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俺女子高生に興味ないから、君達とは結婚できません!!  作者: 心乃助(Initium・Godpiece)
第一部
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第51話「命のバトン」

 話作りにおいて思ったことがある(後書きに続く)

 ヤソカが、健也と美娃の目の前でゆっくりと腕をあげた後、指を鳴らそうとして指に力を込めた瞬間であった。


 パンッ、と渇いた音が響き渡った。


「いたぁ!?」


 ヤソカは上げた腕を下ろして腕を押さえて痛がってる様子であった。


「安心して、今のはゴム弾だから、それでも当たったら痛いだろうけどね」


 声がした方向を振り向くと、そこにはオフィスの入り口から入って来たであろう健也の父親『荒蒔 健悟郎』が警官の格好をした状態で拳銃を構えて立っていた。


「父……さん?」


 健悟郎の登場にびっくりする健也。しかし健悟郎は痛がってるヤソカに容赦なくゴム弾を次々と発砲していく。


 あまりにも正確な射撃であった。


 殺傷能力がないとはいえ、ヤソカの両腕両足、頭、首へと発砲して、徹底的にヤソカを痛め付けていく。


 そんな父親の容赦のない姿を見て健也は言葉を失う。


 自分が知ってる父親ではない。いつも口を開けばロリがどうとかしか言わない変態で、妻を溺愛している愛妻家。


 そんなイメージが吹き飛ぶくらいの冷徹な目をしていた。


「い、痛いじゃないか健悟郎くん、今から面白いことしようとしたのに台無しじゃないか」


「まだ喋る余裕があるのか、じゃあ次はこれだ」


 ゴム弾で滅多撃ちにされて床に這いつくばるヤソカに別の拳銃を取り出して、またもや何の迷いもなく発砲した。


「あぎゃがががががが!!?」


 それはテーザー銃であった。スタンガンの一瞬で、小さなトゲが二本付いた射出体を発射し、標的となる人間の肌に刺さると、そのまま電流を流し込む事ができる銃だ。


「と、父さん?」


「………………」


 長い、10秒以上電流を流し込んでも、まだ止める気配がない。


「父さんやりすぎだ! それ以上やったら死んじゃう!」


「死ねば良いんだよこんなやつ、生かしておく価値もない」


「やめろ!」


 健也は咄嗟に健悟郎に掴みかかって、健悟郎の手からテーザー銃を奪って電流を流すのを止めた。


「なんなんだよ! こんなのいつもの父さんじゃないだろ!?」


「健也、コイツが今なにしようとしたのか分かってるのか? コイツは我々警察が捕らえた偽善悪の信者全員を怪物にしようとしたんだぞ」


「怪物?」


「昨日、とある遊園地で熊らしき猛獣が暴れたの知ってるか? 僕も現場に向かって確信したよ。アレは人間だ。昔似たようなものを見たことがある。ヤソカは人間を怪物に変える力を持ってる、その情報だけは何年も前から知ってたからね。ヤソカは、自分を慕ってくれてる連中全員を化け物して、その混乱に乗じて逃げるつもりだったんだろう」


 健悟郎が言う怪物が何のことか分からないが、もしその話が本当なら、やはりヤソカは人間ではない、と思った。


「あ、はは、は」


 ヤソカが笑い声にも似たうめき声を上げながら、再び指を鳴らそうとした瞬間。


「そうはさせませんわ!」


 美娃がヤソカの手を踏み潰して、それを阻止した。


 恐らくだが、ヤソカが指を鳴らそうとしてるのは、それがスイッチなのではないだろうか?


 信者達を怪物へと変貌させる為のスイッチ。それを指に仕込んでいたのかも。


● ● ● ● ●


「………………」


 あの後、ヤソカは信者達と共に警察に連行された。


 ヤソカと信者を同じ車両に乗せるのは危険かもしれないと考えた結果、ヤソカと信者は別々に運ばれた。


 警察が介入したせいなのか、健也の職場は急遽休みとなり、関係者以外立ち入り禁止となった。


 今回の作戦、ヤソカが本性を現して健也に接触することは、既にとある人物が把握してたらしく、美娃がその人物から情報を聞いて『小院瀬見財団』の力で警察を無理矢理動かして、徹夜で今回の作戦を立ち上げたようであった。


 作戦の主導権を握っていた美娃は現在、警察と共に後処理をしている。


 よく見たら目の下にクマが出来てる、本当に一睡もせず、そして一夜で今回の作戦を立案した事を考えると、本当に美娃は凄いと思った。


 現在、健也の目の前には健悟郎が立っている。


 健也はヤソカが言った事が本当か確かめる為に、健悟郎と二人っきりで話すことにした。


「健也が何を言いたいのか分かってるよ? 盗聴してたからね。ヤソカとの会話は把握している。もう少し様子を見ようとしたんだけど、まさか美娃ちゃんがいきなり窓ガラスを突き破って突入するもんだから焦ったよ。ここでヤソカに逃げられるわけにはいかないと思って僕も突入したわけなんだ」


「……そうなのか……なぁ、父さん、父さんはロリコンだよな?」


「今さらだね。僕がロリコンなのは健也が一番知ってるだろ?」


「そうだ。そうだけど……ロリコンなのは演技だったんじゃないかと思ってる」


「なぜ?」


「だって、ヤソカに拳銃を向ける父さんは……その……俺が知る父さんじゃなかった……」


「びっくりさせてしまったかな? 僕は常にロリコンだよ。ロリと火盧理たんは大好物だ。でもね、目の前に僕達の仇敵が居たら、さすがにいつものロリコンではいられなかったよ……他にも演技だと思ってしまったことがあるのかな?」


 健悟郎からの問い掛けに戸惑ってしまう健也であったが、思いきって言ってみた。


「……どうして、俺が父さんと母さんの子じゃない事を黙ってたの? 俺が枯葉坂とか言う男の息子だったから?」


「健也が枯葉坂の子供なのは、さっき初めて知った……そうだなぁ、なんで黙ってたか、そんなの簡単だよ。健也を僕達の本当の息子のように愛してたからだね。まぁ昔の火盧理たんの教育は少し歪んでたと思うけど」


● ● ● ● ●


 28年前、僕は恩人の天ヶ屋(あまがや)さんと一緒に荒覇芭木によって海外の紛争地帯に送られてしまった意思男くんの救出に向かった。


 正直恐かったよ。海の向こうでは今でも紛争が続いていて、血と硝煙の匂いが充満してる場所だった。


 足下には大量の死体と瓦礫が転がっていて、僕達は地獄を見た。


 平和な日本で育った僕が居てはいけない場所だと思った。


 それから半年後。僕達はようやく意思男くんの居場所を突き止めた。


 早く意思男くんを助けて、こんな場所から離れて火盧理たんが待っている日本に早く帰りたい。


 早く、早く、早く、頼むから早く僕達に見付かってくれ意思男くん!


「えーん! えーん!」


「!?」


 僕達は偶然訪れた崩壊した集落で赤ん坊の泣き声が聞こえた。僕達が来る前に戦火で滅んだ集落、もう生きてる人間はいないと思っていたが、まだ生き残りが居るようだ。


 泣き声をたよりに天ヶ屋さんと二人で捜索すると、そこには赤ん坊を守るようにして息絶えた一人の女性がいた。


 死ぬ瞬間まで我が子を守ったのだろう。


 僕はその赤ん坊を抱き抱えて顔の汚れを拭うと、赤ん坊は明るい笑顔を見せてくれた。


「う、うぅ……」


 僕は思わず涙を流してしまった。こんな場所で、こんな笑顔が見れるとは思わなかった。


 僕は、この子を育てよう。この子の母親が最後まで守った命を僕が、僕達が代わり育てよう、そう決めた。




 そして、無事に意思男くんを救出して、僕達は全員無事に日本に帰れた。


 その時の赤ん坊が健也、君だよ。


 僕にとって、当時の君は磨り減った僕の心の支えとなり、僕に前へ進む希望を与えてくれたんだ。


 だから健也、血の繋がりはなくても、君は僕達の息子だ。誰が否定しようが、それだけは譲れない。


 だから僕は、健也の代わりに枯葉坂を倒す。僕達の息子を守るために。

 話の先には色んな展開、色んな未来があって、その中から一つを選んで物語にしないといけないから、どの可能性を引き当てれば良いのか今でも分からんが、それでも最後までやり遂げたい。

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