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影が薄いので学校で人助けした件  作者: サラリー田中
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プロローグ

「プロローグ」




代わり映えしない天井を眺めていた。


背中と面している床は生ぬるく、どこか教室も蒸れている気がする。

決してまだ暑いとは言えないそんな時期だ。


人によっては新しい出会いや経験に胸を膨らませ、ようやく落ち着いてくる季節になるだろう。


私にもそんな時があった。


なのに、どうしてこんなことになってしまったのか……。


そんなことを憂いつつ、乱れた衣類を整える。

しわしわのシャツが目立った。


普段であれば、周りの生徒の模範にならなければいけない立場なのだが、今は、そんなことを気にする余裕もない。


「……気持ち悪い」


ぽつりと誰に言うわけでもなく呟いた言葉は響くことなく墜ちていった。


ゆっくりと立ち上がると窓に手をかける。

特に意味はなかったのだが、景色を見たら気分が変わらないだろうかなんてふと思ったのである。


ゴンッ。


ゴンッ。


打撃音が響く。


窓越しからでも聞こえてくる音の正体はわかっている。

きっと誰かが誰かを殴っているに違いない。


いじめ。


そんなもの日常茶飯事だ。


どうしようもない理不尽な世界。

この狭い学校という世界から解放されるには、時間、しかない。


だから耐えよう。


我慢しよう。


そうして私は、また、現実から目を背けるのだった。

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