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【赤毛の伯爵令嬢】のあとがき

※こちらはハチ助の作品【赤毛の伯爵令嬢】のあとがきになります。

 ネタバレ要素あるので作品未読の方は、ブラウザバックでお願いします。

『赤毛の伯爵令嬢』をお手に取って頂き、誠にありがとうございました!

 そしてあとがきまで足を運んでくださり、本当にありがとうございます。


 こちらの話は、元々異世界恋愛ジャンルで投稿しようとしてプロットを作っていた作品になります。

 しかし……ちょうどこの作品の執筆を始めようかという時に異世界恋愛ジャンルで投稿した別作品で、ちょっと作者がやらかして心折れかけまして……。(苦笑)

 異世界恋愛ジャンル恐怖症に陥っている時に執筆した為、ガッツリとヒューマンドラマで書く方向に急遽変更した作品になります。


「もうヒューマンドラマだから、人間の葛藤やドロっとしたところ全力で書いてやる!」という思いが半分と、この前に投稿した作品(『小さな殿下と私』)でやらかしたヒーローのキャラ作りでの教訓から「なら今回は、誰が読んでもヒロインをがっつり守る理想的ヒーローで作品書いてやる!」と半ば意地になって、書いた作品でもありますね。(笑)


 そしてこの作品では、作者はあるマイルールを作って取り組んでました。

 それが以下4つのマイルール。


 ・出来るだけ多くの人が登場人物の心情が分かる様にガッツリ書く。

 ・底意地の悪いキャラ設定を出来るだけしない。

 ・読み手に「こいつが悪い!」という特定の登場人物を彷彿させない。

 ・とにかくリアルな人間関係描写を心がける。


 この中で特にきつかったのが、一番目……。


 一番目に関しては、もう完全に読者様側の読みやすさ対策だったのですが……これがもう本当にしんどくって。(-_-;)

 作者の場合、一般の文芸作品読み慣れているので、周りの状況や表情描写などで、その場面を想像しながら読むタイプなんですが……。

(作品の世界を頭の中で映像として起こして、まるでドラマや映画を見ているような感覚で本を読むタイプ)

 一人称しか読みなれてない読者様だと、主人公にしか感情移入して貰えないので、三人称の作品だと他の登場人物に感情移入して貰えず、その行動が非常識だと感じやすい傾向があります。

(一人称好きな読者様だと、ご自身をその主人公と一体化させて読まれると思うので、主人公が作中で受けるストレスも一緒に受けてしまう……)


 それを防止する為に今回は、登場人物の心情をなるべく主人公クレアに代弁させたのですが……。

 出てくる登場人物全員の立場になりきって作者が書いたので、もうメンタルが悲鳴を上げました……。(メインキャラだけなく両親とかもなので)

 そしてその代弁者となった気遣いし過ぎる主人公クレアは「エスパーかよ!?」というくらい周りの人間の気持ちを読み取り過ぎてます。(笑)


 三人称だと、色んなキャラに感情移入が出来てしまうので、どうしてもそのキャラから見たら『こいつ、嫌な奴』というのは出て来てしまうと思いますが、クレアに他人物たちの感情を解説して貰う事で、なるべくそう感じてしまうキャラを軽減させようと、かなり読みやすさに配慮して作品をかいてます。

 ですが……やはりその辺は技量不足なのか、そのクレアが偽善者すぎて理解出来ないというご意見も頂いてます。

 全ての人に愛されるキャラを生み出すのは、本当に至難の業ですね。(泣)


 ちなみに今回の話は、作者的には主人公が二人います。

 表主人公はもちろん姉クレアですが、裏主人公を妹ティアラでという感じで書いております。

 このティアラ、作中はかなり読者様をイラっとさせた存在だと思いますが、彼女の行動は本当に善意と思って振る舞った行動なのです……。

 そしてこの妹にはモデルとなった人物が実際にいるのですが、こういうタイプの人と関わる機会があると、周りの人間が受けるストレスはもの凄い……。

(作者は不眠、胃炎、片頭痛で苦しみました……)


 ですが悪気が無いだけなので、不快だという気持ちを伝えれば受け入れてはくれます。でもまたすぐに同じ事を繰り返す……。

 その人の中では注意された事が、またやってしまった事と同じ事だという認識がないんですよ……。だからこちらも腹は立つが怒るに怒れない……。

 こちら側が我慢する事が多すぎて……腹が立ってやんわりと嫌味を言っても相手は空気が読めないので嫌味を言われても気づかないから、ストレスもあまり感じません。(苦笑)


 今思うと、ティアラのモデルとなった人物は軽度発達障害(ASD等の)だったのかも……とも思ところもありますが、作者は医者ではありませんし、それを判断するのは本当に難しいと思います。

 実際そのモデルとなった方は、深く付き合わなければ明るい人懐っこい性格の感じの良い普通の人だったので……。


 同時にこのティアラタイプの人が自身では原因が分からず、周りから拒絶されやすい状況に物凄く傷つき、自分ではどうする事も出来ない状況で苦しんでいる事もよく分かります……。

 ティアラタイプの人は本当に悪気がなく、むしろ良かれと思った行動や言動で相手を怒らせてしまう事が多いんです……。


 その結果、ついにドカンとキレた相手から完全に拒絶される事が多いですが、その状況はティアラタイプの人にとって、今まで普通に接してくれた相手が急に意地悪して来たと感じてしまいます……。

 その悪化した関係を必死で修復しようと、更に相手に過剰に絡んでしまう。

 自分が今、相手からよく思われていないという事にも気づけないんです……。

 それで更に相手から嫌悪感を抱かれてしまい、どんどん人間関係が悪化する。

 その事で苦しんでいる人がいるという事も今回作者が書きたかった部分です。


 ですが、それを見かねて親切心で親身になって接すると……クレアにみたいにもの凄く依存と執着をされます。(作者はそれで失敗しましたw)

 その依存と執着の仕方も本当にハンパない……。

 後ろをくっ付かれたり、顔を頻繁に覗き込まれたり、行動をじっと観察されたり……全身で「あなたと親しくなりたいです!」と訴えて来られるのですが、その好意が重すぎて……。

 作者の場合、その執着される事がストレスにまで発展しました……。

(作中では閣下がティアラにやられていますwww)


 作中ではこの解決策に閣下が二人を引き離すという事をしてますが……。

 作者の方でもティアラの様なタイプの人は、適度に距離を取るという対策しか思い付きません。

 でも拒絶するのではなく「ここまでは入って来ないでね! 嫌だから!」という線引きをはっきり伝えて、お付き合いしていくしかないかなーと。


 そしてその距離感を維持するのが本当に難しいのが現実です。

 その距離感を気にしながら付き合うという事は、結局はこちらが最大限にその人の空気を読まなくてはなりません……。

 なのに相手は、思いっきり笑顔でこちらの地雷を踏みぬいてくるwww

 ようするにこちらが一方的にストレスを受ける関係が、常に続くのです。

 そうなると相手の人柄は特に嫌いではないけれど、一緒に入るだけでこちらがイライラする事が多すぎて、こちらの方が負担が多くなり、その人と一緒に過ごす事が苦痛になってきます……。


 今回のお話は、どんなに大切だと思う相手でも分かり合えないすれ違いがある人間関係が存在しているという部分をテーマにした作品になってます。

 ティアラという人間を理解しようと必死で努力しているオーデント一家の視点。

 逆に免疫が一切ない第三者の立場からティアラを見た公爵閣下視点。

 そして悪意が一切無く、相手に不快感を与えてしまう事に気付けず、周りから煙たがられやすい事に苦しむティアラ視点。

 そんな登場人物が葛藤する感じのお話ですね。


 初のヒューマンドラマ意識の作品なので、その辺しっかり書こうと思って、今回の作品に取り組んでみたのですが……。

 いやー、ヒューマンドラマ得意な作家さんって、毎回この緊迫した感じで登場人物の心理描写書いてると思うと、本当凄いと思います。(^^;)

 私の場合だと執筆中は「辛い~! もう心理描写、嫌だぁ~!」と何度も挫折して、なろうサイトで別作品読みに現実逃避繰り返しましたから。(苦笑)


 なので一番心配なのが、読者様側がそのストレスを受けていないかです。

 書き手がここまで神経すり減らして書いているので、読み手もかなりストレス受けたのでは……と心配していたのですが……。

 ありがたい事に「家族間が仲良かったのでそこまで重く感じずに読めました」という感想が多いので、ほっとしてます。(^^;)


 何にしてもこのようなややこしい心理描写をテーマにした作品を最後まで読んでくださった事には、もう感謝しかございません!

 読んでくださった方々、本当にありがとうございました!

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