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1.
泣くことをやめられなかった。
悔しいからもあり、誰にも省みられないことが悲しい思いもあった
一人ぼっちが寂しい思いもいっそう強くて
泣き止むことができなかった。
涙がかれるほど
鼻の奥がつんと痛くなるのも構わないで
鼻をすすって
子供のように大声を出して泣いた。
人はそんな自分を見下ろして慰めてはくれない。
他人というのは存外、薄情なもので
あいにくそれには世界中には他人しか存在しなかった。
矮小で捨て置かれる道端のごみのような存在でしたない。
泣く声も耳障りな雑音と顔をしかめられることしかない。
自分がいかに他から見てどうでもいい存在であるか
それは改めて知ってそして望んだ
望んだそれがなんだったか
物知らずなそれはその時には言葉として理解することはできなかった。
「お腹がすいた、ひもじい…」
元から頭の良くないそれは泣くだけ泣くと何で泣いていたのかも忘れ
道の片隅に身を縮込ませて、鳴るお腹を押さえた。
空腹は身に堪えた。
食事も買えないそれの身なりはとてもみすぼらしく
まさに物乞いのそれに相応しい襤褸だった。
泣き疲れるままにそれは眠りについた。