もさ子その35
「綾子」
谷野君、何で道着姿?
ここ公園だよ。
「もう、限界」
ぎゅっと抱きしめられて
か、顔近いっ!
頬になにか当たった感触が…………!!
「あれ?」
夢だったのか。私はベッドの上でもがいていた。
まだ心臓がドキドキしてる。
それにしてもなんだか最近、同じ体験をしたような。
モコモコでふわふわーって…………藤牧君の顔が……
――初詣だ!!
気づいたら私の顔は真っ赤で爆発しそうだった。
この前の話ってそういうことだよねっ。
頬に当たったのってもしかしなくても……く、くち……!?
今日はどうやって過ごせばいいの?
同じクラスでよく話すのに無理!!
そういえば何で藤牧君が谷野君に変換されて夢になってるの?
テレビでよく夢は人の願望が表れるって言うけど……。
えー、だって……谷野君のこと……
また顔が真っ赤になってしまった。
とりあえずこの事は考えないでおこう。
今日も学校だし。
今日の今日で忘れるなんてできなかった……。
藤牧君が視界に入るだけで体がビクつくし、話しかけられると顔が赤くなる。
藤牧君はそれに気づいてて、お昼ぐらいからよく近づいてくる。
「藤牧、もさ子に接近禁止!!」
「えーかわいいのに」
「反応しすぎて疲れてるでしょ」
「また意識してもらえてるみたいだから仕方ないかな」
そう言って離れた藤牧君に一息ついた。
由美ちゃんに感謝!と思ったらじっと見られてた。
一応話しておこう。何か名案があるかも!
「やっと自覚したってことでいいの?」
「……う、ん」
「それはどっち?」
「谷野君…………です」
「じゃあ藤牧にあの反応はまずいわね」
でも…………そうだよね。
離れていく時、嬉しそうだったし。
ちゃんと言った方がいいよね。
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