もさ子その31
「幸せオーラの中だけど好きな方が決まってるならさっさと言っちゃったら?」
「え?」
「は?」
教室について由美ちゃんから開口一番に言われた。
そんなに顔緩んでた?さっきまで藤牧君といたけど。
「す、好きな方って……今日はたまたまうれしいなって思った、だけで…………」
「いつまでも引き延ばしてると呆れられるわよ」
「由美ちゃん厳しい!」
今のままがダメなことはわかってるよ。
どっちといてもドキドキするし、楽しいし……好きな人がわかる方法があればいいのになぁ。
ということで、帰り際に由美ちゃんに相談してみた。
「なにそれ、ちょっとは違いあるでしょ」
「えー」
今までを思い出してみろって言われたのでやってみよう。
なんだか恥ずかしいことしか出てこない!!
「何で照れてるのか知らないけど、それっぽい心当たりあった?」
「どれもドキドキする」
「…………。聞いた私がバカだった」
「あ、でも藤牧君はドキドキばっかりだけど、谷野君はふわふわ温かい感じかな」
そう言うと、由美ちゃんはため息をついた。
「もう決まってるじゃない。後は自分が気づくだけ」
匙を投げられた!
由美ちゃんはもう雑誌を読む方にいってしまった。
何で自分ではわからないんだろう……由美ちゃんの方がわかってるなんて。
ふいに由美ちゃんが私の顔をじっと見てきた。
顔に何か付いてるかな?
「そういえば前髪ピンで留めてるのね」
「うん、藤牧君に貰ったんだけど」
「ふーん。取捨選択はきっちりしなさいよ」
さっきから私のわからないことばかり言うなぁ。
ヘアピンはしない方がいいってこと?
デザインは気に入ってるんだけど……。
あ、由美ちゃんはもっさりもさ子な私が好きなんだ!
由美ちゃんを取るか、ヘアピンを取るかってこと!
物に嫉妬するなんてかわいいなぁ。
もちろん、由美ちゃんを取るよ!!
ヘアピンを外して由美ちゃんを呼んだら、またため息をつかれた。
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