煙
掲載日:2026/01/19
明治時代初期位をイメージして書きました。
私は煙に巻かれたようであった。相手にされるどころか、むしろ敬遠されるような。そんな苦しいような、苦しくはない日々を過ごしてまいりました。火薬というのはみなさんもご存知であろう。目を瞑りたくなるような、そんな眩しさがある。そんなものが私はきっと羨ましかったのだ。しかしどう足掻いたって煙は煙のままである。私は静かに窓を見た。雪景色が微笑んでいるようだった。勿論雪景色が微笑むわけがない。その時は、死の狭間でのらりくらりと揺れていたから、このように見えたのに違いない。そして畳の上にある拳銃を頭に突きつけ、引き金を引いた。弾きけるような弾丸の音がして。そのまま私はばたっ倒れた。その瞬間。偶然なのか、それとも神様が最後の悪戯をしてくれたのか、外にできた立派な氷柱が地面へと突き刺した。私は嬉しかった。最後の最後にこんな私に神様が悪戯してくれたことを。




