プロローグ
初投稿です、かなりの長編になりましたが、最後まで読んでいただけたならこれ幸い
我々の世界が誕生するはるか昔、人間はここではない、別の世界に生きていた
世界の名をアースへヴン
そこには『空』と呼ばれた青く広がる天があり、その中に太陽という光り輝く熱の塊が、燦然と大地を照らしていたのである
人々はその下で発達した文明を築き、日々の生活を営んでいた。
ところがある日、どこからともなく現れた魔王ディード=クレアルの手によって突如として世界は滅びてしまった。
ディード=クレアルの手は一挙にして世界を包み、アースへヴンはまたたくまに深淵の暗闇に陥った。
あれだけ輝いていたはずの太陽は空から掻き消え、変わりに漆黒の闇だけが天を不気味に彩る。
人々は絶望した…大地は荒廃し、それを映し出すように人々の心も病んでいった、アースへヴンは完全にディード=クレアルに掌握されてしまったかのように思われた…
しかし、人々の前に突然現れた七つの光が、次々と闇に飲まれてゆく世界の中、ディード=クレアルに立ち向かっていったのである。
人々はその七つの光を敬意と畏怖の念を込めてこう呼んだ…
セブンズホープ…七つの希望、と
七つの希望はディード=クレアルと長きに渡り、激しい戦いを繰り広げ、ついにはディード=クレアルをおいつめた
だがしかし、ディード=クレアルは最後の力を振り絞り、七つの希望を自らの体内に取り込むことで封印し、自らも傷を癒すために永い眠りに入った
それから数千年の期間は無の世紀と称されることになる、ディード=クレアルは依然として我々から『空』を奪ったまま、覚醒のときを待ちわびている…
そう…ディード=クレアルは今もこの大地で眠っているのだ……
――ルフォン=アッシュバート著
『青空の世界』