表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

作者: このび

どうしようもなくなって落ち込んで、もう駄目だと思い、足を止めたとき

彼の言葉を思い出した。

「ねぇ。どうして人間の目って他の生き物とは違って顔の前方に付いていると思う?

それはね、目の前を見るためなんだよ。口だってそう、前についているのは後ろ向きな言葉を発したくなった時に、最終的には前に飛んでいけるようになっているんだ。鼻が一番前に付いているのは、

危険な香りをすぐに察知できるようにさ。でも耳なんかは横に付いているよね?それは人の言葉をそのまんま受け取らないように横に付いているんだよ。

その大きな胴体に、足はどうして付いているかわかるかな?人を踏み台にするため?違うよね。前に進むためにあるんだ。それじゃあその両の手、何のためにあるんだろう?もうわかるね。前に進んだ先にある希望を手にするためさ。これさえわかれば、あとはその死んでしまった心臓を奮い立たせるだけさ。意外と簡単なことだよ。」


あの時、彼の言葉は響かなかった。それでも今、下ばかり見ていた顔を試しに上に向け、視線を前方に送ってみた。

自分がこれから進むべき道と、彼の優しい笑顔が目に入った時、私の死んでしまっていた真の像が動き出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ