表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺女子高生に興味ないから、君達とは結婚できません!!  作者: 心乃助(Initium・Godpiece)
第二部『愛』
114/400

第112話『生きる希望を与えないよな』

 連載二周年突破しましたぁ!!


 ……え!? もう二周年!? 一つの作品をここまで続けられたのは、読者の皆様のお陰です! これからも読んで頂けると嬉しいです!

「お、美味い。あんな安い値段でこんなに美味いものが食えるのか。これを数百年前に生きてた連中に売ったら大儲けできるな」


 どこなのかも分からない深夜の高層ビルの最上階のオフィス。本来は夜になると立ち入り禁止だが、マカヤは警備員や中にいた職員全員を刀で精神崩壊させてから無理矢理侵入していた。

 

 そこでマカヤがやってたことは、コンビニで買ったおにぎり、サンドイッチ、ドーナッツ、お菓子、日本酒、栄養バランスがめちゃくちゃな食材を片っ端から買い込んで、それらを食べながら夜に輝く街並みを見下ろしていた。


「あんまし外の世界を見てこなかったが、改めて見ると数百年で人類は大分発展したなぁ。夜がこんなに眩しくなる日が来るとは想像できなかった」


 一人寂しく食べながら呟いていると、マカヤの背後にあるエレベーターが動き出した。


「……」


 気付いてはいるが、マカヤは無関心であった。


 誰が来ても刀でねじ伏せれば良いだけの事だし、数日前の意思男みたいに刀に耐えれる人間が来ても、刀なしでもマカヤには十分な戦闘能力が備わっていた。


 そもそもマカヤは生前、数々の戦場を生き抜いたのだ。平和な現代人が太刀打ちできる相手ではない。


 と言う慢心もあって、マカヤは誰が来るかも分からないエレベーターなぞ無視してコンビニ食を(むさぼ)っていた。


 そして、エレベーターのドアが開き、中から現れたのは、真奈一人であった。


「……」


 真奈は警戒していた。外とビルの中は六波率いる護世衆が警護してくれているが、護衛もなしに真奈は一人でやってきたのだ。


 大勢を引き連れたらマカヤに警戒される。だから真奈は一人で来たのだ。


「しかし、街だけでなく現代の人間はキラキラした物をたくさん身に付けてるなぁ、ピアスなどの装飾品やら服やら、えーとスマホだっけ? あの光る板。それと自動車? てのも輝いてるなぁ、はは、眩しすぎるだろ」


 真奈を無視して独り言を呟くマカヤ。


 真奈からはマカヤの後ろ姿しか見えないが、何度見てもやはり健也だ。


 しかし中身は別人だ。健也の遠い先祖マカヤ・ハームレス。


 かつては偽善悪でありながら善行を積み重ねて英雄とまで言われた男。


 歴史にすら載ってない影の英雄。


 それが今、健也の体を元に顕現している。


 マカヤを救う。それがどう言う意味なのか分からないし、そもそも健也が戻ってくる保証なんてどこにもない。


 それでも真奈は足を進めた。


 徐々にマカヤとの距離を詰めていき、そのまま座ってるマカヤの隣にまであっさり到着してしまった。


「はー、街の夜景も見たし、腹も膨れたし、朝まで寝て次の死ぬ方法を模索するかぁ」


 マカヤは真奈が居る事に気付いておきながら、そのまま後ろへ倒れて大の字になって寝転んだ。


「あの、気付いてますよね? 無視しないでください」


「んご〜」


 寝た。マカヤは本当に寝た。


 いくらなんでも自由すぎる。


「……」


 やはり顔は健也のままだ。しかし、このままでは何も起こらないので、真奈がとった行動は。


「せやぁー!!」


 なんと、寝ているマカヤの鳩尾にエルボードロップをかました。


 体も顔も健也ではあるが、相手は全くの別人。


 そう思えば真奈にとっては情けをかける必要がなかった。


 そのまま綺麗に鳩尾にクリーンヒットした。


「!?」


 固い。全体重をかけたエルボードロップなのに、真奈の肘がマカヤの鳩尾に食い込まない。


「生温いなぁ、不意打ちするなら声なんて出すなよド素人」


 やっと真奈に反応したマカヤは、真奈をどかして、その場で座り直した。


「俺を殺しに来たか? だが残念だよ、お前みたいな何の力もない小娘を刺客として送り込むとか、現代人は頭が平和ボケしすぎてるのか?」


「いいえ、殺しに来たわけではありません。貴方を救いに来ました」


「救う? ……あー、イニティウムの野郎か、アイツが仕組んだのか、俺を勝手に目覚めさせたくせに俺を救う為の刺客を送り込むシナリオを作ったのか、はぁやれやれ、アイツの考えがマジで読めねぇ、俺を救って何がしたいんだ?」


 めんどくさそうに頭を掻くマカヤの隣に真奈が座った。


「たしかに、これはイニティウムが仕組んだことですし、貴方を救う事に何の意味があるか分かりません。ですが、貴方を救えば健也さんが戻ってくるんじゃないか、そう思ったから私は来たのです」


「まーた健也かぁ、数日前のガキもそうだが、揃いも揃って健也健也ってバカみてぇだな。もう何回も言うのは嫌だけど言ってやる。健也は死んだ、お前達がどう足掻こうが無理なんだよ。イニティウムに殺された時点で健也が生き返る未来すらも殺されたんだ。もう無理なんだよ。諦めろ」


 そう言うと、マカヤは座りながら足を伸ばしてリラックスし始めた。


 どこまで嘗められてるのだろうかと感じる真奈。


 健也が死んだ。これは嘘じゃないのだろう。


 それでも真奈は。


「健也さんが生き返らないなら、今から貴方とお話ししてもいいですか?」


「何を話すんだよ? 話すネタなんてないだろ?」


「あります。貴方は目覚めた日に私に何か頼もうとしてましたよね? あれが何だったのか聞いてもいいですか?」


 少し考えた後にマカヤは思い出したように声を出した。


「あーはいはい、たしかに頼もうとしたな」


「結局あれはなんだったのですか?」


「簡単だよ。争奪戦でお前が作ったクソマズデザートあったろ?」


「うっ、一応料亭の娘としてクソマズ料理を作ってしまった事は今でも後悔してます……それがどうしましたか?」


「もう一回作ってくれ」


 予想外の言葉に返答に困ってしまう真奈。


 それを見越してマカヤは続けた。


「気付いていたか知らないが、あの時健也は死にかけてたんだよ」


「え? 冗談ですよね? あれは気絶してただけでは?」


「いーや、ガチで健也は死にかけてたし、あともう一歩で黄泉の国に逝きかけてたぜ?」


 それを聞いてショックを感じる真奈。まさかクソマズ料理で愛する健也を死に追いやっていたなんて、想像しただけで困惑を隠せない。


 いや、そもそも死にかけたクソマズ料理の話題が出たってことは、まさかマカヤの目的は……。


 全てを察した真奈に対して、マカヤは真奈が思った通りの言葉を発した。


「あのクソマズ料理で俺を殺してくれ、はははは! ある意味お前は俺を救いに来てくれたな! 俺にとって死ぬ事こそが唯一の救い! さぁ俺を殺せ! 材料が無いなら買ってこい! それまで待っててや――」


 全てを言い切る前に真奈はマカヤの顔面に平手打ちをした。


「死にたい死にたいって、いい加減にしてください! 貴方が過去にどんな絶望を味わったか知りませんが、簡単に死にたいとか言うな! もっと自分を大切にしろ!!」


 怒り任せに殴ってしまった。


 下手したらマカヤの刀が発動するかもしれないのに、しかしマカヤは至って平常心を保っていた。


「お前達はいつもそうだな、俺が死にたい死にたいって言えば『死ぬな!』『生きていれば良いことがある!』とか言うけどさ、肝心の死にたい原因を知ろうともせず無責任に生きろって言うよな。それが如何に残酷な事かお前達は知らないんだなぁ」


 溜息まじりマカヤは真奈の顔を見て言い放った。


「相手を知ろうともせず生きろって言うくせに、死にたくて苦しんでる奴にお前達は生きる希望を全く与えないよな。なにそれ? 傲慢なつもりか? 取り敢えず適当に生きろって言えば全て解決するのか? クソだな! 救えないくせに生きろとかほざくな! それ聞かされる度に反吐が出るんだよ!!」


 マカヤが突然激昂したかと思うと、恐れていた事態が起こってしまった。


()()


 瞬間、マカヤの刀が発動した。

 初めて予約投稿するけど、ちょっと不安かも:(;゛゜'ω゜'):

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ