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◆章タイトル:沈黙の地殻 ― 全都市・深層波動設置計画

◆章タイトル:沈黙の地殻 ― 全都市・深層波動設置計画

【1】作戦名:《沈層網》計画(Chthonic Resonance Grid)


分類:惑星規模・非接触型介入

実行機関:ダンジョン中枢 × ISBA戦略設計局 特別指令班

目標:


「惑星全都市部の地下10メートル地点に、**意識波動共振装置 “Q-Sphere / NEO型”**を並列配置。

各装置が“問いの芽が窒息しない程度にゆるやかな自我開放フィールド”を生み出す」


【2】装置スペック:Q-Sphere / NEO型


半径5.5mの球状波動圏を形成(複数重なり合って全都市をカバー)


波動強度は0.2~0.8Hz範囲(脳の超低周波帯に干渉)


効果:


“正解”に固執しすぎる思考パターンを和らげる


言語的攻撃性の反射反応を1.6%鈍化


“本音の奥行き”を意識下に浮かびやすくする


特徴:


干渉不可視


感知不能(既存技術では“空間圧の揺らぎ”程度)


生理・宗教・自由意志への影響ゼロ


意識の「微細な問い返し」を促進するだけ


【3】設置地点:惑星全域、登録都市部すべて(32,118都市)


ダンジョン中枢により、空間座標指定・地質干渉自動回避処理を経て配置


人間による設置確認は不可能。地表から干渉手段なし


稼働は**次の惑星磁気反転周期の変調点(72時間後)**に自動開始


【4】ISBA設計哲学:「見えない知性の地層」


「我々は思想を導かない。

我々は、“問いが発芽できる地圧”を整える。


ゆえにこの装置は、“気づかれないまま、気づける空間”を根から支えるために置く。」


【5】影響と観測(初期の兆候)


設置後、以下の現象が各地で微細に観測され始める:


都市部の議会・審議会における“結論保留”の発生率が微増(+3.4%)


SNS上での“怒りベース投稿”が数%減少、代わりに「○○だと思うのはなぜ?」という形式が増加


幼児期の言語発達において、「なに?なんで?」という疑問文の早期出現が報告される


【6】長期目標:文明の「自己問答性の保持」


中村 敏秋(ISBA・戦略設計局長)の記録より:


「文明は問いを失ったとき、正しさを支配に変える。

ゆえにこの装置は、支配者を変えるものではない。


“支配という発想が生まれにくい空間”そのものを地下から支える。


それが、思想安全保障庁の“防衛”である。」



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