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俺女子高生に興味ないから、君達とは結婚できません!!  作者: 心乃助(Initium・Godpiece)
第二部『愛』
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第104話『数百年前の記憶』

 重要なお知らせです!


 今日から毎週土曜日は2話投稿となります!


 詳しくは活動報告のほうで!

「あぁ! さすがは勇敢なる騎士『マカヤ・ハームレス』!!」


「また俺達を救ってくれた! あの御仁が忌まわしき『偽善悪(イビルスター)』なわけがない! 何かの間違いだ!」


「きっとイニティウム・ゴッドピースを倒す為にわざと偽善悪のフリをしてるんだ!」


 なんだこれ? あー、そっか夢か、なんか生きてた頃こんな事言われてたなー。


「ハッハハハ!! おいおいみんな、確かにイニティウムは悪人だが、本物の悪じゃない! アイツは悪のフリをしてるだけだ。だからみんな、もうしばらくイニティウムの『ごっこ遊び』に付き合ってくれ! 大丈夫! イニティウムもいずれ俺と同じ善の道を歩むはずさ!」


 うわ、生前の俺酷いこと言ってるなー。イニティウムの野望をごっこ遊びとか……でも、あの時はこうでも言わないと、誰も納得しなかったろうな。


「わりぃイニティウム! 嘘とは言え、お前の野望をバカにしちまった! このとーりだ、許してくれ!」


 そうそう、俺はすぐイニティウムに謝ったんだ。だけどアイツは……。


「知ってた。汝があの場を収める為に、あの言葉を発する事は知ってた。何も気に止めるな。我は何も感じない、全てを知ってるからな」


「……ハッハハハ! そーかそーか! お前は何でも知ってるんだな! すげーよな、お前の占いは未来だけでなく過去、現在、時間、全てを見れるんだろ? いーよなー、俺も同じ事ができてたら、未然に悪さをする奴を斬らずに止めれるのに、俺は斬る事でしか人を救えないからさー、それでちやほやされても嬉しくねぇんだわ」


「ふむ、我は汝が羨ましいがな」


「ん? なんで?」


「我は全てを知っている、知ってるが故に人としての心を失った。我は善にも悪にもなれないのに偽善悪を名乗ってる。そんな我からしたら、善人である汝が羨ましい」


「マジか、お前にそう言われると照れるんだが。あ、まさかこの後に嵐が来るのか!?」


「来ない、来るのは104日後だ」


「相変わらず細かいなー」


 俺はイニティウムは完璧な存在だと思っていた。


 そんな奴に羨ましがられるのは他人に褒められるより嬉しかった。


 そう、ここまでは良かった。ここまでは。


 



 それから、何日目だっけ? あんな事があったのは。


「はぁ……はぁ……そんな、なぜ君が」


 守れなかった。この世で唯一の大切な人を、大勢を救えるくせに、たった一人の女性を救えなかった。


 いや、救うどころか、この手で殺してしまった。


 殺さざるおえなかった。


 殺したくなかった、もっと生きていてほしかった。


「なぜだ、なぜ死ぬまで正体を隠してた、なぜ悲鳴すら上げなかった? なぜ命乞いすらしなかった? 君の声さえ聞いていれば、君を斬らずに済んだのに……」


 俺は後悔してた。いつも通り大勢を苦しめる一人の悪人を斬ったはずだった。だが今回は違った、彼女は悪人じゃない、それは俺が一番知っていることだ。


 それなのに、アイツらは!!


「やった! 流石は英雄マカヤ! 俺達の為に忌まわしき『魔女』を殺してくれたぞ!」


「見ろ! マカヤ様の脇に抱えられた魔女の首を! 早く吊るし上げよう!」


 コイツら、何言ってるんだ?


「待ってくれみんな、この娘が魔女? 何を言っている。この娘はお前達にとって家族だと言っていたではないか、俺はお前達の家族を殺したのだぞ? 俺に拍手喝采を送るな、俺を呪え、いや呪ってくれ!」


「? 何を仰ってるのです? そんな汚いモノが家族なわけないじゃないですか」


「は?」


「そうだそうだ、その娘は禁忌を犯した大罪人だ! 死んで当然だったんだ!」


 耳を疑った。俺の脇に抱えられてる娘は、目の前の人間達とは仲が良かったはず、あまつさえ血の繋がりはないが家族として愛情を注いでいたのを俺は見ていた。


 そんな娘を『モノ』と言ったのか?


 たった一度禁忌を犯しただけで今までの愛を全否定するのか?


「待て、待ってくれ、俺は知らなかったんだ、お前達を苦しめる魔女の正体がこの娘だったなんて知らなかったんだ」


「いや、だって言ったらマカヤ様は魔女を殺さなかったでしょ? 俺達が殺したら呪われちまう、だったらとっくの昔に呪いすら受け付けない英雄様に殺させた方が良いじゃないですか」


「――――っ!!」


 今でも覚えてる、アイツらの言葉を、アイツらは、自分達の責任を赤の他人に押し付け、自分達は何の咎も受けないつもりでいた。


 まさか、俺が救ってきた連中も?


 全部俺に押し付けて、自分達は護られる側だと勘違いしていたのか? 自分達の問題を他人に任せて?


 俺を騙してまで?


 それじゃ、俺が今まで斬ってきたやつらは、救ってきたやつらは何だったんだ?


 俺が悪人だと思ってた奴らは、本当は善人で、救った奴らが悪だった? どっちだ? 俺はどっちを斬ってどっちを救った?


 もう分からない、分からないが、よくも全部俺に押し付けやがったな。


 全部、全部全部全部全部! たった一人の人間に押し付けやがってぇ!!


「死ね」


「え? は――」


「死ね」


「ぎ、やぁ――」


 斬った、斬った斬った、自分達の偽善にすら気付かない愚かな人間共を一本の刀だけで皆殺しにしてやった。


「死ね、死ね死ね死ね死ね死死死死死死ねぇ!! あぁあああああ!!」












「目が覚めたか?」


 その後の事は覚えてねぇ、気が付いたら、倒れてる俺の顔を覗き込むイニティウムの姿があった。


 あんまし覚えてないが、きっと俺のすぐ近くには大量の死体が転がってるだろうなって事は分かった。


 それと俺が倒れてる理由はすぐに分かった。喉に熱を感じる。


 痛みだ。


 そうか、俺が最初に自害しようと思ったのはこの時だったな。


「……なぁイニティウム、お前、こうなる事も知ってたのか?」


「知ってた、汝には人間の純粋無垢な『悪』を体験してほしかったのだ」


「何のために?」


「汝に『最高悪』になってもらうためだ。どうだ? 最早何が善で何が悪か分からなくなったであろう? 何が正しくて、何が間違いだったのかすらも、いや、そもそも答えなぞ最初っから存在しなかったのやもしれぬ」


「……あー、確かに分からなくなったが、これだけは分かった……人間がクソだってな。アイツらは救うに値しないゴミだってことがな、なぁイニティウム、それでもお前は人間を愛せるのか?」


「愛せる。その為に汝の力が必要だ。共に堕ちようぞ」











「逃げろぉ!! 最高悪マカヤ・ハームレスだ!」


「殺されちまう! みんな殺されちまう! あれは生きた災害だ!」


「お願い! 子供達を殺さないで! いやぁぁぁ!!」


「信じてたのに! 信じてたのに! この人類の裏切り者!!」


 記憶も曖昧だな、もう何百年も前の記憶だし、それでも覚えてるのは、人間から向けられる全ての感情が不快だったってことがな。


 呆気なかったなぁ『正』の功績を積み上げるのに、あんなに時間が掛かったのに『負』の功績はあっさり手に入れてしまった。


 何かを創造するのは大変なのに破壊は簡単すぎた。


 何人殺したっけ? もうどうでも良いか、あんなゴミ共の事なんて、他人に全てを押し付ける傲慢で醜悪な生物の事なんて、もうどうでもいいな。


 あー死にてぇ、俺はもう恨むのも呪うのも殺すのも疲れた、頼むから死なせてくれ、誰か俺を終わらせてくれ。



 早く、醜い人間共が居る世界から消えて無くなりたい。


◯ ◯ ◯ ◯ ⚫️ ◯ ◯


「……ん?」


 目が覚めたらマカヤは川に流されていた。


「えーと、あーそうだ。俺溺死しようとしてたんだが、途中で気を失ったのか、それで流されながら昔の夢見てたのか……嫌な記憶を思い出させるなよ」


 今は現代、マカヤが生きていた頃から数百年後の世界。


 そこでも、マカヤは死ねなかった。


「溺死もダメ、川に流されて岩とかに頭がぶつかってもダメ……しょーがない、適当に陸に上がってコンビニとやらに行くか、健也の中から見てたが、あれはあれで美味そうな食べ物があったしな。腹減ったし、おにぎり? てやつを食べたいなー。食ったら別の死ぬ方法を探すか」


 マカヤを真の意味で救う、もしくは殺せる者が現れるまで、まだまだ先の話ではあるが、今のマカヤは死ぬ事しか考えてないので、今日も死に場所を求めて現代の世界を彷徨うのであった。

 マカヤの過去編はちゃんとしたものにしたいですね。

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