◆章タイトル:信じるままで、守る ― 敵を助ける者たち
◆章タイトル:信じるままで、守る ― 敵を助ける者たち
【1】発端:反壷連盟内での“粛清命令”
《タビラ》たちの非公式声明
「壷は手段、問いは条件ではない」が
思想的な“軟化”とみなされ、
**過激派母体「黒信翼」**が粛清を決定。
内部文書がリーク:
「対話者は“信念の侵食者”である。
接触した者の言葉は、思想の“静かな崩壊”であり、最も危険だ。
“対話の火種”は、燃え広がる前に消せ。」
【2】ISBA諜報班の通報 → 緊急対話保護作戦を発動
作戦名:《遮炎壺》作戦(TQ-SHIELD/01)
責任局:ISBA 危機対応局 × 外交・調停局
目的:タビラを含む対話派思想員6名を密かに保護し、生存思想権を確保する
【3】救出作戦:都市地下からの引き上げ
潜伏先:グレバン連邦・旧思想庁跡地下3階
護送班:川内 智和(対話権尊重のため現場に同行)
隊員構成:対話護送専門ユニット《TQ-FLUX》×8名
特殊装備:壷灰散布型「思想検知抑制フィールド」装置
作戦要点:
「思想の匂い」を遮断
救出者の思想を無傷で保ちつつ、安全帯まで移送
一切の「思想改変・誘導」は行わない
【4】現場:沈黙する対話者たち
川内が手を差し出すと、
一人の青年は一瞬、躊躇したあとこう言った。
「あなたたちが“正しい”とは思っていない。
でも、“俺たちの信じた対話”を殺されるくらいなら、信じないまま守ってくれ」
川内は、ただ頷いた。
「わかった。“あなたがそのままの形で生きるために”、こっちは動いてる」
【5】帰還・保護後の処置
タビラを含む6名は、“中立思想庇護圏”に仮移住
思想的自立を保証されたまま、発言も、沈黙も選べる暮らしが提供される
ISBAは彼らの存在を「思想難民」ではなく「思想自主体の庇護対象」として分類
【6】ISBAの声明(非公開報告書より)
「敵であっても、問いを持った瞬間から“同じ場に居られる者”になる。
対話とは、相手を変えることではない。
対話を信じたまま、守られる権利を持つことだ。」
【7】その後の兆し
黒信翼の一部で「粛清拒否」の動きが拡大し、“対話容認派”が静かに離脱を始める
世界の思想報道メディアでは、「ISBAが敵対者を救う」という“倫理衝撃”が広まり、
「敵を守った思想機関」として新たな関心を集める