もさ子その10
次の日から藤牧君は話しかけてくるようになった。
由美ちゃんは嫌そうな顔してるけど、私がフォローすると
「単純」
とデコピンされた。
地味に痛い…。
あ、わかった!
「心配しなくても由美ちゃんが一番だよ!」
またデコピンされた。
ちょっと強い…。
「田崎のせいで警戒しすぎかしら」
「?」
由美ちゃんの鞄からスマホのバイブが聞こえる。
そういえば、最近よくスマホいじってるなー。
新しい友達かな?
と思ったら、きつい目付きになって文字を打ち始めた。
「今日の帰りはダッシュで出るわよ」
「うん」
今日の最後の授業のチャイムが鳴った。
由美ちゃんに促されるまま、ダッシュで裏門まで来ました。
そこには、久しぶりの田崎君。
「全然会わせてくれないから来ちゃった」
「田崎君に会うから急いでたの?」
「会いたくないから急いでたのに…なんでよ」
笑顔の田崎君と脱力気味の由美ちゃん。
両極端な二人に挟まれた私はわけが分からない。
「あれから何回も邪魔されて会えなくて困ってたんだよね」
「さっさと用件を言いなさい」
「笹井さんはガードかったいからなー。てか、もさ子ちゃんのお友達なだけなのにお母さんみたいだね」
由美ちゃんの顔が恐ろしいことになってる!!
仲が悪いのはさすがに私も分かったよー!
「とりあえずどこか入ろっか?」
え、座って話すほどの用事?!
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