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幼少期 〜 図書カードをめぐる攻防 〜


 ※ サブタイトルは、かの有名作品のパロディだと思われないように気をつけたつもりです。





 ええ、それはもう、戦争でしたよ。


 なにがって……



 タイトル、ばばん。「図書カードをめぐる攻防」




 幼稚園児のころの話です。

 私とおなじクラスだった園児の家族がお引越しするということで、お別れ会に招待されたんです。で、かわいかったころの私は、母とふたりでその子のアパートへ行ったんですね。

 その子とその子のお母さんと、私と母と、あと数名の園児と……その子たちのお母さんはよく覚えていないけれど……、近所の子で子供だけ預けられてたのか、それとも親御さんも呼ばれてたのか……

 まあ、それはいいとして。


 で、私と母が、

「じゃあ、そろそろ。長居もいけませんし、オホホ」

 ってなわけでおいとますることに。



 そう、今回のエピソードのメインは、お別れ会じゃないのですよ。お別れ会の後の……



 タイトル、ばばん。「図書カードをめぐる攻防」




 そう、それは、帰るときになって……


「いい、あなたたち。しっかりやるのよ。しくったら承知しないからね」

「ら、らじゃぁ!」

(っていうやりとりは、あくまでも想像だけれど……)



 玄関を出たところか、どのタイミングだったか忘れましたが、お見送りをしてくれた子供たち(もちろん例のお別れくんもです)が、私の母に図書カードを渡そうとしたんです。


「ママから。来てくれてありがとって」

「いやだわ、そんな、申し訳ないっ。お母さんに、お気持ちだけでって」

「いやいや、渡さないで帰ったら怒られちゃうって」

「でも、悪いわよ……」


 気を遣って、子供から渡すように仕向けてくださったのですね。……しむけ……? ま、いいや。

 でも、まあ慣習ってありますよね。そんなお気遣いなく、って、返しちゃうんですよ。


「ほら、絵郎ちゃん、行くよ」


 一見おとなしく引きさがったかに見えた子供たち部隊……しかし……、





 さて、駐車場。

 幼きころの絵郎、後方に敵を発見。


「お母ちゃん、なんか来るよ」

「なっ、あの子らまだ……」


 私と母は、急いで車へと向かいます。


「チッ、ばれたかっ。逃すなっ」

「おうっ」


 さて、子供らが追いついて、私が後部座席に乗ったのを見るとドアをこじ開けて図書カードを無理やり渡してきます。


「絵郎ちゃん、貸しなさいっ」


 すかさず母が、図書カードを奪い取り、子供らに返します。

 そして、車は発進。


「くそっ。覚えてろーっ」





 その後、


「なんだか強引に拒んじゃって、かえって悪いことしたわね」

「もらっておけばよかったのに」

「でもね、あの子のお母さんとお電話してね……、『遠慮させちゃって……、でもありがとう』だって」

「なんだそりゃ」





 親戚同士だと、母と大叔母さんが「いいからいいから、くれんでいいから」とバトルしているのをよく見たものです。

 でも、幼稚園のママ友同士で……、しかも、子供たちをあいだに挟んでってのは、これがおそらく最初で最後で……、でも、さすがに現金じゃやらないでしょ。

 ってことはですよ、図書カードって、思い出作りには最高……なのかもしれませんね。(ツッコミは受けつけません。)





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