたね。それじゃ早速捜査をしましょう霧神ワトソン君」


「誰がワトソンだ!」


 こうして、霧神は健也の代わりに枯葉坂を倒す決意を固めるのであった。

 まぁね、霧神君が健也以外と暮らすのなんて無理だろうな、と思って半ば強引な展開になりました。

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