もさ子その39
あれから入れ物のデザインを考えて、中のお菓子も考えて……。
一週間はあっという間に過ぎちゃった。
お菓子は田崎君からの情報でカップケーキサイズのガトーショコラにした。友チョコは簡単にチョコクッキー。
田崎君は他にも情報をくれて、あの女の子は同じクラスでバドミントン部らしい。帰宅時間が同じで部室も近いから一緒に帰ることがよくあるみたいで、ちょっと噂になってるとか。
まだあったけど、そこまで細かいことはいいかなって思うくらい羅列してあった。
田崎君の情報収集能力が怖い……。
その後は色々なお店に行って材料集め。
由美ちゃんにも話して手伝って貰った。由美ちゃんのお姉さんからは百貨店の商品を勧められたけど、どれも高くて上品な感じでお断りさせてもらった。
試作もたくさんして、家は毎日チョコレートのにおい。弟は文句を言いながらも失敗しても食べてくれた。何だかんだで優しいよね。
部屋ではいろんな種類の入れ物を作ってみて、由美ちゃんと田崎君に写真を送って見てもらった。
持ち運びが簡単な袋タイプにしたけど、後はデザインかな。
悩んでいたら由美ちゃんから電話がかかってきてた。
「一年前と同じかと思ったけど、随分積極的で良かったわ」
「あれは由美ちゃんが……由美ちゃんのせいじゃないか。今回は谷野君のこと誤解してるかもしれないから、頑張ってみることにしたの」
もさ子な私でも好きでいてくれるって言ってくれたし、空手の大会で会ったときも嬉しそうにしてたもの。
谷野君を信じて会ってみなくちゃ。
由美ちゃんも応援してくれるって言ってくれて、またやる気が出てきたから袋のデザインと仕上げまで一気にやっちゃった。
タンスの隙間に隠しておいたタオルも洗って一緒に渡そう。
遂にバレンタイン前日。
ガトーショコラにチョコクッキー、袋詰めも終わって後は谷野君に連絡するだけ。
久しぶりだからすごく緊張する。
最初は何て書こう…………いつも谷野君からだから返事ばっかりだ。
「うーん」
考え過ぎるとよくないから放課後に学校の校門に行くね、でいいよね。
送ったらすぐに返事がかえってきた。
今日は部活じゃないのかな。
「………………」
返事はわかった、だけだった。
これはどっちなんだろう……。すごく不安。
ご覧いただきありがとうございます。




