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俺女子高生に興味ないから、君達とは結婚できません!!  作者: 心乃助(Initium・Godpiece)
第二部『愛』
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第105話『未来に関する授業をしよう』

 今週から2話投稿です!(大事な事なので2回言いました)

 争奪戦再開まで残り一日。


 明日、アヤナは美娃と勝負することになっている。


 そんなアヤナは自身の事務所に戻って、机の上にある黒電話と睨めっこしていた。


「……う〜、あの人に電話しようかどうかで悩みますね。こんな時に霧神さんとロットさんが居ないのが困りますねぇ、えーと二人は誰かの依頼で出張してるのでしたが、所長であるワタシに何にも言わずに居なくなると言うことは、きっと探偵じゃなく本業(傭兵)の仕事なんでしょうね。帰ってきたら色々聞くとして……あーもう! あの人に頼らざるおえない自分が嫌になりまーす!」


 独り言をぶつぶつ呟くアヤナではあったが、決心して受話器を取ってダイヤルを回した。


「かけたは良いですが、正直出ないでほしいデース」


 しかし、アヤナの望みは叶わなかった。


『はい、もしもし? とは言ってみたが、この黒電話を使えるのは君だけだよね? アヤナ』


「うーわ、出ちゃったデース。電話をかけた時点でワタシは負けを認めたも同然デース」


『みたいだね。妹を人質に取られてる……とかは君は興味ないか、君が興味あるのは『謎』だけだ。それを自力で解決できないことは己の無力さを認めた証拠だ』


「はいはい、説教は後で聞くから本題に入らせてくださいデース。お父さん」


 電話の相手はアヤナの父親であった。


 おさらいをすると、アヤナの父親はイギリスの資産家で、メディアを操って架空の存在『罪王』になりすまし、数々の探偵達を葬ってきた犯罪者。


 娘であるアヤナは自分を超える頭脳を手に入れて自分を倒してくれると今でも信じているが、保険としてアヤナの妹を人質にしている。


 アヤナにとって父親はライバルのような存在。そんな相手にヒントを求めてる時点で負けを認めてるようなものだ。


◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ⚫️


『ふむふむ、偽善悪、イニティウム、マカヤ、なるほど、今はそんなのを相手にしてるのか』


「マカヤは、たぶん時間の問題デース。問題はイニティウムです。イニティウムは本当に運命を操れると思いますか?」


『ふむ、ボクは直接見たわけではないが、未来確約か。そもそも未来とは何なのか、アヤナには分かるかな?』


「未来は、現在のあらゆる要素、つまり物事の結果と結果が結びついて導き出された答えデース」


『まぁ間違ってないか、だが惜しいな、その理論だと未来は一つしか存在しないようにしか聞こえないな』


「どう言うことです?」


『しょうがない、頭の悪いアヤナの為にボクから未来に関する授業をしよう』


「さりげなく自分の娘をディスりやがったです」


 





 まずはそうだな、未来とは確約されていない。


 一口に未来と言っても複数存在するんだ。


 例えばミスターAと言う人物が居たとしよう。彼は必死に貯めた貯金で新車を買いに行こうと自宅を出た。


 この時点でミスターAの未来は現在から複数枝分かれしている。


 もしかしたら車の販売店までの道中に事故に遭うかもしれないし、店に辿り着いても目当ての車がなかったかもしれない。


 仮に欲しい車があっても中古だったり、傷がついていたり、ミスターAが満足できる車は手に入らないかもしれないし、運が良ければミスターAの条件を全てクリアした新車が手に入るやもしれない。


 他にもまだまだあるが、可能性を広げたらキリがない程に未来の可能性は複数存在している。


 我々はたまたま数ある未来の内の一つを手にして、選ばれなかった他の可能性の未来を犠牲にして現在として続いている中を生きてるだけにすぎない。


 ようはギャンブルだし、自分が望んだ100%の未来を手にできる保証なんてどこにも無い。


 どうも、この世の中の大半は、努力で自分が欲しい未来を手にできると信じ込んでるが、実際は運命の正体はくじ引きだよ。


 どんな未来も、どんな結果も、全てくじ引きだ。くじ引きを努力でコントロールできるか? 


 運命なんて自然の成り行きだ。アヤナが一人で努力して風や川の流れを止めたりコントロールできるか? 


 それを個人の努力で出来ると勘違いしてる人達が多すぎる。


 運命や未来によって導き出された結果の良し悪しに責任を感じてる人達がいるが、運命なんてただのくじ引き、努力でどうこうできる代物ではないと分かってしまえば気が楽にならないかな?








「その話を聞きますと、イニティウムの未来確約は、嘘?」


『いや、嘘じゃない、イニティウムは高度な占いの技術を持ってるのだろう? 占いとは本来、先が見えない未来を見ようとした先人達の努力の結晶だ。同じ占いでも、人によっては占いの結果が異なるのは、彼らは数多く分岐した未来の中の一つを見て伝えてるだけにすぎない。だから占いはハズレたり当たったりする。通常の占い師が一つか二つの未来しか見えないのに対し、イニティウムがもしも全ての可能性の未来が見える占い師だったら?』


「! まさか、未来確約とは、膨大な数の未来の中から自分が望む未来を見つけ、その未来に辿り着けるまでの道筋を未来から現在に繋げる。そう言うことですか!?」


『そう、一見すると魔法に見えることも、こうして紐解けば誰にでも分かるトリックだったんだよ。と、ここまでは良いとして、欲しい未来を選んだとしよう、その未来に辿り着ける道筋をどうやって作ってるかだ。いや、そもそもどうやって膨大な数の未来から一つを見つけているのか、それには完璧な計画と計算が必要になるが、果たして、そんな事が個人で出来るのかな? 恐らくイニティウムは何かを失う代償として、人智を超えた演算能力を手にしてるやもしれないが、ここまでは断定できない。色々ヒントを与えたんだ、後はアヤナのちっぽけな頭脳で頑張ってくれ』


「さては自分の娘嫌いですね?」


『嫌いじゃないが事実だよ。ここでアヤナを褒めてしまったら、君は成長しないだろ? 人は他人に褒められると成長を止めてしまう生き物だからね。人間なんて元々怠惰な生物なんだから、しょうがない』


 アヤナの父親なりの配慮なのだろうが、ちょっと厳しい感じがする。


「んー、まだまだイニティウムの能力の謎はハッキリと分かりませんが、最後に聞いても良いデースか?」


『ん?』


「妹は、セリスは元気ですか?」


『あぁ、元気元気、元気すぎてお父さん困ってるぐらいだから、さっさとボクを超える探偵になってくれ、イニティウムごときにつまづいてるようでは話にならないよ』


「言われなくても超えますから大人しく待ったろデース!」


『あ、そうそう、帰ってくる時は日本のお土産を――』


 アヤナは力任せに受話器を戻した。


 静かになった黒電話に対して舌を出して父親をバカにしていた。


「ほんっっっっっとうにムカつくパパデース!! もう二度と頼るものですか!」


 地団駄を踏んだ後にソファに腰掛け、瞬時に冷静になった頭でアヤナは今の父親との会話を整理していた。


「未来は一つじゃない、運命はくじ引き、個人の努力ではコントロールできない、じゃあイニティウムの能力の正体は? 本当に個人で運命をコントロールしてる? もしくは別の協力者がいる? だとしたら、その協力者とは? あ、いや、イニティウムの思想、全人類共通の悪になるだったら、そもそも一人で十分だったはず。それじゃ、何のために仲間を集めて偽善悪を作ったです?」


 色々思考を巡らせるが答えが全く出ない。


 そんな時であった。


「……ん?」


 イニティウムの正体に気付いたわけではないが、ある違和感を感じたアヤナ。


「待てよ。答えが出たわけじゃないデースが、運命は個人でコントロールできない。なら『彼女』は? ……!? くっそ! なんで気付かなかったです! 彼女の功績、経歴を考えたら普通なら有り得ない事だったじゃないデースか! それをすんなり受け入れていた自分が嫌になりマース!!」


 急に立ち上がってアヤナは一人で宣言した。


「美娃、申し訳ないデースが、明日の争奪戦では早急に脱落してもらうデース、それが美娃のためデス」

 イニティウムの能力と正体が難しすぎて上手く言語化できない(汗

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